『カプリコのあたま<いちご味>』少年時代の夢想が現実になったかと期待満点で挑んだが…、コレジャナイ!
大人になってもたまに猛烈に食べたくなるのが「カプリコ(ジャイアントカプリコ)」。その魅力の中心部ともいうべきなのが上部に位置するいちごカラーの頭部あたり。この『カプリコのあたま<いちご味>』はその核心だけを商品化したものだ。
夢に見たアタマだけの”大人食い”を罪悪感なしに楽しめる!
ソフトクリームのコーンにチョコレートが詰まった個性派チョコレート菓子の「ジャイアントカプリコ」。本格派のコーンはソフトクリーム業界の定番「日世」製という本格派で、何より一口目に口にするふんわりいちごチョコの食感と甘みは今も昔も子供達を虜にし続けている。
そんな中、その美味しさの核心ともいうべきエアインチョコの頭部部分だけを商品化した『カプリコのあたま<いちご味>』(12粒/30g・希望小売価格 税込108円・2016年8月23日発売)が江崎グリコから発売された。
子供の頃に食べた「ジャイアントカプリコ」は、コーンとともに全体を味わってこそ美味しいという大人な意見を持つ子供も中にはいたが、やはりこのいちご部分がクライマックスで、そこから先はオマケ感覚、全部いちごのチョコでできてたらいいのに、と夢想していた人も少なくないはず。記者もその一人だった。
後年、その望みは一部だけ叶うことになる。「カプリコミニ」の登場である。なりは小さくなってしまったが、しっぽまでいちごチョコのこの製品には感動した。ただ小さいのは何とも不完全燃焼な夢の叶い方だった。
そして少年は大人になり、当時から夢見ていた”いつかアタマのいちご部分だけ食べて残してやる”という心の奥に秘めていた夢想も実際にやってみたが、何とも言えない罪悪感を覚えた。これはもったいないお化けが出そうだと。
そんな中での『カプリコのあたま<いちご味>』の登場だから、思い切り期待してしまった。ハードルは天高く上がり、その商品を待ち受けた。ではその問題の『カプリコのあたま<いちご味>』を検証してみよう。
思っていたのと違う…、どこか気取った佇まいに意気消沈!
どうもおかしいと思った。パッケージが思っていたのよりかなり小さい。さすがにジャイアントカプリコ・サイズは無理かとは思っていたが、手のひらから軽くはみ出す程度の大きさで12粒入っているとか、計算が合わなすぎる。
パッケージを引き裂いて出てきたのは、プラスティックのトレーに収まったハート型のなめらかないちごカラーのチョコレート。ネイルセットのような不思議な見た目。さらに何となくブツブツ感があると予想していたが、これはなめらかなのが不穏な空気だ。
その予感は的中した。一つ取り出してみると、半分は黒いチョコレートじゃないか…。ジャイアントカプリコを食べていると後から出てきてテンションが下がる普通の黒いチョコレート。それが半分を占めているのである。『カプリコのあたま<いちご味>』と言っているから全部いちごチョコかと思いきや、違う。愕然。
食べてみると美味しい。エアインチョコの中でも美味しい部類に入るだろう。ただ子供の頃に夢想していた、全編いちごチョコという野望の実現には至らなかった。まさに黒チョコの呪縛というべきか…。もちろん記者の子供の頃から抱いていた、カプリコの頭部分だけを大量に食べたいという夢想はあまりにも短絡的で決して褒められたものではないと自覚しているが、夢が叶うと思って裏切られる(それも長い年月を経て)のは結構辛かった。
できることならジャイアントカプリコの原寸大で、表面がぶつぶつしているいちごチョコ部分だけを商品化して欲しいと、記者の少年の頃の魂が叫んだ、そんな検証試食であった。