【乾麺そば8種徹底比較】2023年越しそば選び! スーパーで手軽に手に入る「乾麺そば」を食べ比べ!

 

年越しそばは、日本の伝統的な年末の風習で、江戸時代から始まっていたとされている。蕎麦の長と強度は、長寿や困難に立ち向かう力の象徴と考えられており、「年越しそばを食べることで悪運や困難、その年の苦労を断ち切り、新しい年に健康と幸運を掴む」と信じられていたなど風習には諸説ある。

 

また蕎麦は保存が利き、栄養価が高く消化も良いため、冬の間不足しがちな栄養素を補うのに適している。このような実用的な理由からも全国的に普及し、大晦日の夜に食べる習慣が定着した。

 

日本三大蕎麦とは

日本三大蕎麦とは一般的に島根県「出雲そば」、長野県「戸隠そば」、岩手県「わんこそば」を指す。

今回は、スーパーで手軽に購入できる「乾麺そば」を、蕎麦の産地として名高い「出雲そば」「信州そば」「山形そば」を中心に、そばの香りが良くわかる「ざるそば」で食べ比べてみる。

地域による違いや特徴を、以下の項目について☆の数10段階でレビューしてみよう。

 

1) 素材と製法(味や食感に与える影響)

2) 香りと風味(独自の香りと風味)

3) 麺の食感(太さや長さが与える影響)

4) 調理時間(何分で茹で上がるか)

5) 価格(コストパフォーマンス)

6) パッケージデザイン(視覚的要素)

7) 総合評価

 

出雲そば(島根県)

そば粉を多く使用し、色が濃く、粗めに挽かれた粉で作られるため、風味が強く食感が特徴だ。出汁は鰹節や昆布がベース。長ねぎや大根おろしの薬味が添えられる。「割子そば」としても知られ、数層に重ねた円い漆器にそばを盛るスタイルも人気だ。

 

信州そば(長野県)

冷涼な気候で育ったそば粉を使い、独特の香りとコシのある食感が特徴だ。少量の小麦粉を使い、風味豊かで弾力のある麺が生まれる。つゆはかつお節や昆布ベースでさっぱりした味わいがある。ネギ、わさび、大根おろしなどの薬味が添えられ、主に「ざるそば」「かけそば」として提供される。

 

山形そば(山形県)
そば粉を多く使用し、独特のコシと風味豊かで香り高い麺が特徴。「田舎そば」は蕎麦の実を丸ごと挽いて作られ、つゆは鰹節や昆布ベースでさっぱりとした味わい。ネギ、わさび、大根おろしなどの薬味が添えられ、主に「ざるそば」として有名だ。

 

わんこそば(岩手県)

江戸時代に南部藩の領主により考案されたそうだ。宴会で多くの客を効率的にもてなすために、一口大のそばを小さな器「わんこ」に入れ、客が蓋をするまで給仕が追加し続けるスタイルだ。食欲や楽しみを引き出す工夫として発展し、現代では岩手県の象徴的な料理として地元の祭りや特別な行事で楽しまれ、観光客にも人気となっている。

 

① 日本三大そば「出雲そば」(有限会社本田商店)

・購入場所:マルエツ

・購入価格:318円(税込)

・内容量:180g

 

パッケージは、2021年優秀味覚賞アワード☆☆獲得し、半透明で蕎麦が薄く透ける作りとなっており、今にも蕎麦の香りがしてきそうだ。中央に大きく「出雲そば」と表記されており、シンプルなデザインだ。

茹で時間は3分。原材料は小麦粉(国産)、そば粉(国産)、食塩。

そば粉の香りが漂う。

色が黒く、幅の広い奥出雲そば。鮮度を重視し、挽きたての国産そば粉と国産小麦粉を使用している。保存料や添加物を一切使わず、冷風乾燥による豊かな風味とのど越しの良さが特徴だ。

蕎麦の香りがほんのり漂う。色の黒い幅広麺はツルツルで、ほどよくコシがあり、のど越しがとても良い。これは幅広麺を採用した効果だろうか。乾麺とは思えない本格的な仕上がり。180g(1g当たり1.7円)乾麺では高級な部類だ。

 

☆パッケージデザイン(視覚的要素)   ★★★★★★★★☆☆

☆素材と製法(味や食感に与える影響)  ★★★★★★★★☆☆

☆香りと風味(独自の香りや風味)    ★★★★★★★★☆☆

☆麺の食感(のど越しや食感)      ★★★★★★★★☆☆

☆調理時間(何分で茹で上がるか)    ★★★★★★★★★☆

☆価格(コストパフォーマンス)     ★★★★★★★☆☆☆

☆総合評価               ★★★★★★★★☆☆(★8.0)

 

◎手軽に楽しめる本格派の奥出雲そば

 

② 信州戸隠「蕎麦通のそば」(株式会社おびなた)

・購入場所:マルエツ

・購入価格:348円(税込)

・内容量:240g

 

