『サッポロ一番 塩らーめん ピリ辛 タテビッグ』ピリ辛&酸っぱい仕立てで”塩らー”ファンは納得いくのか!?
サンヨー食品の日本の塩ラーメン普及に貢献したとも噂される名ブランド「サッポロ一番 塩らーめん」のカップでピリ辛な商品が『サッポロ一番 塩らーめん ピリ辛 タテビッグ』。普段から「サッポロ一番 塩らーめん」を柚子胡椒などを入れてピリ辛化して食べている記者なので期待度は高い。
袋の「サッポロ一番 塩らーめん」味とはやはり別物か…
袋タイプのインスタントラーメンの代表シリーズが「サッポロ一番」。1971年にしょうゆ、みそに続いて発売され、一説には日本の塩ラーメンを普及させた根幹なのだとか。記者も定期的に食べたくなる独特の緑がかったスープに切りごまの爽快な香り立ち。袋めんタイプの中でもしょうゆ味やみそ味は結構選択肢があるのだが、有力な塩味はあまり存在しないというのが私見。それほどまでに「サッポロ一番」の塩味は刷り込まれているのだろう。
ところがこの「サッポロ一番」シリーズにも不満がある。というのも袋めんからカップ麺になった時に、味が大きく変わるのである。どんぶりタイプなどでもそうだが、風味が違う。パッケージに同じロゴを使っていても味は別物というところがどうにも納得いかなかった。
そんな中の、『サッポロ一番 塩らーめん ピリ辛 タテビッグ』(98gうち麺72g・希望小売価格 税抜205円・2016年5月9日発売)だ。何と今回は青唐辛子、赤唐辛子の辛みと酢の酸味を合わせたピリ辛スープなのだとか。もう嫌な予感しかしない。
麺は油揚げめんの中太タイプ。かやくにはキャベツ、スクランブルエッグ、かに風味かまぼこ、ねぎ、赤唐辛子。
フタをめくった段階では「サッポロ一番 塩らーめん」の香りがしてうれしくなるが、湯入れした途端に具材が主張し始めて早くも”塩らー”色は失われる。
3分後、後入れの小袋を投入。なくてはならない切りゴマが入っていて再び期待。
しかしやはり塩らー臭は弱い。多少萎えながらかき混ぜて一口。結構辛い。旨味もあるし酢の味わいはあまりしないが爽やかさはある。具材は最高に目立っているカニカマがふわふわしててちょっと物足りない。
美味しいとは思う。しかしこれは袋めん時代に焼き付けられた「サッポロ一番 塩らーめん」味とは程遠い。あの美味しさをカップ麺化するのは、そんなに難しいのだろうか。
塩気はしっかり、ゴマの風味もある、スープだって緑がかっている。なのに味が違う…。まあ袋めんを愛していた人以外にはピンとこない話なのかもしれないが。
ただロゴを袋めんのものと統一し、さらに「唐辛子入り切り胡麻つき」まで書いてあると騙されてしまう。ひょっとしたらという気持ちがどうにも拭えない…。袋めんに愛着があるなら、そんな複雑な思いを抱きたい場合のみお勧め。もともと袋めんの味がピンとこない人なら問題なく美味しく食べられるだろう。