アウトドアにも防災用具にも行楽のお供にも役に立つ! 火を使わない調理器具『Barocook(バロクック)』
薪割りや焚き火が趣味の記者にとっては、“火を使わずに、いつでもどこでも調理したり、食料を温めたりできる道具”には、いささか味気ない印象を抱かざるを得ないが、しかし、実際に使ってみると、これは非常用としても、常備していていいものかもしれないと考え直すようになった。それくらい、あると便利なのである。
今日は、韓国のメーカー『Barocook(バロクック)』の調理器具のご紹介である。
ものは試しである。さっそく『Barocook』の「レクタンギュラー」という容器と「ヒートパック」という発熱剤を持って、お花見に行ってみた。
「レクタンギュラー」の「ステンレスボウル」に水と生卵を入れ、そのボウルを、「ヒートパック」と水を入れたプラスチック製の「アウターコンテナ」にセットして様子を見る。
「ヒートパック」の周りから、ボコボコと泡が出て、猛烈に発熱していて、容器が触れないほど熱い。このボコボコがほぼ終わるまで20~30分ほど待って、ボウルの蓋のロックをはずし開けてみると、完璧にゆで上がったゆで玉子のできあがり。
ちょっと調子に乗って、今度は、即席麺と水、適当な野菜や卵などを全部、「ステンレスボウル」に放り込んで、また同じように、「ヒートパック」を使って加熱調理してみる。果たしてどうなるのか?
再び、待つこと約20分。シリコンリングでパックする「ロック上蓋」を開けると、写真のとおり、麺も、野菜も、卵もしっかりとゆで上がった、アツアツの即席麺のできあがり。
食べてみると、確かにしっかりと熱いスープを飲むことができた。うん、これなら、なかなか使えそうだ。
今回使用した器具は、MとL、2つのサイズの「レクタンギュラー」という容器と、大(50g)、小(20g)2種類の「ヒートパック」という発熱剤。
「ヒートパック」には、生石灰(せいせっかい)が入っていて、これが水と反応して消石灰(しょうせっかい)になるときに、大きな反応熱を出すのである。
生石灰は、水との反応熱で火災を起こすような危険もあるので、多少、扱いに注意が必要だが、使用するまで、「ヒートパック」を開けなければ問題はない。
また使用後の消石灰は、運動会でグラウンドに線を引くときの白い粉と同じ水酸化カルシウムで、直接肌に触れたり、目に入ったりしないような注意は必要だが、土壌改良などにも用いられる物質なので、土に返すこともできるし、自治体のゴミの区分にしたがって普通に捨てることもできる。
「レクタンギュラー」は、水と「ヒートパック」を入れるプラスチック製の「アウターコンテナ」、調理するための「ステンレスボウル」、それらをセットして、きっちりとパックする「ロック上蓋」の3つのパーツからできている容器である。
調理中は、「アウターコンテナ」はかなり熱くなるので、火傷防止のための専用カバーも付属している。
『Barocook』には、この「レクタンギュラー」のほかに、熱いコーヒーやお茶をいれるための「バロクック カフェ」という容器もある。
「ヒートパック」を発熱させるための水は、川の水でも海の水でも、汚れている水でも構わない。
「ヒートパック」の大きさに応じて、必要な水の量が定められているが、その分量は、「ヒートパック」が入っている袋を使って計量することができる。袋の裏に、水量を表示したラインが引いてあるので、これに合わせて水を測ればよい。
これらの『Barocook』を使って、「ステンレスボウル」の水を最高で98℃になるまで熱することができる。ということは、レトルト食品や缶詰を温めることはもちろん、簡単な煮物や即席麺、ゆで卵などの調理もできるということである。
記者は、『Barocook』の「レクタンギュラー」は大きくてかさ張るので、おそらく使用しないが、「ヒートパック」だけは、いくつか常備しておき、ジップロックのような袋を使って、缶詰やレトルト食品を温めるのに使いたいと考えている。
冒頭に書いたように、火を扱わない調理には、一抹の寂しさを禁じえないが、非常用にはとても便利な商品のように思える。
『Barocook』の輸入発売元の株式会社スペースジョイ(東京・品川区)のホームページには、商品ラインナップや使い方などが掲載されている。
ちなみに価格は、「レクタンギュラーL」が3500円、「レクタンギュラーM」が3000円、「ヒートパック50g」が200円、「ヒートパック20g」が150円、すべて税別である。
さて、あなたは、あなたなりの『Barocook』の使い方をイメージできただろうか。アウトドアライフや行楽のお供に、そして防災用の常備品としても、役立てていただきたい。