消臭スプレー4種比較!『ファブリーズ』『リセッシュ』『ハイジア』『ノンスメル』を使い比べてみた

 

1998年に『ファブリーズ』が日本上陸してからまもなく20年。消臭スプレーが家庭の必需品になって久しい。今回は『ファブリーズ』とそのライバル『リセッシュ』『ハイジア』『ノンスメル』計4種類を使い比べてみて、使用感をレポートする。

 

みんな気になる、ファブリーズとリセッシュの違い

「ファブリーズとリセッシュの違いって?」そう考える人は多いようで、2年前に掲載した比較記事がいまでもよく読まれている。当時の担当記者は、リセッシュをメインにハイジアと使い分けるという結論を出した。

担当記者はメインが『リセッシュ』、サブで『ハイジア』を選んだ。

 

だが前回の比較から既に2年。各ブランドはリニューアルしているし、あらためて2017年現在の各商品を使い比べてみたい。相変わらず『ファブリーズ』の存在感は強いが、最近では予防消臭を謳う『リセッシュ』も負けていない。さらに『トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー』も頼り甲斐があるし、業務用から転換して来たニューフェイス『ノンスメル清水香』も気になる存在だ。

 

各ブランド、様々なバリエーションが存在するが、そもそもファブリーズの革新性はニオイを「消す」点にあった。なので今回は”香りが残らない”タイプに絞って検証する。

 

『ファブリーズ ダブル除菌』

P&G/370ml・実勢価格 税込315円・2016年7月発売

1998年に布用消臭スプレーとして日本に上陸した「ファブリーズ」。その半年後には除菌効果を追加した「除菌プラス」がラインナップに加わり、印象的なテレビCMとともに日本の消臭・除菌シーンを引っ張って来た存在だ。当初は水を使わないのに”丸洗い”という表現はいかがなものかと物議を醸したこともあったが、今はむしろその表現が定着。

その消臭メカニズムはトウモロコシ由来消臭成分、除菌成分(有機系)、香料を使ったもので、2016年からは分解消臭イオンも配合。酸性・アルカリ性どちらの匂いも抑える中和消臭成分と体臭、皮脂臭、加齢臭に作用するポリマー消臭成分を強化した。

実際に使ってみると、驚くのはスプレー部分の改良だ。マイルドにパーっと広がり、布に寄り添うように噴射されるそのスプレーの使い勝手の良さはダントツ。布がしっとりするまで吹き付けるまでシュッシュするのが基本とはわかりつつも、布にかからない分が無駄に感じていたが、このスプレーなら無駄がない。

ただ「ファブリーズ」が不利だなあと思うのは、その香り。おなじみの香りでいかにも”除菌・消臭しました感”がつきまとう。いわばファブリーズばれ。ファブばれが嫌だという人は他のアイテムを選んだ方がいい。

 

 

布用という用途だが、その範囲は幅広く、カーペットや靴、敷物、ソファ、カーテンを含む家中に活用可能。”香りは残らない”タイプではあるが、生乾きタオルに噴射したところ、多少の残り香は感じた。あと、気のせいか布地がざらつく印象がある。

 

リセッシュ除菌EX 香りが残らないタイプ

花王/370ml・実勢価格 税込318円・2017年3月にパッケージのみリニューアル発売

トップシェアの『ファブリーズ』に迫る勢い、2005年登場の『リセッシュ』。除菌イメージが強い。

『リセッシュ除菌EX 香りが残らないタイプ』の消臭メカニズムは、中和消臭・予防効果のための両性界面活性剤、安心感の高い自然派消臭成分の緑茶エキス、除菌剤、香料、エタノールという構成。皮脂酸化をブロックすることで皮脂のニオイどころか黄ばみまで抑制してしまうというからすごい。

実際に使ってみるとスプレーの勢いに圧倒される。もうニオイを吹き飛ばそうとでもしているような。香りが残らないタイプだが、使用中はフローラルグリーンの香りがしっかりする。

その香りも乾けば消滅。ニオイ残りほとんどなし。生乾きタオルもしっかり消臭してくれて安定の品質。素晴らしい。

 

ノンスメル清水香(せいすいか)衣類・布製品・空間用スプレー 無香

白元アース/300ml・希望小売価格 税抜370円・発売中

店頭ではあまり見かける機会が少ないが、ホテル業界では客室清掃時の定番。プロが使う消臭スプレーとして名高いのが『ノンスメル清水香(せいすいか)衣類・布製品・空間用スプレー 無香』。2006年に国際興業株式会社と共同で開発。家庭に馴染みのある冷蔵庫を主とする消臭剤ブランド「ノンスメル」の名の下に2016年2月発売となった。

