『明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース』バレンタイン直前、まさかのリニューアル再販の狙いは?

2016年に発売されて話題騒然となった明星食品『一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース』。当コラムでも、その“キワモノ”焼そばについてレポートしたが、実際には決して美味いとはいえない商品で「どうしてこんなものを……」という印象を受けた。そんな衝撃作が、なんとリニューアルで再発売されるというから驚きを隠せない。そんな賛否両論ある(ほとんど否だが)前作を超えることができたのか? 今年も懲りずに食べてみる。

焼そばからココアの香りがして食欲を減衰させる…!?

明星食品というのは本当に“攻める”メーカーである。つい先日(とは言え昨年末だが)は『明星 一平ちゃん夜店の焼そば ショートケーキ味』を発売し、これまた非常に微妙な評価を受けたばかり。

 

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そして、味をしめたのか懲りないのか、このほど『明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース』(108gうち麺90g・希望小売価格 税抜180円・2017年1月9日発売)が全国で期間限定発売を開始した。

ま、まあね。考えようによっては、カップ焼きそばの麺も小麦粉が主原料。つまり、これは「チョコクレープなんだ」と言い聞かせるつもりで成分表示を見る。ソースの欄に「ビーフエキス」「マンゴーチャツネ」「香辛料」……。おいおい、またもソースは普通のウスターソースかいっ! 嫌な予感がひしひしと伝わってくる。

発売時期を考えれば、これはまあ当然なのだがチョコと言えばバレンタインデー。パッケージには「一言MESSAGE」なる記入欄が印刷されている。これを本命チョコでもらったなら、その女の子のセンスを疑うことになるだろう。

 

そして、この「一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース」最大の謎が、「あとのせかやく」として封入されている「謎チョコキューブ」である。謎って言っちゃってるんだもん……。

これである。ブロックチョコを砕いただけのような感じだが、ココアパウダーと糖類が主原料で、サクサクした食感だ。

 

では、実食レポート開始!

リニューアルの目玉は、昨年は通常の「一平ちゃん」の麺を使用していたが、今回はご丁寧に麺にココアパウダーを練り込んだという念の入れよう。お湯を注ぐと、ココアの香りが焼そばの麺から漂ってくるという非常にシュールな空間ができあがる。

さて、3分が経過し、麺にソースをかける。このソース、ウスターだろうと思っていたが、ちょっと舐めてみるとしょっぱさの中にほんのりとチョコっぽい風味があり、甘い。徹底している。

そしてチョコソースをかけ、麺としっかり絡める。これは普通のチョコソースで、パンケーキにかければ美味しいだろうなと思う。間違っても焼きそばなどにかけてはいけない物だ。

謎のチョコキューブを乗せれば完成。しつこいようだが、これは「カップ焼きそば」である。なんだこれ……。

 

口に入れると、焼きそばソースの味にチョコレートやらココアやらの味と香りが混ざり合い、なんだか不思議な気分になる。全体的に甘いが、その奥にほんのりとしょっぱいソースの風味を感じる。でも、別にそれが味の奥行きを出しているというわけではない。一応食べられなくはないが、今回も美味しいという評価は決して下せない。記者の好みから言えば、美味しくない部類に入る。

まとめ:オリジナルへの誘導としての“キワモノ”の役割

こういった定番商品の亜種として“キワモノ”商品をメーカーが開発・発売する意図は、最後には定番商品へ回帰させるという狙いがあると想像できる。簡単に言えば「うわっ、一平ちゃんチョコソースってなんだよ」→「面白そうだから買ってみる」→「やっぱり不味いじゃん」→「ダメだ、普通の一平ちゃんを食べよう」ということ。

 

こういったマーケティングを行なうことで、主力商品の売上げが通常時よりもアップするのではないかと思う。その意味では、亜種のインパクトが強ければ強いほど反動も大きくなるのではないか。しかもバレンタインデーというタイミングも相まって、話題になることは間違いない。話題になれば、それなりに賛否の意見が発生する。実際、まわりからも「怖いけど、気になる。食べてみたい」という証言を得ている。

 

ちなみに、この『明星 一平ちゃん夜店の焼そば チョコソース』に関しては、記者は食べられなくもないけど美味しいものではないという結論にまとめておく。

 

オススメ度:(ピンときたら、どうぞ)
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タック二階堂

40代男性。東京都出身。本業である取材ライターの傍ら“ボカロP”としても活動。著書に『「ボカロP」になる本』(工学社)がある。

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