『えびそば一幻 えびしお』甘海老頭部の大量使用で作り出した海老すぎる濃厚スープは海老味ファンなら必食!

海老そば”というとくるんと丸まった小海老が入っている中国料理をイメージするかもしれないが、海老をダシに使用したラーメン系も存在する。今回の日清食品『えびそば一幻 えびしお』(113gうち麺70g・希望小売価格 税抜257円・2015年8月25日発売)は、2009年に北海道札幌で開業するやいなやすかさず人気店になったラーメン屋の海老そばを再現した一品である。

 

正直、都内にも海老をダシにしたラーメン店はそこそこあり、行ったこともある。しかしいつも今ひとつ「難しいなあ」という感想しか抱けていなかったのが正直な所。甘海老などの濃厚ダシというのは生臭さと紙一重で、ほんの少し行き過ぎるだけで美味しさの範囲から飛び出してしまうのだ。最初は良くても食べ進めるうちに生臭さセンサーが反応してしまい、美味しく感じなくなってしまう。何でも濃厚であればいいというものではない。

IMG_9865

もちろん加熱した小海老で作られている広東料理系中国料理店の海老そばは今回と同列に語るべきではない。全く別物である。

IMG_9818

さてこの『えびそば一幻 えびしお』の元となっているのは「えびそば一幻」という新興名店。すでに東京・新宿や神奈川・川崎にも出店している海老ダシラーメンの人気店。甘海老の頭部を大量に使用したスープが特徴である。フタをめくって粉末スープ、肉厚チャーシュー、後入れ液体スープ、後入れ揚げ玉を取り出すと、中から中細で存在感のあるノンフライ麺が顔を出す。

IMG_9824

湯入れは先入れ粉末スープを入れる際に溶かしながら行えというのでそうする。海老そばなのにこのチャーシューの分厚さは何なのだろうと思いながら。ひょっとしたら海老で美味しさを出すのを半ば諦めてチャーシューの分厚さで勘弁してもらおうという作戦なのでは? と疑ってしまわないでもない。まあ価格的にも200円代後半というお高め設定なのでこの豪華はうれしい。

IMG_9827

湯を入れている段階で粉末スープが溶け出すと部屋中が海老の香りで充満する。これは強力。かっぱえびせんの赤い海老部分を集めたかのような海老風味が香ばしい。

IMG_9841

かやくはチャーシューの他に、ネギと海老揚げ玉。4分の調理時間を経てノンフライ麺なのでしっかりほぐしてから液体スープを投入するとさらに強力に海老モード。甘海老系のまったりとした濃厚な海老フレイバーは、オフィスでちょっと食べるシチュエーションには明らかに適していない。

IMG_9843

さて、スープを一口。豚骨スープがベースになっているらしい。マイルドな口当たりの濃厚スープは旨みたっぷりなのだが、そこに甘海老たちの頭のダシが強烈に乗っかってくると物凄く濃い味のえびスープが出来上がる。塩味なはずなのだけれど、味噌味のような濃厚ぶりなのだ。

IMG_9846

仕上げに振りかけた海老揚げ玉が良い仕事をしている。その香ばしさが生臭さをリセット、海老の良い部分だけをアピールするように誘導するのだ。これは旨い!

IMG_9852

またノンフライ仕上げの麺も毛足が遊ぶタイプなので食感がいい。ツルツルと食べると盛大にスープを跳ね上げるのが白シャツの天敵だが、濃厚スープをキリッと美味しく味あわせてくれる。

IMG_9850

ただ肉厚すぎるチャーシューは美味しいのだけれど、海老とは別方向の美味しさなので無くてもいいかなと思わないでもない。その分価格を下げて気軽に味わえるようにした方が良い気がした。みんな食べる人は海老モードなわけで、肉はそんなに期待してないだろう。

IMG_9857

とにかく海老の風味にどっぷり浸かりたい、徹底的に海老ダシの濃厚さにまみれたいという人なら必ずや味わうべき。ただこれ、ローソン限定発売なので近所にないと入手しにくいのだけれど。

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイト:えびそば一幻 えびしお

記者

アバター画像

清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

この記者の記事一覧

トラックバック