その最大の特徴は無香料だということ。両性界面活性剤系消臭剤、エタノール、除菌剤と基本構成は「リセッシュ」と似ている消臭メカニズムだが、香料が入っていないぶん、使用時にアルコール臭を強く感じる。記者は普段キッチンの消臭に「消毒用エタノール」(ケンエー)を使用しているが、それと近い感覚で、吸い込むとむせて酔っ払いそう…。

強いアルコール臭で殺菌力は強そうに感じるが・・・生乾きのタオルに使用しても消臭ができたのか、それとも自分の鼻がアルコールで麻痺したのか区別がつかなくなる。狭い範囲でしかスプレーできないのもイマイチ。ただ4製品の中で、一番早く布が乾いた。

 

トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー

ライオン/350ml・実勢価格 税込350円・発売中

皮脂分解を得意とする酵素パワーの洗濯洗剤ブランド「トップ」から生まれた除菌・消臭スプレーが『トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー』。その最大の特徴は、除菌、消臭、抗菌、ウィルス除去に加えて“抗カビ”が謳われているところ。

したがって結露しやすい窓のカーテンなどのカビ対策にも効果を発揮する。成分表示をみると除菌剤、消臭剤、香料、エタノールとある。具体的な由来成分などは明記されていないので、消臭メカニズムは不明だ。天然ハーブのティーツリーオイルが配合されており、使用時はミンティーグリーンの香りがするが、香りが残らないタイプ。

実際に使用してみると、ミンティーグリーンは調剤薬局で嗅ぐような薬品臭に感じてしまった。しかしその効果は絶大で、生乾きのタオルの匂いも一瞬で消えた。スプレーの広がり方も丸みを帯びており、布を覆うように降りかかるので効果を高めているのか。

 

ニオイの専門家に、消臭スプレーについて聞いてみた

それにしてもいまさらな疑問だが、本当に悪臭は消えているのか? プラセボ(気のせい)ではないのか? おためし新商品ナビではお馴染み、ニオイの専門家・松林宏治氏に聞いてみた。氏はオフィスや公共施設等の大規模な消臭を業務とする株式会社共生エアテクノの代表取締役を務め、”におい刑事(デカ)”の異名を持つ。

取得者わずか3,000人の国家資格「臭気判定士」の資格を持つ松林氏

ファブリーズやリセッシュが悪臭を“消して”いるのは間違いありません。ですからそれまでの芳香剤とはまったく違う、革新性のある商品でしたね。

なるほど、ではどんなメカニズムで消臭している?

どのメーカーも詳しい成分を公開していないので推測するしかないのですが・・・。何らかの精油をはじめとする天然成分を使っているのは間違い無いと思われます。それでニオイの粒子を捕まえて(くるんで)床に落とすイメージ。精油等の天然由来成分なので使用時はベタつきを感じても、揮発するのですぐに乾いてベタつかなくなるというわけです。

では4ブランドのメカニズムはどれも同じなのか。同じならば、どう選べばいい?

はい。あくまで推測ですが、消臭の仕組み自体はどれも同じでしょうね。成分の由来や配合で違いが生まれます。基本的な仕組みが同じとすれば、機能的には大差を生じにくいと思うので、あとは使用感で違いが出てくるでしょう。香料ほか、揮発しやすさなど。

 

結論、記者はどの消臭スプレーを選んだか

というわけで、消臭スプレーは使用感で選べば良い、と記者は解釈した。つまり個人個人の好みの問題だ。特に残り香については好き嫌いが大きく分かれるところだろう。今回は基本的に”香りが残らない”タイプで検証したのだが、それでも『ファブリーズ』『リセッシュ』に関してはおなじみの残り香を感じた。悪臭を消そうと多量に使用するほど、やはりそうした香りは気にならざるを得ない。

その点『トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー』と『ノンスメル清水香(せいすいか)衣類・布製品・空間用スプレー 無香』は特有のアルコール臭はするものの、すぐに揮発して匂いが残ることはない。

『トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー』に関しては抗カビというリードポイントがあるが、具体的にどういう成分でカビを防いでいるのか、調べてもわからないのが残念。『ノンスメル清水香(せいすいか)衣類・布製品・空間用スプレー 無香』はアルコール臭が強烈なので、ホテルならではのカビ臭さやタバコ臭などを消すのには適しているかもしれないが、汗などの匂いには弱いように感じた。

 

結論として記者が選んだのは、使い勝手のいい『トップ HYGIA(ハイジア)衣類・布製品の除菌・消臭スプレー』だ。

 

トップ ハイジア 消臭・芳香剤 除菌・消臭スプレー 本体 350ml

 

ただ普段から洗濯洗剤で「トップ」の印象が良い記者なので、そこらへんは差し引いて考えてもらいたい。あなたはどの消臭スプレーが好みだろうか?

 

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記者

清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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