背脂に負けない骨まで煮出した濃厚鶏油スープで圧倒する『日清 麺屋 彩々 白鶏塩ラーメン』は博多水炊きの域!

かく老舗ばかりがもてはやされがちなラーメン業界。そんな中で平成19年創業ながら行列を生み出しているのが大阪を本拠地とする「麺屋 彩々」。その味を日清食品株式会社(東京・新宿区)とファミリーマートのコラボレーションでカップ麺化したのが『日清 麺屋 彩々 白鶏塩ラーメン』(108gうち麺65g・希望小売価格 税抜255円・2014年11月25日発売)である。

矢継ぎ早にリリースされるファミリーマート限定、数量限定商品ということで、油断すると食べ逃してしまいそうだが、この『日清 麺屋 彩々 白鶏塩ラーメン』は食べ逃すにはちょっと惜しい。とくに濃い目の鶏スープ好きにとっては。

鶏がらスープというのはどうしてもあっさりとした雰囲気が漂うものだけれど、これは違う。鶏がらもサッと大人しくゆでただけではなく、それこそ骨の髄までとろかすほどに煮込まれた鶏スープというより鶏骨スープなのだ。

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さっそく調理してみよう。
大きめの平型カップに注ぐ湯量は470mlと少々多め。でも麺自体は65gとけっして多くないのでそれだけスープに軸足を置いているということなのだろうか。
かやくは赤い袋がネギ、青い袋がチャーシューとメンマ、それに後入れのスープが緑の袋の液体と茶色の袋の粉末で2袋つく。麺はノンフライタイプだ。

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たっぷりとお湯を注いで待ち時間は4分。フタにスープを乗せて温めるのだけれど、しつこいほどに大きな文字でカップ本体にも袋そのものにも「後に入れるように」指示書きがある。よくあることだけど、ここには「麺がほぐれなくなるので」後入れするように理由まで書いてあるところが新鮮。そこまで無視する人が多いということなんだろうか。かつて男子トイレの小便器に「人がいなくても水が流れることがあります」とだけミステリアスに書いてあったのに、「清掃のために」と追加されたような感覚。ここまで理由を説明しなくては人は言うことを聞かない動物なのか。

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と思索にふけっている間に完成。フタをあけ、指示通りに後入れスープ2種を投入。ここまで指示されているのなら、粉末と液体のどちらを先に入れるかまで指定して欲しかった。悩んだ末、粉末を溶かしてから液体を入れる。

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液体スープはさながら背脂系のような趣き。ドロドロドローッと流れ出る白濁してほんのり茶色に色づいたスープはけっこうなインパクト。ただしそれを溶かすと同時に、チキンの風味がグワッと湧き立って良い鶏の香りが襲いかかってくる。これはたまらない。麺も指示通りしたゆえか、スルスルとほぐれる。

白濁したチキンスープに目を奪われる。もちろん透明スープの鶏ガラだしを否定するわけではないけれど、なかなか食べられない白濁鶏汁は非常に期待してしまう。

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まずはスープから。鶏の油がやはり背脂のように表面を覆っていて、かなり濃厚。鶏の味というより鶏の骨の味がする、気合の入ったとろみ満点の鶏スープ。隠し味の黒コショウの粒がきりりと引き締めて、吸いついてくるような入り込み方をしてくるのが実に美味しい。

麺はつるつるでコシと弾力のある中細めん。いくぶんパスタライクなアルデンテふう。スープの油と絡まると恐ろしくつるつる度に拍車がかかる。いつもの調子ですすると麺とスープのダブルで抵抗をなくしているので必要以上に加速してしまい、一気に大量にすすり込んでしまうからやけどに注意。

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軽く口内にダメージを受けながら、チャーシューをひと口。これが摩訶不思議。なんというか、ふわとろである。口の中に入れた途端にとろけちゃうタイプ。スイーツならともかく、正直物足りない。

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それでもメンマは大量に入っており、歯ごたえもシャキシャキと勇ましいのでうれしい。2回に1回くらいの配分でメンマとともに味わえるのは贅沢だと思う。どろどろに白濁した鶏スープとつる感あふれる麺のハーモニーは、麺の少なさも相まって早めの完食となった。

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もちろん鶏がらスープ=あっさり、すっきりという人も世の中に多いだろうから、万人におすすめしていいかどうかは少々微妙。でも博多の水炊きの方が好きで、自分で鶏ガラを調理するときには白濁するまで煮込んでしまうという人なら、久々のうれしい一撃だと思う。そして背脂的なドロリとしたお楽しみは豚だけに独占されるものではないと鶏が気勢を上げているようで、濃厚鶏ガラ好きにとっては応援したくなる一品だった。

オススメ度:(絶対におすすめ)
公式サイト:日清 麺屋 彩々 白鶏塩ラーメン

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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