ナビスコ『リッツ』の後継は『ルヴァン』? 味わいや食感をあらためて検証!

新旧『リッツ』の比較検証記事である。8月末で販売終了したヤマザキナビスコ旧『リッツ』と、モンデリーズジャパンが引き継いだインドネシア製の新『リッツ』。そしてヤマザキビスケット(YBC)の国内工場生産品『ルヴァン』の3種類を食べ比べた。

9月からナビスコは海外製に、ヤマザキは国産ビスケットを新発売

状況をおさらいしよう。1970年から46年続いた「ヤマザキナビスコ」のライセンス契約が8月末で終了。ナビスコのブランドはモンデリーズ・ジャパン株式会社に継承され、これまですべて国内生産だったビスケットは海外生産に切り替わった。一方で国内工場でのビスケット生産ノウハウを持つヤマザキは子会社の商号をヤマザキビスケット株式会社(YBC)と変更し、新ブランドの立ち上げに挑んでいる。

 

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前回は定番クラッカー「プレミアム」の新旧商品を食べ比べたが、今回は『リッツ』の比較検証である。

 

 

変わったのは生産国だけじゃない、原材料が違う!

まず、既に販売終了したヤマザキナビスコ旧『リッツ』(日本製・39枚・税込約159円)の成分表をチェックする。

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アレルギー物質は小麦のみ。

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次に、モンデリーズ・ジャパンによる新『リッツクラッカーS』(インドネシア製・39枚・税込約214円)をチェックすると、アレルギー物質に小麦の他、大豆が増えている。

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なぜか? 原材料をみれば、大豆由来の「レシチン」が追加されているためだとわかる。

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レシチンは乳化剤として原材料を混ざりやすくしたり、焼き菓子の型離れをよくするために使用されるものだ。大豆アレルギーの方は要注意だが、レシチンそのものは安全の保証された添加物なので問題ない。それよりも気になるのは酸化防止剤が加わっている点。インドネシア工場での生産においては、これがベストな製法と判断されたのだろうが、味にどのような変化をもたらすのか。

 

 

最後にヤマザキビスケットによる後継品『ルヴァンL』(日本製・75枚・税込約268円)をチェック。

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旧リッツとは、随分と印象の異なるパッケージ。イメージカラーが赤から青になり、言われなければこれがリッツの後継品とは気付かないくらいだ。これはLサイズで、39枚入りのSサイズ(税込約172円)も存在する。

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だが原材料をチェックすると、旧リッツを踏襲していることがはっきりわかる。アレルギー物質は小麦のみ。違いは植物油脂が加工油脂になっていること、そしてライ麦粉と発酵種が追加されていること。ちなみに『ルヴァン』という商品名は、フランス語で「発酵種」の意味。これがどのような風味の違いを生むのか、期待が膨らむ。

 

また『ルヴァン』は国内工場生産品であることを強調するためだろう、製造所の住所まで誇らしく表記されていた。検索してみると、山崎製パン古河工場がヒット。

 

 

Googleマップ上のデータを拡大してみると、周辺施設にはナビスコの文字列が散見される。「ヤマザキナビスコ古河事業所」「ヤマザキナビスコ古河女子社員寮」など。旧リッツもここで生産されていたと考えて間違いなさそうだ。

 

 

 

価格もパッケージングも、おなじ

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1箱の中に3パックの構成はどれもおなじ。今回撮影に用いたルヴァンは1パックに25枚入りのLサイズだが、リッツとおなじ13枚入りのSサイズも存在する。

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店頭小売価格も、3種同じだ。

 

 

それではいよいよ味比べだ。