【加熱式タバコ】普段の紙巻きタバコを1本丸ごと加熱式に! 『VP Style』はアイコスやヴェポライザー、VAPEの特徴を融合したアイデアタバコデバイス試用レポ

加熱式タバコの面白進化系!

 

アイコス、グロー、プルームなどの有名どころ加熱式タバコは専用スティックを使用しないといけない。紙巻きタバコをちぎっても吸えるヴェポライザーは美味しいけど煙が少なく面倒という人にうってつけかもしれないのが、紙巻きタバコを1本そのまま挿入して蒸気たっぷりの加熱式タバコにできる新発想タバコデバイス『VP Style』だ。

 

スポッと挿入、モクモク蒸気で好みの銘柄がニオイ少なく吸える『VP Style』に死角はあるのか!?

 

株式会社SMV JAPAN(東京都港区)から登場した『VP Style』(51x22x90mm/約126g※吸口含まず・希望小売価格 税抜7,980 円・2019年4月27日発売)は、専用スティックを使用せずに、好きな紙巻きタバコを使って加熱式タバコにできるデバイス。

そうした特徴は、近年ブームを呼んでいるヴェポライザーなども同じだが、ヴェポライザーが紙巻きタバコを使用する際はちぎる必要があるのと、モクモク至上主義の人にとっては蒸気量が少なく感じるという特徴がある。もともと手巻きタバコ用タバコ葉(シャグ)使用が前提で作られているので、ニオイのなさ、味とニコチン摂取という点ではシャグ使用で問題ないのだが、手軽さに欠けるという人は多い。

 

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タバコ葉は火をつけなくても、加熱すれば自身の水分を揮発させてニコチン吸入が可能になるのだが、それだと蒸気はかなり少なくなる。それらの悩みをコロンブス的発想で解決したのが、『VP Style』だ。なんとこの機種は、ヴェポライザーとして紙巻きタバコをあっためて、さらに内蔵したリキッドで蒸気量を補うというのだから驚きだ。

右側がリキッドタンク

アイコス などの加熱式タバコ(プルーム・テック以外)は専用スティックにグリセリンなどの蒸気を多く発生させるためのリキッドを染み込ませているのだが、この『VP Style』は後付けで紙巻きタバコにVAPEのようにリキッドの蒸気を追加するという方式をとっている。しかもプルーム・テックやプルーム・テック・プラスが約30〜40℃という加熱温度なのに比べて190〜230℃というプルーム・エスやヴェポライザー並みの高温で加熱するのだという。

仕組みだけ知ると、たいへん興味深い。でも実際に紙巻きタバコをそのまま使用して、美味しく味わえるかどうかはさまざまな要素があるので、そのまま鵜呑みにするわけにはいかない。それでは実際に吸ってみて、確認してみよう。

この穴に市販の紙巻きタバコを入れる

 

タバコを1本、ぎゅむぎゅむと押し込んでトリプルクリックで起動! これがヒートスチーム方式だ!

まずは下準備が必要だ。本体下部にリキッド入りのタンクを装着する。そして本体上部にあいた穴。ここにタバコを差し込む。そしてキャップをはめるのだが、中に挿入したタバコを、少し押しつぶす感じで入れる感覚だ。使用できるタバコは85mmサイズ(もっとも一般的なキングサイズ)のものを使用する必要がある。

これであとは電源ボタン3回押しで起動すればいい。待ち時間は40秒とグロー、プルーム・エスと同じ。ではいざ、吸ってみよう。

蒸気は多い。アイコス よりも多いくらい。ただ、この感覚、どちらかというとVAPEの蒸気に近い。グリセリン感(甘み)が強めに感じられる。レギュラータイプのいくつかの銘柄を吸ってみたが、正直スロートキックも控えめで、少々物足りない印象。あえていうなら初期プルーム・テックの味に近い。軽い。まあ構造的にプルーム・テックが微細に刻んだタバコ葉を使用しているところ、普通の紙巻の刻まれ方なので、物足りなくなるのは当然か。取り出した吸い殻も加熱されきっていない印象だ。

蒸気は豊富に出るが…

ただ記者はヴェポライザーも愛用しているので、これで諦めはしない。そもそも紙巻きタバコのフィルターは火をつけた時の煙に対して作られているので、加熱式タバコには向いていないということは知っている。

ということで、フィルターをちぎり取り、両切り状態で再び吸ってみる。今度はずっとタバコ感が増した。ただグリセリン感と合わさると、初期アイコスの味を思い出した。マールボロブランドを期待して吸って、「全然違う!」となった時の感想と同じ。特有のポップコーン臭がきつい。

なるほど、では今度はメンソールにしてみよう。それも無添加でおなじみの「アメリカンスピリット」だ。というのも紙巻きタバコの紙の部分には燃焼促進剤が添加されていることが多く、それは加熱して吸引されることを予測していないので、不安要素ではあるからだ。

フィルターをちぎって、メンソールを入れて、今度こそ。今度はだいぶいい。メンソールのせいでタバコ感は薄らいだが、グリセリン感も薄まった。これならタバコデバイスとして成立すると思う。

 

ニオイはかなり軽減。ひと手間かければタバコ感が増すが…

高温加熱式の中でも低温になるこの『VP Style』は、ニオイの面では非常に優秀。アイコス 、グローに比べてもニオイは少ない。ただ好みの銘柄の味わいをそのまま味わえるかというと、それは微妙。やはりグリセリンは無味無臭と言われるが、そんなことはない。独特の不思議な甘みは、紙巻きタバコを燃焼した時とは明らかに違う味わいとなる。

 

 

フィルターを取り去ることで、タバコ感は増えるのだが、それだとタバコをちぎる作業が生まれてしまうので、1本丸ごとポンっと入れて、手軽にという特徴が失われてしまう気もする。

 

 

さらに問題は、タバコ代は減らないということ。年々値上げしていくタバコ価格に対抗することができるのが売りのヴェポライザーと比べるとその点では太刀打ちできない。ヴェポライザーなら1本を3〜4回に分けて吸うことができるが、これは2回連続で吸ってみたら、だいたい1回半程度しか味は出なかった。

 

どうあっても好みの銘柄を変えたくないが、周囲の圧力に負けそうな人に!

 

好みの銘柄は何がなんでも変えたくないという人なら、この『VP Style』は役に立つのかもしれない。専用スティックを購入するのとは違い、いざとなったら火をつけて吸うが、周囲に気をつかう時には大人しく『VP Style』でしのぐという二刀流に適しているのではないかと思った。

 

 

もちろんアイコス 、グロー、プルーム・テックなども登場当初はそれなりに問題を抱えていたことを考えると、今後『VP Style』もセカンドエディションで改良を遂げるのかもしれない。その未来にも期待しよう。

 

【スペック】
バッテリー容量: 3.7V 2200mAh
充電時間: 約 90 分 ※出力 5V-2.1A の場合 ※USB 充電
使用回数: 満充電時、約 225 パフ(吸引時間:2 秒/回)
カラバリ:ブラック/シルバー
付属品: 本体/吸口/カートリッジ /充電用 USB ケーブル/クリーニングブラシ/説明書・保証書
【交換用カートリッジ】希望小売価格】約 1.8ml(税抜598 円)

 

入手は全国の大手家電量販店、ホームセンター、タバコ取扱専門店、公式サイトなどにて可能だ。

 

 

公式サイトはこちら

記者

清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 清水葉子

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