紙巻きじゃないラッキー! 代わりにたばこ葉で巻いた『ラッキーストライク フィルター・シガリロ・6/10』、つまり葉巻

タバコみたいに気軽に楽しめる葉巻

 

世界的に排除圧力の高まっている紙巻きタバコ。その一方で葉巻文化は紳士の嗜みとして、シガーバーなどで地道に生き延びている。そもそも紙巻きタバコユーザーにしても、吸いたいのはタバコ葉(とそれに含まれるニコチン)である。だったら葉で包んでしまえばいいという逆転の発想で誕生した(?)『たばこ葉で巻いたラッキーストライク ラッキーストライク フィルター・シガリロ・6/10』。そしたら葉巻になりました。

 

ラッキーを葉巻で味わえるなんて! くゆらす煙が贅沢なヴァージニア・アロマの至福。細身・フィルター付きだから気取らず楽しめるリトルシガー

喫煙者だとしても、葉巻は敷居が高いもの(高級で入りにくいの意。最近広辞苑にも追加された使い方)。単純に価格が高いというのと、吸い方が微妙に違う、ニオイがきついなどの問題があり、避けている人も多いだろう。

 

 

そんな中登場したのが、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン の『たばこ葉で巻いたラッキーストライク ラッキーストライク フィルター・シガリロ・6/10』(20本入・希望小売価格 税込350円・2019年8月発売)。それこそ進駐軍の時代から愛され続けてきた王道タバコブランド「ラッキーストライク」を葉巻で楽しんでしまおうという製品である。

本来紙巻きタバコで巻いているところを、ラッパーと呼ばれるタバコ葉で包んでいるのが葉巻。中に詰まっている刻みタバコ葉はフィラーと呼ばれる

 

実は同じ体に悪いものではあっても、紙巻きよりも葉巻の方がマシと考えられている。その原因がタバコ葉を巻いている紙。紙が燃えるとタールを発生しやすい上、通常はナチュラルタバコでない限り、紙には火が消えにくいように燃焼促進剤が含まれている。

 

 

タバコ葉を燃やしてニコチンを摂取したいだけなのに、巻紙に含まれるタールや薬品を同時に吸い込んでしまうから、というのがその理由だ。その点葉巻は紙の代わりに葉で巻いているので、余計なものは入らず、純粋にタバコ葉ニコチンを抽出するためのタバコ葉由来の毒だけで済むわけだ。なので健康意識の高い人にとっては、最近の傾向では紙巻きタバコよりも葉巻を選ぶというのが世界的な傾向である。

 

 

喫煙が主目的の店舗ならこの先も喫煙を続けられるという意味でも、今後葉巻人気は高まるはず

厳密には違いがあるが、シガリロもリトルシガーも、紙巻きタバコのように気軽に吸えるミニサイズの葉巻と考えればいい

健康増進法やそれにまつわる条例などでタバコを吸える場所はどんどん減っている。移行期間はあるものの、都内は飲食しながらの喫煙はほぼ無理になる。その例外となるのが、喫煙を主目的とした店舗である。

 

 

一番わかりやすいのが、シガーバー。葉巻を楽しみつつブランデーやウイスキーなどのグラスを傾けることのできる葉巻愛好家のための空間である。ここはまさにシガー(葉巻)が主役なので規制されずに喫煙することができる。なので今後その手の店が人気になる気がする。

 

 

すべての葉巻が臭いわけではない。臭いの問題は使われているタバコ葉次第

 

ただ紙巻きタバコユーザーにとって、異質な香りを持つ葉巻はどうにも受け入れにくい=臭いという人は多い。確かに安物の葉巻は普段嗅ぎなれない上に品質の良くないタバコ葉を使用していることが多く、かなり臭いものもあるのも確かだ。

 

灰が落ちやすいので注意

ただ上質の葉巻は、やはり美味しいし、匂いもまた風情があって、実に良いものである。そういう意味では、この『たばこ葉で巻いたラッキーストライク ラッキーストライク フィルター・シガリロ・6/10』はその橋渡しをする役目なのかなと思った。

 

 

というのも王道タバコブランド「ラッキーストライク」の味わい、香りを中心に据えているので、ニオイの異質感が少ないから。その味の中心となるヴァージニア葉というものは、まさに美味しいタバコの代名詞的存在であり、豊かな旨味とそれが燃える香りはまた芳醇で心地いいものだからだ。では実際に吸いながら、検証してみよう。

 

『ラッキーストライク フィルター・シガリロ・6』

JTも販売終了した紙巻きたばこ「わかば」「エコー」「ゴールデンバット」が葉巻化する。この流れの理由は、たばこ税が葉巻の方が作り方によっては安くできるので価格が抑えられることから

程よく軽い吸い心地を表す”6″の文字。そもそも葉巻は規制が違うので、紙巻きタバコのパッケージに記載されているニコチンとタールの量の記載は不要である。通常はそうしたタール値のような数字は載っていないのが基本だ。

 

 

なのでこの6はタール値ではなく、あくまで吸い心地の目安なのだという。確かに葉巻初心者にとっては、そのキツさの目安があるのは入りやすいと思う。

 

葉巻は本来、紙巻きタバコのように吸いながら火をつけないものだが、こうしたリトルシガーやシガリロと呼ばれる細身で短い簡易葉巻タイプはそこまで気にしなくてOK。通常の紙巻きタバコと同様に火をつけて大丈夫。

 

 

風味が変わってしまうのでジッポなどのオイルライターも避けられることが多い葉巻だが、その味を含めて『ラッキーストライク』を吸っていた人にとっては、これも問題ない。

 

 

スムーズに火をつけることができて、ゆるりとした煙が上がり、確かに「ラッキーストライク」に近い香りがする。芯があってキリッと男らしい王道タバコの香り。広がりよりも吸う人に一番感じるヴァージニア葉主体の濃厚な旨味の立ち上がりとほろ苦さ。

 

 

巻きが細い分、ライトではあるが、味はシンプルな美味しさに満ち溢れている。何よりも巻紙特有の余計な雑味がないのがポイント。これは美味しいタバコだと思う。

 

『ラッキーストライク フィルター・シガリロ・10』

そして本来の「ラッキーストライク」の両切り(フィルター無し)のようなうまさを彷彿とさせてくれたのがこちら。吸いごたえはタール値10mg程度の感覚なので、しっかりとした味わいで喉をキックしてくれる。味わいはさらにコクが重厚に。これは上質なタバコ…、と思うけれど350円。1箱500円時代にこの価格でこの味を感じられるとは、素晴らしすぎる。

 

 

葉巻は灰をなるべく落とさないという作法があるが、この細さでは無理。すぐ落ちる。そこらへんは気にしないでもいいだろう。紙巻きよりもやわなので、こぼさないように慎重に吸いたい。

やっぱり紙の味がないと、より美味しい

メンソールが主流の世の中だが、改めてレギュラータバコの美味しさを感じさせてくれるのがうれしい。タバコ葉が持つ本来の美味しさがここにある。隙間時間にパパッと吸うよりも、少し時間の余裕のあるときに、スマホなどを見ずにゆっくり楽しみたくなる深い味。喫煙所も空いている時間を狙いたくなる。

 

 

葉巻は本来口腔喫煙と呼ばれる、肺に入れずに口の中に煙をためるだけで楽しむものだが、こうしたフィルター付きのシガリロ(リトルシガー)なら、普通に吸っても十分美味しい。ただ比較的ゆっくりと吸った方が辛味を抑えられておすすめだ。

 

 

入手は全国のタバコ取扱店などで可能だ。

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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