【味の違いを検証】『ドクターペッパー』のおいしさとは? コーラと何が違う?【ドクペの魅力】
広い意味ではコーラ系炭酸ドリンクの一種として分類されることの多い『ドクターペッパー』(愛称:ドクペ)。より風味にクセが強く、嗜好性の高い飲み物として、好きな人は非常に好きだが、嫌いな人も多い、ドリンクだ。ここではその定番飲料として、コーラ系好きな記者が、コーラとの違いを含めて解説したい。
歴史は「コカ・コーラ」よりも古く、薬剤師が発明した健康ドリンクだった『ドクターペッパー』
世間的にはコーラからスピンアウトした派生品として捉えられがちな、コカ・コーラシステム『ドクターペッパー』(500mlPET・実勢価格 税抜110円・発売中)。しかし歴史的には1885年誕生で、販売されたのは「コカ・コーラ」よりも一年早い。つまりコーラ系ドリンクの元祖的存在である。
ただ味の雰囲気は似ているものの、もともとはコーラの実(コーラ・ナッツ)を使用していたからコーラなので、コーラ・ナッツを使わない『ドクターペッパー』は、コーラではない。炭酸が健康に良いとされていた時代だったがゆえのヘルシードリンクとして誕生した(コーラももとは胃の薬)。
しかしコーラの進化の過程で、本家コーラ自体もコーラの実を使わなくなったので、今は純粋に風味の差だけが違いとなっている。
『ドクターペッパー』とコーラの違いは?
それはレシピの違いである。「コカ・コーラ」や「ペプシ」などそれぞれでレシピは微妙に違う(販売国でも違う)ように、『ドクターペッパー』もレシピが違う。どちらもケンタッキーフライドチキンのレシピ同様門外不出なので、正確なところは当事者しかわからない。
ではコーラ風味や『ドクターペッパー』風味とはどこから来ているのだろう?
基本的には各種フルーツとスパイスと甘みである。一般的なコーラ味はシナモン、クローブ、カルダモン、バニラなどのスパイスと、レモンなどの柑橘フルーツの味がベースで、人はコーラだと感じるようだ。このスパイス調合あたりが、コーラを「薬くさい」と表現している源になっているのだと思う。
ちなみに「コカ・コーラ」と「ペプシ」の違いはレモンの量だと思う。レモンコーラに近い味わいがベースとなっているのが、最近の「ペプシ」の味の方向性である。
『ドクターペッパー』はパッケージに「20種類以上のフルーツフレーバー」と書いてあるが、その内容は公開されていない。ただ予測すると、スパイスは多めだと思う。より「薬くさい(ケミカルな味)」と表現する人が多いからだ。
さらにチェリー感は確実に強いし、よく「杏仁豆腐」の香りがすると表現する人も多いのは、アーモンドが使われているからだろう(杏仁豆腐の風味づけに使われる「杏仁霜/きょうにんそう※あんずの実」は代用品としてアーモンドパウダーが使われる)。
黒い水色はどちらもカラメル由来。ちなみに「コカ・コーラ」と『ドクターペッパー』の原材料を比較してみると、以下の通り。
『ドクターペッパー』
原材料名 : 果糖ぶどう糖液糖/ 炭酸、カラメル色素、香料、酸味料、保存料(安息香酸Na)、カフェイン
「コカ・コーラ」
糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/ 炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン
香料、酸味料の順序が違い、保存料があるかないかくらいでほぼ内容は同じである。
『ドクターペッパー』の病みつき系のおいしさとは何なのか!?
コーラより炭酸が抑えめで甘く、風味にスパイシーなクセがあるのが特徴だ。チェリーコークなどのいわゆる毒々しい(?)味部分がデフォルメされた分、B級グルメやジャンクなお菓子により似合う味わいとなっている。
ただし、「コカ・コーラ ゼロ」や「ペプシ ジャパンコーラ ゼロ/ペプシスペシャル」、「キリン メッツ コーラ」のような、ゼロ系製品は手に入れにくいので、体重が気になる人は要注意。日本でも「ドクターペッパー・ダイエット」は存在するのだが、基本コストコでしか手に入らない。ちなみに味は甘さ控えめで、記者はこちらの方が飲みやすい。
コーラで物足りなくなった人のための、クセの強さがクセになる黒いドリンク!
一緒に食べるものは、コーラに合うものなら何でも合う。おうち時間の増大で、コーラを飲みすぎている人なら、この『ドクターペッパー』という選択肢は非常に魅力的だ。普段のコーラと違う味わいに感動する人も多いだろう。
もっと言うなら、その後にまたコーラを飲むと、今度はコーラのおいしさがくっきり分かるのである。普段の慣れを一旦リセットしてくれるからだ。
さらにその後にまた『ドクターペッパー』を飲むと、こちらもやはり新鮮においしく感じる。永遠に続く輪廻のように、交互に楽しむのが、記者的にはおすすめだ。
入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。
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photo by 尹 哲郎/Official images