『ナノイオンドライヤー　ヘアクリエプラス＋　HD-NS800』大風量なのに低騒音という夢のドライヤー！

2015年12月6日
家電
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ドライヤーといえばうるさいのが常識。集合住宅で早朝や深夜に使う場合は本来の意味での隣人からの壁ドンが心配になるくらい。静かな場合は風量が少なく、髪がなかなか乾かなくてストレスが溜まるものであり、大風量で低騒音というのは夢物語だと思っていた。しかし日立の『ナノイオンドライヤー　ヘアクリエプラス＋　HD-NS800』（カラー=ピンクトパーズ・予想価格税抜16000円・2015年11月21日発売）はそれを現実にしたという。本当なのか。騒音計片手に検証してみることにする。

いそいそと箱から出してみると、ジュエリー感覚の鮮やかなピンクのボディーの『ナノイオンドライヤー　ヘアクリエプラス＋　HD-NS800』が登場。ドライヤーとしては結構大型。手に取ると重量感もある。1万円代後半ということで、高級感に溢れた作りの一品だ。ただ先端に装着するセットノズルは透明。

ナノイオン機能に関してはオン/オフはできず、HOT/SCALP/COOLの3モードのCOOL時以外は自動放出。せっかく付いているものをわざわざ切る必要もないので問題はない。ナノイオンは空気中の水分を利用して髪の潤いを保つもの。使うことにより髪の光沢も期待できる。

特徴的なのは最近流行りの地肌をいたわるSCALPモードが付いているところ。これは最高約110℃の温風になるところを約70℃にまで低めて、優しく乾かすモード。頭髪状況に不安のある人はドライヤーの熱や強風に恐怖を感じるものだが、そういう場合でも優しい刺激で使うことができる。

スイッチを入れるとSETモードでは穏やかな温風。しかし一旦TURBOモードに切り替えると途端に芯のある力強い温風が生まれる。安いドライヤーだと風量の多さを謳いながらも風の力自体が弱くて乾かすのに苦労したりもするのだが、手のひらに当ててもしっかり圧力を感じる風の質はかなり高い。それもHOT/SCALP/COOLの3モードで同じ風量というのもいい。

正直せっかちな記者は、常にTURBOモード一辺倒で使用することが多い。大風量のレベルは1.6立方メートル/分。2メートル先のレシートを一瞬で吹き飛ばすくらいの風量が出せるのが頼もしい。

さあ、問題の騒音だ。音自体は通常のドライヤーよりやや高め。キーンと高音部に騒音が集中している感がある。その分音量は出ているのかもしれないが、気になりにくいという特徴もある。

ちなみにこの低騒音化は日立コンシューマ・マーケティングと日立マクセルが共同開発した新開発技術「騒音低減（SEAN）システム」が根拠。うれしいのが大風量のTURBO使用時を基準にして約63dBという低騒音を実現したというところ。目安として、普通の人間の会話が60dBで、固定電話のベルが70dB。その中間に位置するレベルだ。SETモードで静音なのは当たり前。パワフルな状態で静かでなければ意味がないと記者はいつも思っている。非力なモードをあえて搭載し静音を謳うというのは反則だと思っている。

構造として効率的な風の流れをつくる内部ファンネル形状とグラスファイバー製の風切り音低減ファンを採用したのがポイント。その実力は、テレビを見ながらドライヤーをかけるという最大のありがちシチュエーションで効力を見事に発揮した。

テレビ音量を変えずにTURBO使用で髪を乾かしていても、音声がきちんと聞こえるのである。もちろん風が耳に当たっている時は無理だが、周囲の人はそんなに問題なくテレビ音声を聞き取ることができる。実測してみるとセットノズル無しのTURBO使用時で64〜65dB。カタログ値よりはわずかに大きかったが、測定誤差の範囲内だろう。

1200Wのドライヤーといえば大風量モデルを期待するが、音の大きさも覚悟しなくてはならないレベル。しかし低音部を主にカットしている仕様のせいか、響きにくい音質のノイズ。よほど神経質な隣人でない限り、壁ドンの憂き目にあう心配はないと思う。

この『ナノイオンドライヤー　ヘアクリエプラス＋　HD-NS800』が向いているのは、ずばりそうしたテレビを見ながらゆっくりドラヤーをかけたい人。ロングヘアの人が長時間にわたるドライヤーにうんざりする気持ちもわかる。記者の妻がそういう人だ。

あともう一つ、集合住宅住まいで両隣や階上・階下にうるさいタイプの人が住んでいる場合。ご近所トラブルを防ぐためにこの『ナノイオンドライヤー　ヘアクリエプラス＋　HD-NS800』を導入するというのも一つの手だ。