肉も魚も使わない寺監修の精進料理カップ麺『精進ラーメン禅道 醤油』はヴィーガンでもOK、でもいったいどんな味!?

カップ麺食べるのも修行なんだってば!

 

精進料理(しょうじんりょうり)とは主に禅寺の修行僧が食べる、仏教の教えに基づいた、殺生しない(動物性を避ける)&煩悩を刺激しないストイックなメニューのこと。動物必須で罪深いおいしさを誇るカップ麺と真逆の存在……と思ったら、禅寺監修『精進ラーメン禅道(ぜんどう) 醤油』が登場してきた!

 

「五葷・動物性食品一切不使用」のカップラーメン……、ところで五葷って何?

何となく、修行とカップ麺はそぐわない組み合わせに感じるけれど、このアーネスト株式会社(新潟県三条市)/株式会社リ・バースラボ(東京都大田区)の『精進ラーメン禅道 醤油』(78gうち麺55g・希望小売価格 税込300円・2020年2月1日公式サイト先行発売)は、食材を工夫することで、修行中にも食べられるカップ麺だ。

精進料理というものはまず、動物性食材がNG。いわゆるベジタリアン(菜食主義)が基本。仏教には”殺生(せっしょう)”と呼ばれる、いわゆる動物を殺すことを避ける思想があるが、これ、近年ブームを呼んでいる菜食よりも厳しいヴィーガンとリンクする考え方だ。

さらに精進料理には五葷(ごくん)と呼ばれるネギ、ラッキョウ、ニンニク、玉ねぎ、ニラをメンバーとするニオイの強い野菜も避けられているのが、通常だ。もはや動物のダシもNGならネギ、ニンニクなどラーメンを象徴するものがことごとくダメである。これでラーメンを作ることがどれだけ大変かわかると思う。

 

 

醤油と昆布と野菜に発酵・酵母の力でラーメンに必須の旨味を出す!

とにかく禁じ手が多すぎる。どんな無理ゲーかという感じだが、食べてみたいと思う。中には色鮮やかな先入れかやくと後入れスープが入っているので、取り出し、油揚げ麺に向かって熱湯を注ぎ入れる。待ち時間は3分だ。

仕上がりはきれいなもの。かやくとして入っているお麩が正月気分を感じさせる。他にも大豆ミートが入っており、チンゲンサイ、ニンジン、そしてカボチャが色彩豊かにアピールする。

やさしい、ほっこりする香り

後入れのスープはとろりとした醤油の黒さが際立つが、溶かしてみるとやはりクリアなスープが出来上がった。見るからにさっぱりとした感じ。家系や天下一品の真逆のルックス。大丈夫かなあという思いがよぎる。

だが実際に食べてみると、しっかり昆布ベースの旨味がある。すっきり醤油ベースの昔ながらの中華そば味。油揚げ麺特有の油くささがかえってラーメン感を強調するのに役立っている。これ、けっこうおいしいぞ!

期待してなかっただけに、感激もひとしお。油っぽさ控えめのラーメンとしてはかなり優秀だと思う。大豆ミートで作った謎肉は、もともとの謎肉も大豆ミート主体なので違和感はない。そして時折口の中に入ってくるオレンジ色のカボチャが非常に不思議。ラーメンに通常入っていないよね…。

ストイックな食材使用のため、カロリーも284kcalと控えめ。糖質は42.7gだ。普段こってりラーメンばかり食べている人にとっては、ちょっと理解の範疇を越える味仕立てかもしれないが、さっぱり・すっきり、醤油の香りの東京ラーメン系が好きな人ならおいしく感じると思う。

全部で3カ所、12種類あるという禅宗名所カードを眺めながらすすっていると、少しだけZEN気分にひたれる!

 

 

入手は公式サイトなどで可能だ。

 

 

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公式サイトはこちら

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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