【飲み比べ】濃いめ系新ジャンルBIG3対決『金麦〈ザ・ラガー〉』vs『本麒麟』vs『アサヒ ザ・リッチ』【ビール系】

おいしくてコスパがいい三羽ガラス

 

およそ20年前に登場した「新ジャンル」は、長い月日をかけた競争によって、よりビールに近い味わいへと進化してきたお酒だ。その中で今注目されているのが、コクや味わい。つまり、濃いめ系新ジャンルだ。そこで今回は新ジャンルを発売する3社による『金麦〈ザ・ラガー〉』『本麒麟』『アサヒ ザ・リッチ』の味わいを飲み比べしてみよう。

 

ビールに近づくために改良を重ねておよそ20年。ビールを代表する3社のクオリティをチェック!

新ジャンルとは、2003年の酒税法改正を機に登場したビールにも発泡酒にも属さないお酒のこと。現在は、原料に麦や麦芽を使わない「その他の醸造酒(発泡性)」と、麦芽比率50%以下の発泡酒に別のアルコール飲料(スピリッツや焼酎)を混ぜた「リキュール(発泡性)」の2つの分類に分けられている。いずれもビールとは違う原料や配分で、ビールの味に近づけようとしているのは同じ。

 

そして今、さらなるクオリティを求めて、コクや味わいが強化されているというわけだ。

 

今回はサントリー、キリンビール、アサヒビールの日本を代表するビールメーカー3社がそれぞれ発売する『金麦〈ザ・ラガー〉』『本麒麟』『アサヒ ザ・リッチ』を飲み比べし、「濃いめ系新ジャンルBIG3対決」を実施。それぞれの原料や濃さなどに注目しながら味わいをたしかめてみよう。

 

サントリー『金麦〈ザ・ラガー〉』を飲んでみた!

1本目は、サントリー(東京都)『金麦〈ザ・ラガー〉』(アルコール度数6%・350ml缶・実勢価格 税込173円・2022年12月より順次切り替え)。2022年12月にリニューアルされたばかりの濃いめのラガーだ。原料には、発泡酒(麦芽、ホップ、コーン、糖類)とスピリッツ(小麦)を使用。分類は「リキュール(発泡性)」となる。

ダイヤモンド麦芽を一部使用

アルコール度数は6%。今回ピックアップした中で唯一小麦を使ったスピリッツを使用。濃厚とまではいえないが、しっかりと濃い麦の香りを感じる。

ゴクゴクっと飲んでみると、口に入れた瞬間はややクリアな口当たり。中盤から苦みや麦の旨みが現れてくる。後半になるほど味わい深さがはっきりとしてきて、後味には少しのコクと苦味がほどよく感じられた。

色は透明感のある黄金色

前半のラガーらしい爽快感もあって食事と合わせたくなる表情と、後半の味わい深さを感じる表情、2つの顔を楽しめる新ジャンル。これは確かに、濃いめのラガーだ。

 

キリンビール『本麒麟』を飲んでみた!

2本目は、キリンビール(東京都)『本麒麟』(アルコール度数6%・350ml缶・実勢価格 税込133円・発売中)。2022年1月にリニューアルを行い、本製品初となるデコクション製法を導入することで力強いコクと飲みごたえを強化している。原料には、発泡酒(麦芽、 ホップ、 大麦、 コーン、 糖類)と 大麦スピリッツを使用。分類は「リキュール(発泡性)」となる。

同社比1.5倍の長期低温熟成

アルコール度数は6%。麦の香りはやや控えめ。アルコールの匂いもほぼなく、香りでのインパクトはない。

と油断していると、ひと口飲んだ瞬間にガツンと来る苦味。そしてスッと後に残らないキレの良さ。前評判通り、力強いコクと飲みごたえをいきなり感じさせてくれる。

正直、これが新ジャンルなのか? と疑いたくなるような力強さ。麦の風味はビールと比べると確かに感じにくいが、それを補ってあまりあるほどに濃い。香りよりもしっかりとした味を楽しみたい人におすすめだ。ナッツやちょっとしたおつまみと飲みたくなる1本。

 

アサヒビール『アサヒ ザ・リッチ』を飲んでみた!

最後はアサヒビール(東京都)『アサヒ ザ・リッチ』(アルコール度数6%・350ml缶・実勢価格 税込145円・発売中)。2021年11月にリニューアルを行い、副原料の配合の最適化や原麦汁エキス濃度を高める贅沢醸造により、厚みのあるコク深い味わいとなったという。原料には、発泡酒(麦芽、ホップ、大麦、米、コーン、スターチ)とスピリッツ(大麦) を使用。分類は「リキュール(発泡性)」となる。

アルコール度数は6%。鼻を近づけると、豊潤な麦の香り。新ジャンルとは思えない香り立ちの良さだ。

そしてひと口飲んでわかる、そのコク深さ。舌に触れた瞬間にグンと麦の旨みが広がり、すぐにコクがずーっと続いていく。苦みや雑味がときどき顔を見せ、複雑な味わいも感じられる。

後味に苦味が残らず、むしろほんのりと甘さを感じるのも印象的。麦の風味のおかげか、アルコール度数ほどの主張はなく、それでいて飲みごたえもばっちりだ。味の濃い食事と合わせるか、晩酌のお供にぴったりな一本。

 

みんな濃い! いずれもクオリティはアップしていた

サントリー、キリンビール、アサヒビールの濃いめ系新ジャンルを飲み比べて分かったのは、いずれもビールと遜色のない味わいになっているということ。飲みごたえ、風味、そして価格……ビールよりも新ジャンルのほうが好みという人もいておかしくないほどのクオリティだった。飲まず嫌いをしている人も、一度ためす価値があるはずだ。

 

全国のスーパー、コンビニで発売中。

 

※お酒は20歳になってから

 

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記者

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森脇 学

20代男性。工学系出身ライター。食品・工学・アニメ・漫画と幅広い知識を活かして執筆中。関東住まい。

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photo by 尹 哲郎

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