今までの醤油は一体何だったのか! 江戸伝統製法の『江戸造り醤油「玄蕃蔵・玄蕃蔵生」』で料理レベルアップ!

 

毎年、9月9日の重陽の節句に蔵出しするヒゲタ醬油『江戸造り醤油「玄蕃蔵・玄蕃蔵生」』は、江戸時代の醤油造りの技術を再現して作られた高級醤油。プロの料理人にも愛されている調味料だ。前回は成り立ちや背景について紹介したが、今回は実際に味を確かめてその魅力を探ってみよう。

※画像はすべて昨年の玄蕃蔵

 

選りすぐりの原料を厳選し、手間暇かけて作られた江戸造り醤油。ここだけの特別な味わいを確かめる

ヒゲタ醬油株式会社が約1年かけて製造する『江戸造り醤油「玄蕃蔵・玄蕃蔵生」』は、江戸時代の醤油作りの技術を再現して作られた限定醸造醤油。原材料には、富山県産の大豆「エンレイ」、北海道産の小麦「春よ恋」、香川県産「瀬讃の塩」などが使われ、仕込みから蔵出しまで手間暇をかけて作られている。

外箱からは江戸を思わせる古風なデザイン

その工程は非常に細かく分かれており、11月に仕込みを開始すると、1月7日の人日の節句に初櫂入れ式を行い発酵を促進。3月3日の上巳の節句では諸味改め式にて諸味の熟成状態の確認を行う。

さらに端午の節句である5月5日には、諸味奉納式を行い高部神社の例大祭にて諸味を奉納。7月7日の七夕の節句には、秘伝極めの式を行い、創業当時から引き継がれる秘伝の技法によって熟成を最終段階へと移行。そして、約10か月後の9月9日の重陽の節句に晴れて蔵出しがされる。

 

これらの各工程は全て式典として扱われ、多くの人が参加して行われているというから驚き。一般的な醤油も手間暇はかけられているが、ここまで大々的には行われていないだろう。

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江戸時代の伝統製法を再現して作られた『江戸造り醤油「玄蕃蔵・玄蕃蔵生」』を味わい、その魅力を確かめてみよう。今回使用するのは2018年9月9日に蔵出しされたものである。

 

「玄蕃蔵」(450ml・希望小売価格 税抜2000円・2019年9月9日発売・7月31日まで予約受付)

まずは江戸時代の伝統製法にこだわって仕上げられた「玄蕃蔵」から。発酵~熟成がすすみ搾り出された醤油に加熱により火を入れた昔ながらの味わいで、つけ、かけに、煮物、焼き物など幅広い食材・料理に使われている。

江戸造りと言っても容器は近年の技術を駆使した密閉ボトルを使用。そのため、かけたい量をかけたい場所に使えるのが嬉しい。時間がたっても酸化しづらく、蔵出しから時間が経っても伝統の味を損ねることなく楽しめる。

今回は味をストレートに感じるために、豆腐にかけていただこう。

大さじ1(15ml)あたりのエネルギーは18kcal、食塩相当量2.2g

ツーっとかけると分かるその香ばしさ。芯のある強い香りが鼻孔を刺激し、その濃厚さを漂わせる。

口に入れると期待通り、豆腐の水気に負けないほどの濃厚な味わいが口中に広がっていく。記者が普段使っている醤油と比べるとその差は明らかで、塩分や旨味の深みがしっかりと感じられる。

特に気になったのは風味の良さ。鼻を抜ける香りが醤油の中のあらゆる原料を想起させるような複雑な印象を与えてくれた。

味のしっかりした食品や赤身のお刺身などとの相性が良さそうだ。

 

「玄蕃蔵生」(450ml・希望小売価格 税抜2000円・2019年9月9日発売・7月31日まで予約受付)

次は、江戸造りの製法と最新の技術を融合させた「玄蕃蔵生」。搾り出された醤油は、一般的に殺菌を主な目的とした火入れが行われる。

しかし、近代技術によりろ過をすることで微生物を除去できるようになり、火入れされていない生の醤油を作り出すことができるようになった。

生醤油は劣化も早く、密閉ボトルを使うことで日持ちもするようになり、家庭でも手軽に味わえるようになった

火入れした醤油よりも香りが穏やかで色合いも明るく、全体的にマイルドなのが特徴だ。「玄蕃蔵生」もそういった特徴があり、火入れをした「玄蕃蔵」と比べると、香りは角が取れた丸い印象を受ける。

大さじ1(15ml)あたりのエネルギーは18kcal、食塩相当量2.2g

こちらも豆腐にかけて味を確かめる。同じく密閉ボトルなので使い勝手は非常に良い。色が明るい分、多めにかけそうになるが適量に調整。それではいただきます。

「玄蕃蔵」と比べるとかなり控えめな醤油という印象。決して主張をせず、素材の味と一体化するように馴染んでいく繊細な味わいだ。

左:「玄蕃蔵」、右:「玄蕃蔵生」。並べてみると色が明るめ

口あたりが非常に柔らかいので、おひたしや白身の刺身、新鮮な食材などの繊細な料理との相性が良さそう。

生醤油の面白い点は、家で火入れをするとガラリと表情が変わること。熱を加えると香り立ち、それまでとは全く違う風味に変化する。

記者も試してみたが、優しくまろやかな味から「玄蕃蔵」以上の濃厚な味へと変化した。火入れ前とは全く違うので、少しずつ加えながら好みの味を探り当ててみてほしい。

 

予約は7/31締切。予約販売のみの特別限定醸造醤油

店頭には並ばない、予約でのみ手に入る特別限定醸造醤油『江戸造り醤油「玄蕃蔵・玄蕃蔵生」』。その味わいは普段の料理を数段上のランクに引き上げてくれること間違いなしだ。予約はAmazon、Yahoo!ショッピングにて受付中。2019年7月31日締め切りなのでお早めに。

 

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森脇 学

20代男性。工学系出身ライター。食品・工学・アニメ・漫画と幅広い知識を活かして執筆中。関東住まい。

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photo by 尹 哲郎

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