簡単エスプレッソ器具『PUSH PRESSO(押すプレッソ)』なら手押し空気圧でコーヒーを簡単抽出可能!

コーヒーというものは、豆の産地や焙煎具合でも味は変わるが、その抽出方法でも同じ豆がまるっきり違う味わいになるもの。特に通常のドリップコーヒーと別物となるのが、お湯に圧力をかけて高価なエスプレッソマシンで抽出するエスプレッソ。ところがこの『PUSH PRESSO(押すプレッソ)』は、そうした圧力を簡単な樹脂製器具と手動圧力で実現してしまうという。

手作りエスプレッソを可能にする簡単なのに画期的な美味しいコーヒードリッパー新機軸!

 

通常のドリップ方式でもサイフォンやフレンチプレス(お湯に粉を浸し上からメッシュフィルターで濾す)、近年流行の水で抽出する水出しコーヒー(コールドブリュー)など、数限りない。

現在のコーヒー環境は、スターバックスコーヒーを代表とした2000年代以降にブームを呼んだシアトル系コーヒー(エスプレッソがメイン)を経てのサードウェーブの時代。シアトル系が苦味の文化なら、現在はすっきりした酸味でフルーティーさを前面に押し出したものが多い。

 

 

そんな中、圧倒的にブレずに、しっかりとした焙煎で苦いコーヒーの美味しさを保ってくれているのがキーコーヒー。昔ながらの酸味もしっかり保ちながら苦味もビシッとくるその佇まいは古くからのコーヒー・ファンのハートを掴んで離さない。

そんな日本コーヒーシーンの良心ともいうべきキーコーヒー株式会社(東京都港区)が2016年から展開しているのが『PUSH PRESSO(押すプレッソ)』。「ネスプレッソ」に代表されるカートリッジを仕様しつつ、抽出は手動で圧力を加えるという器具。近年のサードウェーブでは、構造の近い「エアロプレス」というコーヒー器具も花盛り。しかしその器具は5,000円前後と、正直ちょっとお高い。

その点この『PUSH PRESSO(押すプレッソ)』方式はもっとシンプル。本体として使用する『PUSH PRESSO(押すプレッソ)ホルダー』(136mm×90mm×90mm・ポリカーボネート/エラストマー樹脂製・参考価格 税込約538円・発売中)と、一回分のコーヒー粉の入った3種の味わいのフィルター入りパック『PUSH PRESSO プレッソブレンド/マイルドダーク/スウィートルージュ』(各7g×10P・参考価格 税込約430円・発売中)を用意することで味わえるお手軽エアロプレスコーヒー器具だ。

投資額としては本体とカートリッジ『PUSH PRESSO』を合計しても1,000円弱で10杯飲めるのだからコスパは優秀。

 

使い方は思ったより簡単。一度やってみればもう説明書は不要なシンプルさがいい!

 

とはいえこうしたコーヒー器具というのは、使い方が面倒なことも多い。操作を覚えるのがひと苦労で、ついつい埃をかぶせてしまうものも少なくない。しかしこの『PUSH PRESSO(押すプレッソ)ホルダー』に関してはいたって単純。箱裏などの説明を見ているとややこしく感じるのだが、やってみると実は単純。

ドリッパーの上に柔らかい樹脂の帽子をかぶせてあり、その下にはツメ部分を押して開閉するカートリッジ装着用のフタがあると考えるといい。ちなみにこのヒンジ部分は取れてしまっても問題ない。再び溝に合わせて引っ掛けるだけで元どおりになる。

最初に下をパカっと開けて、『PUSH PRESSO』のフィルターパックを装着すればいい。網目の方を上にする。そして再び下のフタを閉じてツメ部分がカチッと音がしたら装着完了。

それをコーヒーカップの上に乗せる(口径65〜85mmのカップに対応。普通サイズならほとんど大丈夫なはず)。

樹脂製の白い帽子を外して、そしてスタバなどでおなじみのShort/Medium/Tall(小・中・大)という目盛りまで、好みの湯量で注ぐ。

上部に穴があるが、湯量がそんなに多くないので穴に指を当てても熱くない。

その穴を指で閉じたらグッと押す。2〜3回押せばお湯がなくなるので終了。コツはしっかり穴を塞ぎ続けること。『PUSH PRESSO(押すプレッソ)ホルダー』をどかすと、コーヒーが出来上がっている。

飲んでみると、エスプレッソ的な濃い味でありながら、マシン抽出独特の雑味は少なく、ドリップのように香りが華やかでありながらしっかりとコーヒー感が強いという、まさに良いとこどりの状態で飲むことができた。正直とてもシンプルな構造なのでナメていたが、かなり美味しい。

湯量に関しては、Tallだと薄めに仕上がるし、Shortだと仕上がり量が少ないので、やはりMediumがおすすめか。では3種類それぞれの味の特徴を確認してみよう。

 

■『PUSH PRESSO プレッソブレンド』

エスプレッソ感のある味わいだが、同時に爽やかという雑味を完全に排したエスプレッソのような不思議な味わいが美味しい。湯量Shortで少なめに抽出して牛乳を加えてカフェラテ化するのにも適している。

その場合はこの直接グラスにセットできるという特性を活かして氷を入れたグラスに直接”押すプレッソ”するのがおすすめ。アイスコーヒーは急激に冷やせば冷やすほど美味しくなるので、氷に抽出が一番美味しいからだ。

 

■『PUSH PRESSO マイルドダーク』

昔からのキーコーヒーファンに喜ばれそうな、濃くて苦くて酸味もあるガチッとしたコーヒーが味わえる。しかも”押すプレッソ”されている分だけ、アロマがふくよかで甘みも感じるところが新境地。

 

■『PUSH PRESSO スウィートルージュ』

女性にも喜ばれそうな華やかな香り立ちで圧倒する、苦さ控えめのフルーティータイプ。サードウェーブ系が好きな人なら、これか。

柑橘果実のような香りの広がりぶりで、Tallで飲めばコーヒーが苦手な人でも美味しく感じられるかも。

 

最後の最後が手作業というフィーリングが楽しい。後片付けもラクラク!

 

抽出を指でグッと押して抽出するのだが、お湯を入れてから上部の穴を塞いで少し蒸らし気味にしてからゆっくりと押し込んでいく方が美味しくなるように感じた。そしてその行程をじっくり手作業としてこなすと、コーヒーメーカーのようにマシン任せではなく、ドリッパーほど面倒ではないが手技をこなした満足感があるという”押すプレッソ”の良いとこどりが楽しめる。

そこまで極端に変わらず美味しいコーヒーを淹れられるのだが、何となく仲間とプッシュのし具合のセンスで味比べをしてみるのも楽しいだろう。メンテナンス的にも下部のフタをパカっと開けて、抽出済みパックをぽいっと捨てるだけ。本体も軽く水洗いするだけで十分だと思う。

 

エアロプレスを家でも気軽に実践したい人、さすがにエスプレッソマシンを導入する気はないが、たまには家でもエスプレッソやカフェラテが飲みたい人など、欲しくなる人は多いと思う。

 

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイトはこちら

記者

清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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