『つくえりあ』はキーボードを机の上から片付けるフック  キーボードの脚を立てない人は使えるかどうか要注意

PCのキーボードは、使っていないときは、机の上のジャマモノである。普段、PCをよく使う人なら、きっとそう感じる瞬間は少なくないはずだ。

 

だとすれば、キーボードをどこか邪魔にならない場所にしまい込めばいい。キーボードをモニターに引っかけたり、あるいはモニターの下に潜り込ませたり。事実、そういう工夫がなされたPCや、PC風辺機器も数多く存在するし、記者もこれまで、そんなPCや周辺機器を使った経験もある。

 

今日ご紹介する商品『つくえりあ』は、そんな目的で作られた、キーボードをモニターに引っかけて片付けるためのフックである。まさにそれだけの機能の、きわめてシンプルな商品だが、記者は、“おためし”しながら、いろいろなことを考えさせられた。

 

今日は、そのことに軽く触れておきたいと思う。読者の皆さんが、この商品を選ぶ際の、1つの参考にしていただければ、幸いである。

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フックといっても、キーボードのような長いものを引っかけるものなので、フックも定規のように長い形状で2枚入っている。

 

『つくえりあ』の仕組みは簡単で、その2枚のうち一方をキーボードに、もう一方をモニター上部に、それぞれ両面テープで貼り付け、フックのカギの部分を、引っかけるというもの。

『つくえりあ』では、この2枚のフックのうち、モニターに貼る方をフック、キーボードに貼る方をハンガーと呼んでいるようなので、本記事でも以下、そう呼ぶことにしよう。

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さて、フックとハンガーの長さは、どちらも30cm、幅は約2.2cmほどで、ハンガーは鋭角に曲がった形をしているが、フックの方は直角に曲がっていて、その先端に微妙に小さな引っかかりが付いている。

 

どちらも裏側に両面テープが貼ってあり、その紙をはがして、キーボードやモニターに接着する。

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モニター上部に付けるフックは、モニターの左右どちらかに寄せて接着すれば、キーボードを引っかけたときに、キーボードが液晶画面に接触するリスクを軽減できるが、だからといって、液晶に全く接触しなくなるわけではない。

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一方、キーボードの裏に接着するハンガーは、厚さが8.4mmあるので、キーボードを使うときは、キーボードに付いている折りたたみ式の脚を立てて使わないと、ハンガーがキーボードの脚になってしまう。

とはいっても、キーボードの脚を立てて使うかどうかは、キーボードの置き場所の状況や、机と椅子の高さの関係、使う人の好みなどにも依るので、普段、キーボードの脚を立てて使わない人には、この ハンガーを使うことは、少々ためらわれそうである。

 

ハンガーを貼り付けて、キーボードの脚を立てないで使うと、当然のことながら、キーボードは机の上で滑りやすくなり、キータッチの感触にまで影響が出る。

 

この『つくえりあ』を使うかどうかを考えるとき、普段キーボードの脚を立てるかどうかは、大事なポイントになる。

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ところで話は少々脱線するが、かつてアップル社のCEOだった故・スティーブ・ジョブズ氏は、アップル製品に、機能だけでなく美しいデザイン性や遊び心を常に求め、その哲学が消費者の熱狂的な支持を勝ち取り、アップル社に大きな成功をもたらしたことで知られている。

 

当サイトで取り上げる文具や雑貨などでも、やはり単に機能が優れているだけでなく、機能美とでも言えるような美しいデザインや、遊び心のある商品は、やはり読者に受け入れられているように思える。

そして、そこにこそ「ものづくり大国」日本の優位性があるのではないかと、記者は常々考えている。

 

そうした視点で、今日ご紹介の『つくえりあ』を見たときに、記者には、どうしても、この商品にそうした優位性が感じられないのである。つまりこの製品に機能美や、デザイン性を感じないのである。

『つくえりあ』を作ったのは、愛知県名古屋市に本社がある株式会社メカニカルデザイン。同社のオリジナルブランド「KOBARIC」ブランドとして『つくえりあ』はリリースされている。

社名から考えても、製品のデザイン性に期待をしていたのだが、その期待は裏切られた。

例えば、この『つくえりあ』には、PCやキーボードの色に応じて選べるカラーバリエーションがあるわけでもなく、しかもフックもハンガーも、建築資材の配線カバーを、そのまま切断しただけのような無骨な形状をしている。

フックとハンガーのかみ合わせ部も、本当にこの形状に機能性とデザイン性を盛り込んだのか、この形状に必然性があるのか、記者には疑問に感じられる。

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そして、そういう無骨なものを、PCモニターやキーボードに、強力な両面テープでベッタリと貼り付けてしまうこと自体にも、何かデザイン性に無頓着な雰囲気を感じ取ってしまうのだ。

 

また前述したが、記者のようなキーボードのヘビーユーザーにとっては、キーボードのタッチや角度、滑りなどは、とても繊細かつ重要な問題で、それを狂わせる可能性があるようなパーツをキーボードに貼り付けるのは、あまりやりたくないことでもある。

 

確かに、コレを使って、キーボードをモニターに引っかけておけば、机のスペースは広くなることには違いないが、記者ならモニターを、下駄を履かせた一段高い板に乗せ、キーボードは板の下に潜らせてしまうし、最近はBluetoothのキーボードも普及したことで、しまうときに邪魔になる配線もないので、使わないキーボードは、机の引き出しにしまったり、モニターやPC本体の横に立てて置いても、すっきりと片付いてしまう。

 

どうしても、モニターに引っかけたければ、S字フックとひもなどを使えば、簡単に実現できることは、記者の経験済みでもある。

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今回の“おためし”で以上のような感想を記者が持った背景には、

◆記者が文具やメカ好きで、そうした製品にこだわりがあること、

◆記者はPCのヘビーユーザーで、長年にわたり様々な周辺機器などに目が肥えていること、

◆記者は機能やコストだけでなく、デザイン的に美しいことも、いい製品がいい製品の条件だと思っていること、

など、記者の個人的の価値観による部分が大きいと思う。

 

とはいえ、こうした記者の試用レポートでも、消費者にとっては、商品を選ぶ際の1つの重要な情報になるだろうと考え、あえて、記者の目線で、この記事を書いた次第である。

 

この『つくえりあ』は、税別460円で発売中。記者がここで指摘したような事が気にならないような人には、キーボードで狭くなった机を広くするツールとして、きっと便利に使えるだろう。

 

『つくえりあ』の情報は、当サイト以外にも、おそらく数多く存在すると思うので、読者の皆さんは、そうした情報も加味して、間違いのない商品選びをすることを、記者はただただ願うのみである。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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