抹茶味お菓子の独断的“まとめ”記事。イイ線いく「不二家」「グリコ」万人ウケの「ブルボン」。一番は……、
チョコレートにケーキにゴーフレット、ビスケット・・・・・・。仕事とはいえ、カロリーが心配な記者である。今日は、約束通り、『抹茶味のお菓子のまとめ記事』で、来週からはダイエットだ。
それはともかく、今週食べた抹茶菓子は、4メーカーの9品目。それだけで、たいしたことは書けないうえに、あくまでも独断と偏見の私的まとめであることを、始めに断っておきたい。
何より、所詮お菓子である。記者が何を言おうと、自分が「美味しい」、「食べたい」と思うものを食べればいい。記事はあくまで、その選択の参考に少しでもなればいいと思っている。
毎年、若葉の季節になると、ブルボン(新潟・柏崎市)からは、10品目を超すほどの、たくさんの抹茶味のお菓子が発売される。ビスケットやケーキ、ゴーフレットから柿の種に至るまで様々な種類があり、コンビニでも同社の抹茶お菓子にかなりの面積の棚が使われる。
ブルボンのお菓子は、読者にもそれぞれが抱くブランドイメージがあると思うが、記者のイメージでは、何を食べても、上品で、卒なく美味しい菓子メーカーという印象が強い。
それは抹茶味にもあてはまるのではないかと、今週の試食で強く感じた。
お菓子は、ある意味、誰にも美味しく食べてもらうもので、抹茶味だからといって、ストレートに抹茶味にしてしまうと、もはやお菓子ではなくなってしまう。そのさじ加減が微妙で難しいのだろうと思うが、そのためもあってか、当サイトで記者が再三書いてきたように、お菓子の抹茶味は、比べて食べてみると、非常にバラツキがあって、その差は大きいのである。
今週食べたブルボンのお菓子は、『ロアンヌ』『アルフォート抹茶』『シルベーヌ抹茶ショコラ』そして『エリーゼ』の5品目。どれも、ブルボン“らしい”、甘くて卒がない抹茶味に仕上がっている。
ものによっては、抹茶味ではなく、抹茶“風味”のものもある。言われないと、抹茶であることを忘れてしまうような、抹茶感の薄さを感じるもの。抹茶の“ような”味がするもの。そういう希薄な抹茶感が、きっとブルボンらしさであり、万人に卒なく好まれるお菓子だと、ブルボンは考えているのかもしれない。
このブルボンの抹茶味は、3月2日に当サイトでも紹介した、『キットカット ミニ オトナの甘さ抹茶』にも通じるものがあるようにも感じられる。誰にでも受け入れられるユニバーサルな抹茶味の雰囲気が似ているのだ。
その中で出色だったのが、4月21日の記事で紹介した『もちしょこら』だ。抹茶の味がどうだというよりも、やはり外側に崩れそうなほど柔らかい餅を使ったことが効果抜群だったのだと思う。
冷静に抹茶の味だけをみれば、やはりブルボンらしいものだが、食感や見た目、手に持った時の和菓子的な感触など、トータルで考えて、やはりこのお菓子は、ブルボンの中にあって、非常に印象的だった。
今回、記事ではまだ紹介していない、グリコの『ビスコ 抹茶』は、誰でも知ってる幼い子供向けお菓子「ビスコ」の抹茶バージョンである。
所詮、子供向けだからと思い、記者も後回しにしていたが、実は、この『ビスコ 抹茶』の抹茶クリームの味は、あなどれない。意外と抹茶のいいところを残しているのである。
当サイトで3月2日に紹介している、グリコ『ポッキー深あじ抹茶』のときも、その抹茶味は予想に反して、本格的ないい味を再現していた。そう考えると、グリコというメーカーは、抹茶に関しては、しっかり日本人の抹茶DNAを納得させるコツがわかっているし、それをお菓子に表現するのが上手に思える。
子供向けのお菓子でありながら、先述したブルボンのお菓子より、ずっと大人びた抹茶味がする『ビスコ 抹茶』なのである。
グリコ同様に、今回、抹茶味の表現が上手だと感じたのが不二家だった。『LOOK 極み抹茶』の抹茶味は、「LOOKチョコレート」という国民的なブランドでありながら、しっかりと濃密な抹茶の味に、甘さも控えめにした大人っぽさを感じる。
地味ではあるが、この『LOOK 極み抹茶』に使われた抹茶の味は、なかなかいい。ただ、記者の個人的な好みで言うと、抹茶味は素晴らしいが、チョコレート本体の方が、どうも好みでないことが、どうしても気になってしまうのだ。
そういうわけで、昨日の記事にも書いた、記者にとっての抹茶味お菓子のスタンダート「明治」の話で締めよう。
昨日食べたのは、『coloco[ころこ]抹茶』。最近、明治で流行りの「ほろっと」感十分のチョコレート菓子である。外側がほろっと崩れるココアクッキー、そして中に濃密な抹茶チョコレートが入っている。
記者の主観的味覚で言うと、明治の抹茶チョコレートは、間違いなく最高に美味しい。まず抹茶の味が濃い。全体が甘すぎない。抹茶の苦味がしっかりと存在する。そして後味にまで、抹茶の味が口の中に残る。記者は、この味を「スタンダード」と呼んでいるが、このスタンダードを超える抹茶味の菓子は、なかなか見つけられない。
「大人っぽすぎて、子供や、抹茶嫌いには向かない?」と心配する人もいるようだが、少なくとも、中学生の愚息は、「明治の抹茶が一番」とうそぶいているし、実は、「抹茶嫌い」という人を、記者はあまり知らないのである。
さて、冒頭にも書いたとおり、このまとめ記事は、あくまでも記者の主観、好みの問題であり、1ユーザーのレビューの域を超えない。しかし、ユーザーの素直なレビューほど、消費の参考になるものはないということも、また紛れもない事実である。しかも記者は抹茶好きで、日頃から、たくさんの抹茶菓子を食べ比べ、多少は“舌が肥えて”いると自負している。
このまとめ記事が、少しでも読者の商品選びの参考になればいいと願うと同時に、個人的には、抹茶味のレベルがもっともっと向上して、スタンダードたる「明治」の味を超えるものが登場してくることを心待ちにしているのである。