愛され続ける昭和のお菓子『フレンチパピロ』の食べ飽きないおいしさのヒミツ
懐かしい、という人も多いのではないではないだろうか。サクッと食感の生地にふんわり甘いクリームを詰めた『フレンチパピロ』は、昭和の定番お菓子のひとつ。実は記者、このお菓子が大好きで、小さい頃から30年以上にわたり今でも定期的に食べ続けている。懐かしいのに色褪せない、その飽きない魅力をご紹介したい!
西洋化する嗜好に合わせて誕生、受け継がれ続けるロングセラー
株式会社七尾製菓(福岡県北九州市)は、せんべい屋として昭和31年創業のお菓子メーカー。ラインナップには、香ばしいピーナッツが埋め込まれた「太鼓せんべい」や、カラフルでシューシーな「ニコニコニッコリゼリー」など、昭和を代表する人気のお菓子が勢揃いする。
主力商品である『フレンチパピロ』(170g・実勢価格 税抜218円・発売中)は、薄焼きせんべいをロール状に巻き上げ、クリームを詰めたお菓子。昭和37年の発売以来、60年近く愛され続けているロングセラー商品だ。香ばしくサクッとした食感と、ふんわりしたほどよい甘さのクリーム。そんな昔なつかしい、素朴な味わいの焼き菓子は大人も子どももトリコにする。
サクサクに焼き上げた生地をクルッと巻いた中には、乳成分を使用していない真っ白なクリーム。乳アレルギーの人でも食べられる、なめらかで口当たりの良いクリームだ。乳を使用していないのに、フワッフワなクリームには、ミルクのような雰囲気があるから不思議だ。
国内のスタイルや人々の嗜好が西洋化する中で、当時としてはかなりお洒落な洋風菓子だったそう。それでいて手頃な価格と、テレビコマーシャルの宣伝効果もあり、子どものお菓子として画期的なヒットを飛ばすことになった。
その子どもが親になり、自分の子どもと一緒に食べるお菓子として、受け継がれ続けていると思うとまた味わい深い。
サクッと食感と乳不使用の口どけクリームが絶品
ボリュームタイプは、1本ずつ個包装になった170gの大袋。この量には大食いの記者も大満足だ。よく考えると、200円前後でこの量はお財布にも嬉しい。
早速出してみると、どこかほっとする甘く香ばしい香り。
まずは一口。かじるとザクっとした食感と共に、ほろっと生地が砕ける。駄菓子のような、脂肪分のある軽い口当たりのクリームは、ふんわりと優しい甘さだ。生地は香ばしく、ちゃんとした甘さがあるのに素朴な味わい。
この空気を含んだような食感の生地は、クッキーではなく、メーカー得意の”おせんべい”だ。そこがまた、くどくなく飽きのこないヒミツなのかも。
このシンプルな味わいにひとつ、またひとつと手が伸びる。時代は変われど、この美味しさは変わらない。ロングセラーになるには、それだけの理由がある。現代の華やかなお菓子に慣れた子どもでも、きっとトリコになること請け合いの昭和のお菓子。
懐かしい!と思ったら、子どものころを思い出して食べてみて!
購入は全国のスーパーなどで可能。
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photo by TAKE