しっかり酔える高アルコール系高炭酸『キリン・ザ・ストロング』3種に一気に立ち向かってみた結果!

このキリンは首の長い方じゃなくて、中国の想像上の生物の方の麒麟(きりん)

いまRTD(Ready To Drink=フタを開けてすぐそのまま飲める飲料)市場を席巻しているのがしっかり酔える「高アルコール系RTD」。そんなRTD市場に、また高アルコール系の新商品が登場する。『キリン・ザ・ストロング』アルコール度数が9%で、ハードな炭酸感と味わい、アルコール感を兼ね備えた飲みごたえのある3種類がラインナップされる。はたして満足できる飲みごたえと酔いごたえがあるのだろうか。いち早く入手したので、実際に飲んで確認してみよう!

ガツンと“ハード”な”ハードエキス”入り……、それって何?

最近は高アルコール系が大人気だ。ビールテイスト飲料でもアルコール度数7、8%の商品がしのぎを削り合っているが、特に熱いのがRTD市場だ。その旗頭となって市場を牽引しているのが一桁ギリギリ9%のキリン「氷結ストロング」だが、さらに同社はこの市場に重ねて新商品をぶつけてきた。

 

それが『キリン・ザ・ストロング ハードドライ/ハードレモン/ハードコーラ』(350ml缶/500ml缶・オープン価格・2018年4月10日発売)シリーズだ。フレーバーは3種類で、それぞれに新開発の「ハードエキス」(特許出願中)を使用し“ハードな味わい”、同社RTDでもっとも強い“ハードな炭酸感”、クリアウオッカを使用してアルコール分9%に仕上げた“ハードなアルコール感”という「トリプルハード製法」で実現した、ガツンとハードな刺激と飲みごたえが売りだという。では氷結ストロングと何が違うのか。

 

「果汁感があり、すっきり飲みやすい『氷結ストロング』に対し、お酒感が強いドライでのみごたえのあるチューハイを目指しました」(キリン広報・談)

 

なるほど。だがいったい「ハードエキス」とは何なのか、聞いたことがない。どうやら人工的なアルコール風味を抑えるために柑橘類のうまみなどを凝縮したものらしい。なかなかに謎な成分だが、効果はあるのか。

左から「キリン・ザ・ストロング ハードレモン」「同ハードドライ」「同ハードコーラ」

昨年あたりから、高アルコール系のRTDがトレンドになっていることは何となく感じ取っている人も多いだろう。もともとRTDはビールなどに比べて低価格で、長引く景気低迷で支出を控えている層に人気があった。しかし、かつては低アルコールで甘い味わいのRTDが市場の主役だった。これはサラリーマンを中心とした男性は缶ビールに流れており、若い女性などがRTDのメイン顧客だったのだ。

 

しかし“外飲み”もできず、缶ビールも贅沢という経済状態になってきて、RTDも世のお父さんが手に取るようになってきた。そのような市場を敏感に察知した各メーカーが、7~9%の高アルコール系RTDの開発に着手したというわけだ。実際、2011年に比べ高アルコール系RTD市場は2倍以上に拡大しているのだ。要は「お金をかけずに手っ取り早く酔っ払いたい」から、こうした高アルコール系RTDに人気が集まっているというわけ。

 

キリン・ザ・ストロング ハードドライ

それでは「キリン・ザ・ストロング ハード3兄弟」のチェックをしていこう。まずは「ハードドライ」から。

 

もっともスタンダードなドライタイプのRTD。

エネルギーは53kcalで、プリン体・糖類はゼロ。このあたりもメタボリック症候群が気になる中年サラリーマンにはありがたい。

それではさっそく飲んでみよう。ひと口含んでみて、強烈なアルコール感に驚いた。さすが9%。これはけっこう酒に強い人でも「キター」って感じるのではないか。ただ、炭酸はそこまで強いという感じがしない。記者はもっと強炭酸でもいいのではないかと思った。確かに人工的なアルコール感が抑えられているような…。

 

キリン・ザ・ストロング ハードレモン

次に「ハードレモン」にいってみよう。すでに「ハードドライ」1本で、けっこう良い気分になってしまっているのだが、そこは冷静にレビューをしなければならない。

こちらはエネルギーが54kcal。「ハードドライ」との違いはレモン果汁が2.0%含まれていること。ということは、単純にレモンを絞っただけなのかな。そして、この「ハードレモン」もやはり糖類・プリン体はゼロだ。

グラスに注いだ感じは「ハードドライ」と区別がつかない。それはそうだ。勘違いしがちだが、レモン果汁は別に黄色くはないのだ。一口飲んでみると、アルコール感よりもレモンの酸っぱさが先にくる。これは女性が好みそうなさっぱりとした清涼感が味わえる。ただ、飲んでいくうちに「強いお酒だな」という感じは受ける。

 

キリン・ザ・ストロング ハードコーラ

最後に「ハードコーラ」を試飲してみる。何かをイメージさせるかのように、他の2種類と違って缶のパッケージデザインはレッドを基調としている。コーラというと赤だよなぁ。なお、シリーズすべてにキリンの聖獣である麒麟(きりん/中国の想像上のケモノ)がデザインされているが、実は同社のRTDでこの聖獣が描かれるのは初めてのことらしい。つまり、同社のこのジャンルにおける本気度がうかがわれるということなのだろうか。

エネルギーは53kcal。もちろん糖類・プリン体はゼロ。カラメル色素がコーラっぽさを演出しているのだろう。

まあ当然だが「ハードコーラ」なので、いわゆるコーラ感のある黒い炭酸飲料。視覚のせいなのか、それとも実際に含まれているのか、なんとなく他の2種類に比べて甘めの仕上がりになっている気がした。ただ、後味はスッキリしていて飲みごたえはこれが一番あるように感じた。

 

まとめ:アルコール分9%はダテじゃない! しっかり満足のRTDだ!

安価な缶チューハイで感じやすい人工的なアルコール風味をハードエキスで抑え込んだ飲みやすさ。これがキリンの本気か!?

 

なお、すでに終了しているが2万人に当たる「キリン・ザ・ストロング 3缶飲み比べセット」モニターキャンペーンが行われた。それぞれの味の違いを飲み比べてみるのも楽しいかもしれない。ただ、350mlを3缶飲んだら、かなり出来上がってしまう気もするが……。なお、2018年4月1日現在、この「キリン・ザ・ストロング」のメディア広告やテレビCMなどの情報は入ってきていない。憶測にすぎないが高アルコール系RTDの「ストロング」路線は、ターゲットがテレビをあまり観ないサラリーマン男性だから店頭で手に取ってもらうことをメインに考えているのかもしれない。少なくとも、そういった層が満足するだけのアルコールの強さはじゅうぶん感じることができた。平日にサクッと晩酌するにはもってこいのRTDではないだろうか。

 

 

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記者

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タック二階堂

40代男性。東京都出身。本業である取材ライターの傍ら“ボカロP”としても活動。著書に『「ボカロP」になる本』(工学社)がある。

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