『カップヌードル』5年の歳月を経てついに謎肉が帰還! オールドファン感涙の、あの味が蘇る!
謎肉が帰ってきた。日清食品が1971年に生み出した世界初のカップ麺であり、今日のカップ麺文化の原点となったデファクトスタンダード商品『カップヌードル』(77gうち麺65g・希望小売価格 税抜180円・2015年4月28日発売)に、古くからのファンが喜びに震えるはずのリニューアルが施された。
思えば長年のカップヌードル・ファンの間に激震が走ったのは2009年4月。特有の妙な味わいのある通称・謎肉(正式名・ダイスミンチ)がカップヌードルから排除されてしまったのだ。代わりに採用されたのは角切りチャーシューの「コロ・チャー」。カップヌードル・シリーズから全廃されたわけではないが、本家『カップヌードル』から抜かれたのに非常に悔しい思いをしたのは記者だけではないだろう。
見た目は同じ。写真左側がリニューアルしたもので、フタの右上に「具材充実」の文字がある。目視確認では具材が極端に増えた印象はない。
もちろん「コロ・チャー」が不味いわけではない。むしろ肉としては正統派。ただ長年慣れ親しんだ謎肉は、今までの人生のカップ麺ライフのセンターにずっと存在していたから、そうした走馬灯のように思い浮かぶ思い出と、それに郷愁というスパイスがかかっていて、カップヌードル・ファンにはかけがえの無いものだったのだ。
そして今回のリニューアルの謳い文句「具材充実!」とともに約5年の歳月を経て、謎肉(ダイスミンチ)が帰還した。ただ「コロ・チャー」が謎肉に戻るわけではなく、追加という形で共存することになった。どちらのファンも裏切れないという苦渋の選択なのだろうか。
実際に食べてみると、猛烈な懐かしさに震える。ふわふわタマゴとむきエビとダイスミンチのゴールデン・トライアングルは全ての基本だと改めて思い知る。もちろん「コロ・チャー」も存在しているのでゴールデン四角形になるのだけれど。
新旧の差は、完成後重量の実測でわずか9gながら増量されていた。
とくに改めて感じたのは、ダイスミンチと麺とスープが合わさってのカップヌードルの味だったのだなということ。今回、リニューアル前のものと食べ比べもしてみたが、具材は特段増えたという感覚は無かった。ただ味わいは確実に増えた。昔から慣れ親しんだカップヌードルの本来の味が追加されたのだ。これには誰も勝てない。
後入れスープも無く、ノンフライ麺でもなく、ビッグサイズでもない。ただ熱湯を入れて3分待つだけで絶品に仕上がるというシンプルさは、スティーヴ・ジョブズも影響を受けた禅-ZEN-の境地だとさえ感じてしまう。なので食べ比べはほとんど意味がなかった。
長年のファンならずとも、今回のリニューアルは歓迎すべき。世界最初であり、ロングセラーの1位をキープし続ける基本の味はカップ麺界のザ・ビートルズ。全ての始まりをコンビニなどで気軽に買えるというこの状況を、全カップ麺ファンは喜ぶべきなのだ。