パッケージには、中央に蕎麦の写真が配置され、下半分が透明になっており、蕎麦が見えるようになっている。そばの実を風味豊かに自社製粉したことがシンプルに記されている。

茹で時間はざる3分。かけ2分半 原材料はそば粉(国内製造)、小麦粉、食塩。

蕎麦の香りはかなり控えめ。

細麺でさらっとしたのど越しと、風味が良くシャキッとした食感で、旬の食材との相性が良いことが特徴だ。

白い細麺。蕎麦の風味はかなり控えめだ。上品で、するすると食べられるが、蕎麦というよりもそうめんのような食感だ。ざるそばとして食べると少々物足りなさを感じてしまうため、食材と組み合わせることで良さを活かしたい。王道の天ぷらそばや、カレーそばなども相性が良さそうだ。240g(1g当たり1.4円)コスパは素晴らしい。

 

☆パッケージデザイン(視覚的要素)   ★★★★★★★☆☆☆

☆素材と製法(味や食感に与える影響)  ★★★★★★☆☆☆☆

☆香りと風味(独自の香りや風味)    ★★★★★★☆☆☆☆

☆麺の食感(のど越しや食感)      ★★★★★★☆☆☆☆

☆調理時間(何分で茹で上がるか)    ★★★★★★★★☆☆

☆価格(コストパフォーマンス)     ★★★★★★★★★☆

☆総合評価               ★★★★★★★☆☆☆(★7.0)

 

◎天ぷらそばや、カレーそばなど食材と組み合わせるのがおすすめ

 

③ 信州田舎そば「新小諸七兵衛」(信州ほしの株式会社)

・購入場所:マルエツ

・購入価格:298円(税込)

・内容量;340g

 

パッケージには、温かい天ぷらそばと、ざるそばの2種類の画像が掲載されている。中央部分だけ透明にして蕎麦が見えるデザインだ。つゆがらみの良いもみ切り打ちであるという特徴を記載している。

茹で時間は4分~5分。原材料は、そば粉(国内製造)、小麦粉、食塩。

蕎麦の風味が心地よい。

そば本来の風味を重視しており、そば粉の割合を増やし、殻を取り除いた丸抜きのそば粉を使用している。麺に凹凸がつけられており、もみ切り打ち麺はつゆ絡みや食感に工夫がされている点が特徴だ。

蕎麦の風味が豊かで、乾麺とは思えない仕上がりだ。つゆがらみも良く、田舎そばらしい粗挽き感が感じられる。そば本来のぼそぼそ感とコシがある麺は、のど越しも素晴らしく、文句なしの仕上がり。340g(1g当たり1.1円)コスパも最高だ。

 

☆パッケージデザイン(視覚的要素)   ★★★★★★★★☆☆

☆素材と製法(味や食感に与える影響)  ★★★★★★★★★★

☆香りと風味(独自の香りや風味)    ★★★★★★★★★☆

☆麺の食感(のど越しや食感)      ★★★★★★★★★☆

☆調理時間(何分で茹で上がるか)    ★★★★★★★☆☆☆

☆価格(コストパフォーマンス)     ★★★★★★★★★★

☆総合評価               ★★★★★★★★☆☆(★8.8)

 

◎手もみに近いのど越し、乾麺とは思えない風味。完成度が高い本格的な蕎麦

 

④ 信州産黒プレミアム「蕎麦」(株式会社はくばく)

・購入場所:マルエツ

・購入価格:408円(税込)

・内容量:210g

 

金色で高級感のあるパッケージデザインが目を引く。信州産蕎麦を使用し、食塩無添加だ。裏面には、茹でる束数に対して、そば湯に最適な水の量が記載されている徹底ぶりだ。

茹で時間は3分~4分。原材料はそば粉(長野県産)、小麦粉、小麦たんぱく。

そばの香りは控えめだ。

蕎麦の殻を含むそば粉と、信州木曽御岳山麓の水を使用している。食塩を一切使わず、石臼挽きぐるみ製法を採用している。太さが異なる3種類の麺を混ぜ込んだ黒い藪蕎麦は、そば湯にも拘っている点が特徴だ。

蕎麦の殻を含むそば粉を使用しており、色も本格的だが、意外にもそばの香りは控えめだ。そば特有の食感は良いが、コシが控えめで、少々中途半端な印象を受ける。210g(1g当たり1.9円)と乾麺としては高級な部類だ。

 

☆パッケージデザイン(視覚的要素)   ★★★★★★★★☆☆

☆素材と製法(味や食感に与える影響)  ★★★★★★★☆☆☆

☆香りと風味(独自の香りや風味)    ★★★★★★☆☆☆☆

☆麺の食感(のど越しや食感)      ★★★★★★☆☆☆☆

☆調理時間(何分で茹で上がるか)    ★★★★★★★★☆☆

☆価格(コストパフォーマンス)     ★★★★★★☆☆☆☆

☆総合評価               ★★★★★★☆☆☆☆(★6.8)

 

◎高級感のある黒い藪蕎麦。そば湯も楽しみたい人におすすめ