何かと難しい時期に新登場した、加工の難しい舞茸のうどん! マルちゃん『香るまいたけ天ぷらうどん』の挑戦

11月4日に東洋水産が全国で発売を開始した新しい和風カップ麺は、何よりも食材に舞茸を使っているのが“売り”だ。しかもパッケージには、わざわざ「雪国まいたけ使用」と謳っている。

その「雪国まいたけ」の製造元、株式会社雪国まいたけの創業社長が、不適切な会計処理で引責辞任を発表したのは、やはり11月の上旬のこと。そして先週、本当に辞任したばかり。

マルちゃん『香るまいたけ天ぷらうどん』は、そんなタイミングで新登場した和風カップ麺なのだ。

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舞茸という食材は、生から調理すると、独特のゴリゴリした食感が何とも魅力的だが、ひとたび乾燥させてしまうと、とたんに風味が落ちる加工の難しい食材だ。しかも、福島原子力発電所の事故後、きのこ類は放射能を蓄えやすい食材として、消費者は警戒もしている。それに加えて、冒頭の社長辞任事件。

そのような三重苦のタイミングに、この新商品は健気にも発売されたのである。

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原材料には、かやくに「まいたけ天ぷら」、麺は「油揚げめん」、つゆは「昆布だし」にネギを加えている。

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フタを開けてみると、中には粉末スープの袋と、舞茸の天ぷらが入っている。この舞茸の天ぷら、ここで見ると、意外と大きく、なかなか美味しそうに見える。

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アップにすると、こんな感じだ。加工の難しい舞茸だが、「これはひょっとすると・・・」と期待を持たせてくれる。

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熱湯でもどすこと5分。昆布だしのつゆがいい香りだ。一口すすると、薄味のさっぱりしたつゆ。舞茸の微妙な味と香りを生かすため、そのような味にしたのだろうか。

で、肝心の舞茸の天ぷらだが、うーん、なかなかこれは難しい。やはり食感も、風味も、期待したほどは感じられない。めんは、赤いきつねなどにつかわれているものと同じものだろう。カップうどんとしては、普通に美味しいが、「まいたけ天ぷら」を売りにしたものとしては、このあたりがカップ麺の限界なのだろうか。

catch

とはいえ、この難しい食材を難しい時期に発売したマルちゃんの挑戦には、今後も期待したい。本当に美味しければ、舞茸は、おそらく人気が出る食材だからだ。マルちゃん『香るまいたけ天ぷらうどん』、税別170円で、全国のコンビニ、量販店、小売店、スーパーなどで発売中だ。

記者

渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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