あえて”実用消しゴム”にこだわるMONOのプライド! トンボ鉛筆の多機能ペン『モノグラフマルチ』

株式会社トンボ鉛筆(東京・北区)は、黒・赤の油性ボールペンとシャープペンシルを1本にまとめた多機能ペン『モノグラフマルチ』を発売した。このペン、実は「ペンなのに消しゴムが売り」であるというところが、何ともトンボ鉛筆らしい。というのも、同社は筆記具メーカーでありながら、「書くことと、消すこと」を同様に大切にしており、そのことは「MONO」が“国民的”消しゴムブランドになっていることからも明らか。さっそくこの新しいペンで“消して”みた。

2色のボールペンにシャープペンも付いた多機能ペンなのに、この細さ!

ケースから取り出して握ってみると、まず驚かされるのは「これは本当に多機能ペン?」と思うくらい細いこと。標準的なペンの「直径12ミリ、長さ150ミリ」の本体の中に、黒と赤の極細ボールペン(0.5ミリボール/油性インク)とシャープペンシル(0.5ミリ芯)が入っている。これなら手帳などの細めのペンホルダーにも入れることができて使い勝手がいい。

さて、そこで肝心の、消しゴムを使ってみると・・・。

消しゴムが長い!

平均的な消しゴムの6倍の体積!

ノック部を回して消しゴムを繰り出すと、出てくる、出てくる。直径5.3ミリと、やや太めの消しゴムは、長さが26ミリ(実用長16ミリ)もある。この手の多機能ペンに付いている平均的な消しゴム(概ね直径4ミリ・実用長4ミリ)の実用体積と比べると約6倍もある。

「シャープペンシルや多機能ペンに付いている、よくあるタイプの消しゴムは使えない!」というのは、おそらく多くの人が感じている不満だと推測できる。その不満の内容を、少し具体的に考えると、「消えない」、「途中で折れる」、「すぐに減って役に立たなくなる」、といったところだろうか。

しかし、この『モノグラフマルチ』の消しゴムなら、遠慮することなくゴシゴシと思いっきり消すことができる。消しやすい太さと、すぐにはなくならない長さがあり、しかもMONO品質で実証済みの折れにくい消しゴムである。もちろん字を消す性能も申し分ない。もし使い切ってしまっても、「替え消しゴムモノグラフ用(3本入り税別100円)」を別売しているのだ。これで消しゴムは「おまけ」的存在ではなく、多機能ペンの立派な一機能になっているといってもいいだろう。

細く、くっきりと小さな文字が書ける

クリップを回して、ボールペンの色やシャープペンシルを切り替える

ペン機能の切り替えは、消しゴムの繰り出し同様に、クリップを回転させて行う。左右どちらから回転させてもOKで、カチッ、カチッと気持ちよく止まる。

0.5ミリボールのボールペンは細くていいが、インク切れすることがあることと、書き味が滑らかでなくなるのが気になって、記者は常日頃、0.7ミリボールのボールペンを使うが、この『モノグラフマルチ』の0.5ミリボールのボールペンに使用される超低粘油性インク「エアータッチインク」は、滑らかで軽い書き味を実現している。

細字にもかかわらず、早く書いてもインクが途切れず、しかも軽く滑らか。小さい文字をくっきりと記入することができる。細身のボディがペンホルダーを選ばないことと合わせて考えると、このペンは手帳用に非常に適している。

ボディカラーは、おなじみの青白黒のモノカラーに加え、ゴールド、ブラック、ブルー、ライム、ピンクの6種類。メーカー希望小売価格は税別600円である。

MONOという消しゴムブランドの強みを、しっかりと筆記具にも取り入れ、「消す」機能を「筆記具の1機能」として組み込んでしまった発想は、ある意味、斬新だといえるのかもしれない。鉛筆のおまけから始まったMONO消しゴムは、今、多様に進化している。

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記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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