『有名店シリーズ 蔭山樓 鶏白湯塩そば』丸鶏ダシの香ばしさと濃厚クリーミーな味わいが光る本格中国料理味!
東京の中でも上品なおしゃれタウンとして有名な自由が丘の地で”フカヒレの名店”として知られるのが蔭山樓(かげやまろう)。本格創作中国料理のその味わいをカップ麺化したのが日清食品『有名店シリーズ 蔭山樓 鶏白湯塩そば』(108gうち麺80g・希望小売価格 税抜205円・2015年8月24日発売)なのだが、その味わいは既存のカップ麺の常識を覆す本格中国料理の味わいが見事だ。
ちなみに蔭山樓の店主は京王プラザホテルや恵比寿の筑紫樓の料理長を歴任した蔭山シェフ。そこでは担々麺と鶏の白湯塩麺が人気メニューなのだが、今回原型となったのは後者。シェフが繰り出すラーメンで、自由が丘発祥となると何となく気取った匂いが鼻についてしまうが、それも実際に食べるまでのこと。
フタに貼り付いた「特製えび油」を引き剥がし、縦型カップのフタをめくると太めの縮れ麺が顔を出す。油揚げめんではあるけれど湯戻し5分というのがわかる太さだ。
調理後にフタを取り去ると香ばしいチキンの香りがしてくるのだが、そこに後入れの「特製えび油」を入れると一気に本格中国料理の香りとなる。フカヒレの名店なのに鶏塩? 鶏塩なのにえび油? というフェイントばかりに神経が行ってしまっていたが、実際に食べてみるとその全てがパーフェクト。
丸鶏を使用したダシというのは嘘ではない。濃厚かつクノール的なとろみを持つスープは、鶏油の香ばしさと滋味あふれる味わいを存分にあふれさせていて、一口飲んだだけで幸せな気分になるレベル。塩で白湯仕上げというのが存分に活かされている。
具材はキャベツ、蒸し鶏、フライドオニオン、ネギ、レッドベルの5種だが、中でも蒸し鶏は旨い。良い意味でぱさついたささみ感がまったりとしたスープにマッチしているのだ。
そして麺。図太いという表現がぴったり来る重量級の麺が濃厚スープをがっちり口内まで運びこむ仕組みは結構なワイルド感。自由が丘マダムが好むだろうと予想するお上品さとはかけ離れた野性的な旨さがここにある。
ラーメンというよりも中国料理店の麺メニューの味わいだ。まさかカップ麺で堪能できるとは思わなかった。そして価格帯も名店プロデュース系ながら200円ちょっとで収めている所も素晴らしい。店頭で見かけたら即ゲットをおすすめする。