サントリー缶チューハイ『-196℃ 巨峰ヌーヴォー』 2014年収穫の巨峰をまるごと使ったというが・・・

2014年に収穫した巨峰を使い、今年もまた発売になったサントリーの缶チューハイ『-196℃ 巨峰ヌーヴォー』

「-196℃」というブランド名は、いまやよく知られることだが、その製法に由来している。世界各地のこだわりの農園で収穫された、安心・安全な果実を、-196℃で瞬間冷凍し、そのまままるごと使用。だから、果汁ではなく、果実のおいしさが際立つ。それがこのブランドの特長なのだ。

さっそく今年の「巨峰ヌーヴォー」を“おためし”してみた。

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巨峰のチューハイと聞くと、あの巨峰特有の濃厚な色素と、華やかな風味が連想され、グラスに注ぐ瞬間が楽しみだったが、実際注いでみると、まず意外だったのが、色である。透き通るほどに薄い色なのである。

巨峰のような香りは漂ってくるが、「ヌーヴォー」という言葉から想像してしまう「赤ワイン」の色では全くない。まして、巨峰の皮の濃い色でも、この缶にデザインされた色でもない。

まるで透明なサイダーに、ブドウジュースを数滴程度垂らしただけのような、本当に薄い儚い紫色の液体である。

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香りに誘われてさっそく一口。「甘い!」。それが記者の第一印象である。

原材料を見ると、巨峰にスピリッツ、それに糖類に香料、色素と入っている。このくらいの軽さ、薄さ、甘さは、おそらく缶チューハイユーザーが喜ぶ味わいなのだろう。当然、そうしたマーケティングはしっかりとやって作られている味だろうから、それについてとやかく言う気はないが、記者の好みで言うと、これだけ“薄いブドウジュース”は、好みではない。

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ちなみに、使用された巨峰の産地は、山梨県の古屋農場。たしかに“日本一”の巨峰が収穫できる山間の農園であることが、農園のHPにも紹介されている。

その古屋農園の2014年収穫の巨峰を-196℃で瞬間冷凍し、それを使って作った浸漬酒を使用したこの『巨峰ヌーヴォー』。アルコール度数は5%である。

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「さわやか」、「すっきりした後味」といった消費者のレビューも、ネット上では散見されるが、記者のレビューを端的に表現すると、「薄い」、「香りだけ」の、「良くも悪くも缶チューハイ」である。記者には甘すぎて、食事にも合わせられなかった。

サントリー『-196℃ 巨峰ヌーヴォー』は、2007年秋から、毎年、ボージョレ・ヌーボーの時期に合わせて発売。その2014年版。気になる方は、一度おためしあれ。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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