『ベビースターラーメンBIGチキン味』中高年にとっては郷愁あふれる”お湯を入れる方の”ベビースター!

駄菓子出身のラーメンスナックとして1971年の誕生より愛され続けている「ベビースターラーメン」。そのカップ麺バージョンのビッグサイズ『ベビースターラーメンBIGチキン味』が発売となった。

昭和の子供たちが愛したあの懐かしい味がついに事実上の全国発売に!

その前身商品は1950年代にすでに登場していた昭和の時代を代表する駄菓子「ベビースターラーメン」。三重県の松田産業(現・おやつカンパニー)が1971年に生み出したこの駄菓子は1988年にメインキャラクターを中華な顔立ちのベビーちゃんから現行のベイちゃんに切り替えたあたりから一般定番菓子として君臨。現在では東京下町のもんじゃ焼きに欠かせないトッピングとしても活躍している。

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登場当初は駄菓子屋で購入できるラーメン味ということで大好評を呼んだBSR。当時の子供たちは普通にポリポリと食べてはいたのだが、やはりそこはラーメンと名がつく商品。一応念のためお湯を入れてみて味の薄さに愕然とするというあるある行動をしていた。

 

そのうち本家から1978年に「ベビースターミニカップラーメン」が登場し、全国発売に。当初はラーメンだけれども短く切られた麺という不思議な形で度肝を抜き、そのうち普通のカップ麺的な麺に変更。駄菓子屋でお湯を入れてもらって気軽に味わえることから大人気を博した。

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ただ現行の「ベビースターラーメン」のカップ麺バージョンのメインを張っているのは1993年誕生の「ブタメン」。「ベビースターミニカップラーメン」は細々と生産はされているようだが、ほとんど見かけないのが現状だ。「ブタメン」は「ブタメン」で美味しいのだが、昭和に子供時代を過ごしていた人にとってはやはり…。ということでこのエースコック『ベビースターラーメンBIGチキン味』(85gうち麺78g・希望小売価格 税抜175円・2016年10月10日発売)の登場。

 

セブン&アイグループ限定とはいえ、事実上の全国発売ということで非常に手に入りやすいものとして登場した。

 

「ベビースターラーメン」にお湯をかけてしまった時の残念感もどこかに隠しつつ…

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縦型カップ麺スタイルで登場した『ベビースターラーメンBIGチキン味』はやはり大型。フタをめくると中には「ベビースターラーメン」とは違い角刃仕上げの中華油揚げ麺が入っている。目立つのはやはりナルト役のかまぼこ。ベイちゃんの顔が描かれていて、インパクトが大きい。

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その他にはふんわり卵と鶏肉そぼろ、ネギがかやくとして入っている。湯戻し時間は3分間。お湯を入れた瞬間に少々スパイシーな「ベビースターラーメン」の香りが立ち上る。

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仕上がりはクタッとした麺にベイちゃんが散らばった状態。立ち上る湯気が「ベビースターラーメン」。さあ、それでは食べてみよう。まずはスープから。なるほど、確かに「ベビースターラーメン」の味が基本にあって、カップ麺に近づけるために工夫がされた味わい。

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麺を食べるとツルツルっとする最近のカップ麺とは違い、持ったりした印象の味わい。そしてどことなくポソポソ感が付きまとう。これは…、お湯を入れてしまった時の残念な「ベビースターラーメン」の感覚ではないか。これは楽しい。シンプルなチキン味なのにほんわりとする。カップ麺としての味わいを極めるのではなく、ちゃんと残念感も残しつつのアレンジ。かつて幼い頃に感じた愕然とした思いをどこかに感じさせるところは中高年キラー。

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カップ麺としては、とても美味しい部類に入るかというと微妙。あくまで郷愁というスパイスをかけて味わうことによってマジックが生まれるタイプの美味しさ。グルメ漫画「美味しんぼ」(原作:雁屋哲 作画:花咲アキラ)でも、幼い頃に味わった味に勝てる味はないというエピソードがあったが、郷愁は強力なうまみを引き出す最高のスパイスである。

 

したがって「ベビースターラーメン」に思い入れがある人にのみおすすめできる商品だと感じた。

 

 

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイトはこちら

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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