ついに太スティック化! 『グロー・ハイパー(glo hyper)』はアイコスに迫る強喫味へ【加熱式タバコ】

在宅ワークなら仕事をしながらタバコが吸える!

 

煙が出ない、ニオイが少ないという特徴で、現代タバコの主流の形になろうとしている加熱式タバコ。4月1日より施行された改正健康増進法で原則屋内禁煙になり、飲食とともに紙巻きタバコを吸うのはかなり困難になった。しかし加熱式タバコ専用室ならOKということから改めて切り替えを考えている人も多いのでは? 今回は細身のスティックでおなじみだった「グロー」の喫味最高レベルを実現した『グロー・ハイパー(glo hyper)』をすべての機種をためした喫煙者の記者が紹介する。

 

細身スティックの互換性を捨て、さらなる喫味強化に乗り出した『グロー・ハイパー(glo hyper)』、登場の背景

加熱式タバコのスタンダードは、最も喫味の強い「アイコス」だが、メンソール銘柄が充実している、加熱式タバコのために開発された「ネオ」ブランドが存在する、「ケント」ブランドが吸えるなどの理由で人気のある「グロー」。最近では「プルーム・テック/同プラス」と同じ特徴を持つ低温加熱式デバイスの「グロー・センス」を追加するなど、拡大路線を突っ走り中だ。

 

 

喫味の強さは今のところ、「アイコス」(フィリップ モリス ジャパン)が最高温度で、内部ブレードを直接スティックに突き刺す高温中心加熱式でトップだ。その後を追うのが同じ高温中心加熱式を採用したインペリアル・タバコ・ジャパンの「パルズ」なのだが、専用スティックのバリエーションの少なさで今ひとつ人気は出ていない。

挿したスティックを周囲から加熱するタイプの高温中心加熱式を採用しているのは、JTの「プルーム・エス」と「グロー・センス」を除くグロー・シリーズである。「グロー」の特徴は細身のスティックをそのまま挿入口に挿すという手軽さ、汚れにくさで人気だったのだが、いかんせんスティックが細く、喫味の強化は難しかった。

 

 

それでも「グロー」は喫味強化をあきらめず、加熱式専用に開発した「ネオ」シリーズの投入や、フィルターの改良、2019年10月に投入された加熱温度を高温化するブーストモードを搭載する「グロー・プロ」の投入で、「アイコス」の牙城を突き崩すべく闘ってきた。

 

 

記者は「グロー・プロ」+「ネオ」の組み合わせは、「アイコス」の喫味に迫る喫味をかなり実現して感動したものだが、同時に限界も感じていた。そう、やはり細身のスティックが最大のネックとなっていたのである。細いということは蒸気も当然細くなる。その部分はどうしても解決できない問題として残ったのである。

 

グロー機種ラインナップ

左から『グロー・ハイパー』「グロー・プロ 」「グロー・ナノ」

この先の強化は無理だろう。そう思っていた。しかしここに来て投入されたブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BAT)『glo hyper(グロー・ハイパー)』(希望小売価格 税込3,980円・2020年4月13日発売)は、なんと従来スティックの互換性を捨てて、スティックを太くして、喫味のさらなる強化を図ったのだ。

 

 

グロー・シリーズ比較

これはすごい。しかも「グロー・プロ」同様、ブーストモードも搭載している。少なくともグロー史上最強喫味となるのは間違いない。あとは絶対王者「アイコス」にどこまで迫れるかがポイントになってくる。

 

 

『グロー・ハイパー(glo hyper)』はどんな進化を遂げたのか

ミリ単位でサイズ変更はあるけれど、見た目はまるっきり「グロー・プロ」である。違いはスティック挿入口のサイズが大きくなっているところなのだが、正直肉眼で見てもそこまで差はわからない。

最新の誘導加熱技術(IH)を採用しているところや、充電時間約90分・使用可能回数約20回というところまで共通。約20秒で加熱が完了して約4分間喫煙できる通常モード、約15秒間で加熱が完了して約3分間喫煙できるブーストモード(スティックが太い分だろう、「グロー・プロ」より5秒長い)というところも同じだ。

使い方も「グロー・プロ」同様、ボタン長押しバイブ1回で通常モード、もう一度バイブするまで押し続けるとブーストモードとなる仕様だ。

また加熱式タバコ専用スティック自体、従来「グロー」用以外も口径は大差ない。しかし「アイコス」と「パルズ」は互換性があるものの、その他は互換性はない。「グロー・ハイパー」用スティックもサイズが違う上、長さも違うので他の機種すべてで使えない。

