プロのハンドドリップ再現を目指した、無印良品『豆から挽けるコーヒーメーカー』の実力を珈琲好きが検証!

それでは実際に『豆から挽けるコーヒーメーカー』を使ってコーヒーを淹れてみよう

コーヒー豆を挽いて、そのままドリップするということのできる『豆から挽けるコーヒーメーカー』ではあるが、もちろんコーヒーの粉をそのまま抽出することも可能。状態を確認したい人のために、豆を挽くだけというモードもある。


また朝などの忙しい時のために、豆と水と紙フィルターをセットしておけば、タイマー機能でコーヒーの香りとともに目覚めることも可能だ。


豆の挽き方は5段階に調整可能。

今回はまず、完熟豆を使用した無印良品の『Café&Meal MUJI オリジナルブレンドコーヒー豆』(200g・希望小売価格 税込990円・発売中)で作ってみることにする。

グアテマラ(サン・ミゲル農園)、タイ(ドイトゥン・プロジェクト)、コロンビア(フェダール農園)という組み合わせのブレンド。すっきりとした後味の酸味系のようだが、実際はどうだろうか。

 

ひと通り洗えるところは洗った後、パーツをセットし直し、紙フィルターをセット。水も入れておく。付属の計量カップのメモリには、RICH(濃いめ)とMILD(薄め)で水量を選ぶようになっている。


まずは上部のミル部分へ豆を投入。事前に豆をかじってみると爽やかでフルーティーなコーヒーが仕上がりそうな味わいだった。そしてミルダイヤル5段階で挽き上がりの細かさをセレクト。下に行くにしたがって細かくなる。通常の豆では下から2番目の「中細挽き」が推奨だが、『Café&Meal MUJI オリジナルブレンドコーヒー豆』は3番目の中挽きが推奨だそう。


その後は前面のコントロールパネルでの操作。電源ボタンを押して起動、カップ数をセレクトして、豆からボタン(粉からボタンもあり)を選ぶことによって、パネルの液晶が点滅し、動作が開始する。点滅が停止したら終了だ。このパネル操作の流れが今ひとつ直感性に欠けるので、慣れるまでは面倒に感じるかもしれない。


ミルの音は抑えめにはなっているが、さすがに集合住宅で深夜に使用するのは幾分気がひけるかも。ドリップ時にはかぐわしい香りが広がって、期待度が高まる。そしていよいよ出来上がり。味の方はどうだろうか。

すっきりとした雑味のなさを求める人に最適な高品質なコーヒーが出来上がる!


もちろん使うコーヒー豆によって味は左右されるわけだが、実際に飲んでみると雑味のないフルーティーさが前面に出たコーヒーが出来上がった。なるほど、フルーツとしてのコーヒーという概念で行けば、これは正解なのかもしれない。


念のため違う豆でハンドミルを使って抽出だけを『豆から挽けるコーヒーメーカー』に任せて比べてみた。

ちなみに抽出後の粉を比較してみたが、均等な大きさになりやすいというフラットカッターミルの特徴は目視することはできなかった。ただ粉々というよりもグシャッと潰した感のあるフォルムが違う。削っている感のあるハンドミルや、粉々に粉砕するプロペラ式電動ミルとは形状がかなり違う。


では苦味系主体の豆構成のブレンドでも試してみよう。普段は苦みばしった感覚のコーヒーに仕上がる我が家の定番だ。普段の記者の好みは苦くて酸味が膨らみを与えつつ、ガツンと来て目が醒めるようなタイプ。さて『豆から挽けるコーヒーメーカー』だとどうなるのだろう。


驚いた。そうした豆を使用しても、フルーティーですっきりとした雑味のない味わいに仕上がった。ミル設定は5段階あるが、最高でも仕上がりは若干粗めなのは、目指している雑味の無さによるものか。なるほどすっきりとして、隠れていた酸味が際立ち、これまでガツン感と感じていたのが雑味だったことがわかるクリーンな仕上がりに。同じコーヒー豆でここまで変わってくるとは。

 

そうしたおためし課程から導き出された結論。『豆から挽けるコーヒーメーカー』は、コーヒーはなるべく雑味なくすっきりとした味わいで楽しみたい人のためのものであるということ。ギリギリっと苦味を感じたいハードボイルドな印象をコーヒーに求める人には合わないかもしれないが、果実としてのコーヒー豆の味わいを爽やかに味わいたい人ならおすすめだと思った。

ただあえていうならミル部分のお手入れが少々面倒。この状態でも粉は出るが、さらに中から主導の鉛筆削り状のフラットミルが出てくる。付属のブラシが小さいこともあり、この掃除が結構な手間。粉をかき出しても、なかなかにキリがない作業になりがち。メンテナンス性は高いとは言えないが、きちんと掃除しないとせっかくの持ち味の雑味のなさに影響しそうなので、きっちりきれいにしたい。

 

 

ただコーヒーメーカーとしては高価ではあるけれど、高価格帯のフラットカッターミル搭載なので決してむやみに高いわけではないことを考慮に入れて購入を決断したい。購入は無印良品各店舗及び無印良品ネットストアで可能だが、ネットストアの方は2017年3月末現在、売り切れ。ただ販売再開時は同ページで発表されるそうなので、欲しい人は気にしておきたい。


【スペック】
重量/サイズ 4.4kg/W14.5×D28.5×H34.5cm
容量 520ml
型名 MJ-CM1
材質 PP、ステンレス
機能 フラットカッターミル方式、タイマー機能
付属品 お手入れブラシ/計量カップ

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイトはこちら

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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