『マルちゃん 珍々亭 油そば』昭和33年に生まれたレトロな油そばを再現! なると・シナチクとともに召し上がれ
今ではすっかり珍しくなくなった汁なしで楽しむラーメン「油そば」。それを「汁なしラーメン」として昭和33年(1958年)から提供していたのが東京都武蔵野市の老舗ラーメン店「珍々亭」で、それをカップ麺で再現したのがこの東洋水産『マルちゃん 珍々亭 油そば』(166gうち麺130g・希望小売価格 税抜205円・2015年7月6日発売)。何ともレトロな味わいにうっとりさせられる。
夏場のラーメンは暑くてキツイなと思いつつ、冷やし中華はそれはそれで美味しいけれどラーメンが食べたい時の味じゃないと思う記者のようなタイプは、油そばが夏場のラーメンとしては適切だと思っているはず。
もちろん冷たくは無いのだけれど、スープたっぷりよりは遥かに涼しいのが油そば。ともすると激辛だったり、ニンニク味が強烈だったりしがちな油そばシーンの中で、何とも地味だが心が洗われるような中華味・ラーメン味を実現してくれているのがこの『マルちゃん 珍々亭 油そば』。
確かにラー油が味の決め手になっているのだけれど、ほんのり辛い程度。また酢の存在感も脇役扱いで、あくまでラーメン的な中華味に徹底しているのが何ともうれしい。
フタをめくると顔をのぞかせるのは小麦カラーに色づいた太めの角刃仕上げのしっかりタイプの油揚げめん。油揚げめんなのに調理時間5分ということからもその太さのほどがわかるだろう。かやくはチャーシュー、メンマ、なると、ネギ。先入れで中に入れておく。
湯入れから5分を経過したら、カップ焼きそばでお馴染みの湯切り口からザーッと放水。麺が重いのでしっかり持とうとすると火傷しそうになるジレンマを抱えながらしっかり水気を切る。
そしていよいよ後入れスープ投入。香ばしいラー油としょう油味の東京ラーメン的な香り、さりげない酢の香りが見事なハーモニーを醸し出して、食欲をそそられる。
かき混ぜるとやはり麺の重さを感じる。時折覗くなるとの姿がまた昭和的雰囲気を醸し出す。さて一口。おお、太麺がダイナミック、もちもちとした食感で圧倒してくる。そこに絡みつくのは濃厚な鶏・豚合わせだしのスープ。脂っこい旨味が凝縮していて素晴らしい味わい。
確かにスープは無いし、酢も入っているのだけれど、限りなく熱々の昔ながらの東京ラーメン的な味わいは、レトロな味わい。メンマはシナチクと呼びたくなる、そんな懐かしラーメン味。
たっぷり130gの麺量だが、結構サクッと食べ終えてしまった。箸が加速するほど美味かったからだ。夏場にラーメンは食べたいが、汗まみれにはなりたくないという時に、この『マルちゃん 珍々亭 油そば』を是非どうぞ。ドライなビールにもがっちり合うはず。