【優秀賞受賞】3種類をブレンドした世界が認めたジャパニーズウイスキー『キリン シングルグレーンウイスキー富士』

ビン底に秘密あり!

 

国際ウイスキーコンテストで優秀賞を受賞した『キリン シングルグレーンウイスキー富士』が、ついに一般向けに発売を開始。3種類のグレーンウイスキーのみをブレンドし、他にはない芳醇な果実香や甘味を表現したジャパニーズウイスキーだ。様々な香りや味が楽しめると人気の味わいを確かめてみた。

 

世界でも稀有な複数の原酒を製造するキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所。ウイスキーづくりの思想や精神を語る1本

ジャパニーズウイスキーが世界に認められ、大々的に注目を浴びたのがおおよそ10年ほど前。その上質な味わいがウイスキー業界に瞬く間に広まり、いつの間にかスコッチウイスキーやアメリカンウイスキーと並ぶ世界五大ウイスキーの1つとして認知されるようになった。

※今年4月から日本洋酒酒造組合がジャパニーズウイスキーの定義を制定

キリンビールの製造する「富士」も世界から評価を受けるウイスキーブランドの1つ。2016年、2017年、2019年に国際的ウイスキーコンテスト「ワールドウイスキーアワード」で、「ワールドベストグレーンウイスキー」を受賞した日本を代表するウイスキーだ。

※イギリスのウイスキー専門誌「ウイスキーマガジン」主催

そんな「富士」が作られているのは、モルトとグレーンウイスキー原酒の両方を製造できる世界でも希少な技術とノウハウを持ったキリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所。今回おためしするキリンディスティラリー(静岡県)『キリン シングルグレーンウイスキー富士』(アルコール分46%・700ml瓶・参考価格 税込約6,600円・2021年2月16日発売)は、同蒸留所の得意分野であるグレーンウイスキー原酒のみを使用したシングルグレーンウイスキーである。

同蒸留所で製造するバーボンタイプ・カナディアンタイプ・スコッチタイプの3種類のグレーンウイスキー原酒をブレンドして作られており、オレンジやグレープのような果実香が楽しめるという。元々限定的に販売されていたのだが、この度一般に発売されるようになった。

 

・グレーンウイスキーとモルトウイスキーの違い

そもそもグレーンウイスキーとは何かをご存知でない方も多いだろう。一言で説明するなら、トウモロコシ、小麦などの穀類を原料としたウイスキーのこと。広義ではバーボンウイスキーもその1つで、クセがなく、度数は高め、お手頃な価格で入手しやすいといった特徴を持っている。

 

対するモルトウイスキーは大麦麦芽を原料とするウイスキーのこと。スコッチウイスキーなどがこれに分類され、香りの強い個性のある味わいが特徴とされている。度数は低め、価格は高めのものが多い。

 

あっ、瓶底に美しき富士山の姿が!

味を確かめる前に、ウイスキーのもう1つの楽しみ方である瓶に注目してみよう。パッケージは色味を抑えたシンプルなデザイン。毛筆で書かれた富士の名前がとても印象的だ。そのほかにも英語表記の色は同蒸留所を囲む原生林を表す緑色が使われているなど、こだわりが詰め込まれている。

最大の特徴は、少し高めな瓶底にかたどられた富士山。真横から見ると山頂の平らな形状や複雑な山の起伏、片方の裾が広がった形状など、可能な限り再現されている。

見る角度によって色付き方が変わる

さらに、見る角度や方向などを変えると、ウイスキーの色が反射して朝焼け(夕焼け)のような色合いが楽しめるのも面白い。このこだわりは、「第17回ガラスびんアワード」において優秀賞を受賞するほど。飲み終わった後も捨てずに飾っておきたくなる特別な1本だ。

 

白ワインを思わせるフルーティな香り。甘さから苦味へ変化していく味わいが印象的

それではテイスティングといこう。まずは本来の味を確かめるべくストレートで。

 

香りはふわりと柔らかく、白ワインを連想させるような華やかさと甘味のある香りが印象的だ。ぶどうなんて使っていないのにとても不思議。スモーキーさは控えめ。

色は濃いめの褐色

口に含むと、柔らかい香りとは反対に刺激のあるスパイシーな味わいが広がる。アルコール度数の高さ(46%)以上にピリピリと舌がしびれるような辛口だ。

 

飲み続けていくと次第にその刺激にも慣れて、後ろに隠れているまったりとした甘味を感じられるようになる。後味も非常にすっきりとして、ふわりと広がる香味が楽しめるようになってきた。

ロックにすると香りが軽くなり、より軽快でフルーティーな印象に変化。口に含むとストレート以上に香りが広がっていく。スパイス感も相変わらず強いが、マイルドな口当たりとなって甘味を感じやすくなり、後半にかけてビターチョコレートのような苦味も感じられるようになった。

水割りはスパイス感が和らぎすっきりと飲みやすいが、香りなどが少し欠ける印象。『キリン シングルグレーンウイスキー富士』の良さを楽しむならロックがおすすめだ。

『キリン シングルグレーンウイスキー富士』は、キリンディスティラリーのノウハウとこだわりを惜しみなく注ぎ込んだ至高の1本と断言できるウイスキー。スパイシーな味わいと白ワインを思わせるフルーティな香味、そしてほんのりと感じる苦味など、複雑に変化していく味わいが印象的だ。

全国の飲食店および量販店で販売中。

 

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森脇 学

20代男性。工学系出身ライター。食品・工学・アニメ・漫画と幅広い知識を活かして執筆中。関東住まい。

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photo by 尹 哲郎

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