 

 

いきなりの専用スティック6種投入が本気! 『グロー・ハイパー(glo hyper)』を吸ってみた

だいたい最初はラインナップを絞って、定着したら種類を増やすという戦略をとるのが普通だが、BATは最初から6種類の専用スティックの投入である。かなりの本気ぶりが見てとれる。内訳はレギュラー系1種類とメンソール系5種類(ノーマルメンソール2+フレーバーメンソール3)だ。

 

 

また太くなっただけではなく、タバコ葉自体も約3割増量された。しかも今回投入されたのは加熱式専用に開発された、喫味の強さと酸味と甘みを控えたストイックな味わいが魅力の「ネオ」シリーズである。どんな味わいを生み出してくれるのか、実際に吸って確かめてみたい。

 

 

■レギュラー系/メンソール系

写真左から「ネオ・テラコッタ・タバコ・スティック」「ネオ・フレスコ・メンソール・スティック」、「ネオ・フリーズ・メンソール・スティック」

「ネオ・テラコッタ・タバコ・スティック glo hyper 用」

唯一のレギュラー系となる「ネオ・テラコッタ・タバコ・スティック」。「スパイスコーヒーが香る濃厚タバコ」とのことだが、箱を開けてもコーヒー感はあまり感じない。

 

 

どの程度の喫味になるか確かめたいので、最初は最高温度に加熱するブーストモードで味わう。少しの酸味はあるが、苦味を感じる独特のスタイリッシュな「ネオ」の味がする。ジェントルマン的な高品質な味わいは、記者は大好きだ。

 

 

ピリッとくるスパイス感はあっても、コーヒー感は強くない。洋モク(海外タバコ)的なおしゃれな味わい。そして抜群のボディー感が口の中いっぱいに広がる。「アイコス」と比べるとドロー(吸い込む力)が軽く、スルスルと蒸気が入ってくる。従来の「グロー」よりもさらに軽い力で喫煙が可能だ。

 

 

この甘くない、キリッとした味。香りも加熱式特有の酸っぱさやポップコーン臭が抑えられており、とてもおいしい。紙巻きタバコに通じるキレの良さもある。

 

 

従来の最強組み合わせ、「ネオ」×「グロー・プロ」ブーストモードは、喫味は強かったが、蒸気が細い分、舌の中心に意識を集中して味わう必要があったのは否めない。ところが「ネオ・テラコッタ・タバコ・スティック」を「グロー・ハイパー」のブーストモードで味わうと、集中しなくても「ネオ」のうまさが堪能できるのだ。

 

 

通常モードでは、まったりとシックな味わいを感じられるが、その分パンチは少ない。それでも従来グローに比べれば、圧倒的に満足度は高かった。

 

 

 

「ネオ・フレスコ・メンソール・スティック glo hyper 用」

グロー最大の特色は豊富なメンソールフレーバー。その基本系がこの「ネオ・フレスコ・メンソール・スティック」だ。ブーストモードで吸うと、ペパーミント系の辛みが強烈な刺激系である。ただ辛みが後を引かずにスッと清涼感だけが残るところはいい。

 

 

箱を開けた瞬間に感じる甘い香りは、なぜか実際に吸うと感じない。通常モードで吸うと、メンソールの刺激とタバコ感が強まって、濃いおいしさを堪能できる。

 

 

「ネオ・フリーズ・メンソール・スティック glo hyper 用」

最近注目の冷感タイプのメンソール。「ネオ・フリーズ・メンソール・スティック」は”強いメンソールに氷結ミントカプセル”というキャッチフレーズ。パッケージに電源ボタンアイコンが描かれていることでもわかる通り、「グロー」のお家芸、カプセルメンソール搭載なのだ。

 

 

ブーストモードで吸うと、最初は控えめな普通のメンソールタバコ。カプセルをつぶすと、ジューシーな芳醇ミントが冷たく広がる。鼻の奥までしっかり寒くなる強力な夏向きな味仕立てだ。

 

 

これもまた、通常モードで味わいが濃くなる。カプセルを潰した後も落ち着いた芳醇ミント感が程よい冷感で味わえるので、こちらの方がおいしい。

(次ページへ続く)