『オールフリー ゆず』、その徳島産ゆずの効果は発泡酒的な嫌味を消去するための作戦なのか!?

「アルコール度数0.00%」「カロリーゼロ」「糖質ゼロ」の“3つのゼロ”を実現したノンアルコールのビール系飲料としてナンバーワンの地位をほしいままにしている「オールフリー」シリーズ。そこに徳島産ゆず果汁を配合した新製品『オールフリー ゆず』が投入された。

 

“麦芽が美味しいノンアルコール”をキャッチフレーズに、二条大麦を使用し、深層地下水で仕込み、アロマホップで一番麦汁仕込などというフルコースな製法で美味しさを極めてきたオールフリーは味の方でも他製品を一歩リードしていると言っていいだろう。

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発売元はもちろんサントリー酒類株式会社(東京・港区)。『オールフリー ゆず』(350ml・オープン価格・2014年10月7日発売)は、先行して「オールフリー 瀬戸内限定ゆず」として8月5日から瀬戸内エリアで発売されていたものの全国版。正直この缶のパッケージは大いに期待がそそられる。もうゆずのさわやかな香りが開ける前でもただよってきそうなそそるパッケージワークなのである。

だからだろう、プシュッと開けてみて、若干ガッカリしたことを正直に告白する。ゆず、と言われても正直かすかな風味。ゆず果汁の含有量0.1%はあまりに少ない。飲料業界のルール上、表示も「無果汁」となっている。

 

グラスに注ぐとクリアな黄金色で、ビール特有の音。クリアな黄金色にクリーミーな泡立ち、やや消えるペースが早いが、発泡酒なら上出来な部類。

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飲んでみるとゆずというよりも、天然水の味が際立った。爽やかだが苦味はほとんどなく、多少物足りない感は発泡酒そのもの。ノンアルコールだということを忘れてしまうくらい上級発泡酒の味わいである。

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ゆず視点から見ると明らかに物足りない。しかし飲み進めていくうちに、おそらくゆずの効果で発泡酒特有の妙な酸味と甘みがないことに気づいた。さわやかな後味は、ほんのり酸味が残る程度まで抑えられている。
なるほど、発泡酒特有の妙な味わい(特に酸味)を打ち消すために、徳島産のゆずが活躍しているのだと気がついた。麦芽の良い香りも洗練されて感じるのはゆずのおかげなんじゃないか。

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したがってパッケージがあまりにゆずを強調しているがゆえに、がっかりしてしまったというのがことの真相。言ってみれば「オールフリー 極み」として飲めば、とても美味しく楽しめるのだ。そこらへんを前もって覚悟して、ぜひ飲んでみてもらいたい。完成度の高い1本である。

公式サイト:オールフリー ゆず

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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