ペン先の「SAILOR」が販売を再開した、職人手作業の『長刀(なぎなた)研ぎ』万年筆!まるで毛筆のような書き味の「日本人のための」万年筆だ!

 

日本語の文字、特に漢字には、トメ、ハネ、ハライなど、漢字特有の筆致がある。そうであれば、書き記すペンにも、それ相応のペン先の機能があって然るべきである。そして、そのような漢字を美しく書くペン作りにこだわってきた万年筆メーカーがセーラー万年筆(東京・墨田区)なのだ。同社は、一時期の需要拡大により、この3年間、『長刀研ぎ』と呼ばれる独自のオリジナルペン先(SPECIAL NIB)の生産・出荷を休止していたが、この10月から、仕様も新たに販売を再開した。職人技が生み出した手作りペン先の書き味をさっそくおためししてみた。

 

これはまるで毛筆である!

万年筆好きで、特に舶来ものの万年筆を普段数多く使用している記者が、普段よく思うのは、筆記した線の太さが一様なペンでは「漢字に味わいが出ない」ということ。アルファベットの文字に比べ、漢字、あるいはひらがなは、1つの文字の中に、幅の広い部分と細い部分のメリハリが大きく、特にトメたり、ハネたりすると、同じ太さの線では、何か物足りない字になってしまう。だから、日本人は、そういう”味わいが欲しい”文字を書きたいとき、例えば年賀状を書くようなときには、筆ペンを使用するわけだ。

 

ところが、このセーラー万年筆の『長刀(なぎなた)研ぎ』万年筆(中字)を使って書いてみると、いとも簡単に、漢字らしいメリハリの効いた文字が書けるのである。特に縦書きにして書くと、まるで筆で文字を書いているような気分を味わうことができる。

ペンの微妙な角度や力の入れ方に応じて紡ぎ出される文字に、思い通りの太さと流れが描かれ、想いの思った漢字が書けるのだ。このペンを持つと、思わず、縦書きで漢字を書きたくなってしまう。これぞ、”日本人の、日本人による、日本人のための”万年筆と言ってもいいペンであろう。

 

独自のペン先「長刀研ぎ」とは?

実は、セーラー万年筆は、「長刀研ぎ」と呼ばれるペン先作りにこだわってきた。それは、ペン先の先端に通常のペンポイントより大きいペンポイントをつけ、あたかも長刀(なぎなた)の刃型のように長く、角度を滑らかに研ぎ出して仕上げたもので、ペンを寝かせると太く、ペンを立てると細く書ける特長がある。

戦後、機械化、合理化の波を受け、そうした職人による手作りのペン先は姿を消したものの、その職人技はしっかりと現代の職人に受け継がれ、万年筆の世界では「ペン先のSAILOR」として信頼されている。そんなオリジナルのペン先(SPECIAL NIB)を持つ万年筆は、職人の手作業によるため、生産数に限りがあり、2015年以来、出荷を休止していたが、今回、再び受注生産というシステムで販売を再開したのである。

 

この『長刀研ぎ』のペン先、何より、日本の文字を美しく上手に書けるような気分にさせてくれる。特に漢字。まるで毛筆を手にしたように、筆圧をかけなくてもさらさらと書けてしまうのだ。この書き味に、根強い愛好家も多い。

また、『長刀研ぎ』からは、上の写真にあるように、とても万年筆とは思えないような個性豊かな形のペン先が生み出され、それぞれに独自の書き方、書き味を自由に巾広く楽しめるラインナップが形成されている。

特に、「長刀コンコルド」「長刀ふでDEまんねん」といった、ペン先が反り返ったペンは、一体、どんな書き味で、どんな文字が書けるのか。はたまた実用として使用できるのかどうか。万年筆好きの記者には、非常に興味をそそられるペンなのである。

 

高級感溢れる姿と引き出し型ケース

ペンの形状は、キャップの軸径(クリップを含まない)が約16mm、長さが141mmという、いわゆる極太タイプだが、素材のPMMA樹脂は丈夫で軽く、重量はわずか24g。高級感のある美しい黒の光沢を放っている。

ペンの中央にはゴールドのキャップリングがはめられ、「SAILOR SPECIAL NIB」の文字が誇らしく輝く。ペン先は、中細、中字、太字の3種類だ。

専用のケースは引き出し型で、中にはインクコンバーター、スペア用カートリッジインク、お手入れ用のクロス、説明書、1年間の品質保証書が入っている。

価格は、長刀研ぎ万年筆が税抜5万円。長刀コンコルド万年筆が税抜5万5000円、クロスポイント万年筆が税抜7万円、クロスコンコルド万年筆が税抜7万円、クロスミュージック万年筆が税抜7万5000円、長刀DEまんねん万年筆が税抜5万5000円、そのほか、「ペン先」の上にもう一枚ペン先を被せた形の「巻きペン先」を採用したエンペラーシリーズは税抜6万円となっている。

なお、職人の手作業により生産数に限りがあるため、製品の取り扱いは、国内・海外計50店に限定で、そのリストは、セーラー万年筆のサイト内に掲載されているので、ぜひ参考にしていただきたい。

 

 

公式サイトはこちら

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記者

渡辺 穣

渡辺 穣

50代男性。月刊誌のデスク・編集長等を経て著作家。主に経済系の著書多数。ファイナンシャルプランナー。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年。趣味で家庭教師も行う。山と海と焚き火を愛する。

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