『レノア本格消臭』梅雨時などの部屋干しで発生するイヤな生乾き臭を完全無臭化できるというのは本当か、検証!

ファブリーズとの共同開発で2004年に生まれた消臭に特化した柔軟剤シリーズの「レノア」。その10年以上にわたる技術の結晶として完全無臭化を実現したと話題なのが『レノア本格消臭』。折しも梅雨時、部屋干し・生乾きの臭いが気になる時期なので、旧製品とともに3製品を検証してみた。

本来は衣類を柔らかくする役目だったはずなのに…

そもそもを考えれば柔軟剤はソフターや衣類のリンスとも呼ばれ、洗濯後の衣類をふわふわと柔らかくするのが役目だった。ところが近年は消臭と香り付けという余計な役目を背負わされるようになり、いろいろ大変な状況である。別途ビーズなどを投入した強力な香り付けは職場のハラスメントの一つとして問題になったくらい。

 

そんな中、梅雨時や住宅事情的に部屋干しをせざるをえない状況も近年は増えている。そうなると問題になってくるのは、特有の生乾きの臭いだ。ぞうきん臭とも呼ばれるその悪臭は、せっかく洗濯しても台無しなので、大問題。

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生乾き臭の発生原因は、乾燥時間にある。濡れたままの洗濯物は雑菌が繁殖しやすい。外で天日干しにすれば太陽と風のおかげで自然と乾燥スピードが速くなるので、生乾き臭は起こりにくい。一方部屋干しをした場合はどうしても空気が動かない、太陽などの熱もないということで、雑菌が繁殖するための時間を豊富に与えてしまうことになる。

 

対策としては除湿機を使う、エアコンのドライモードを使う、扇風機やサーキュレーターの風を当てるという手もあるが、どれもそれなりにコストがかかってしまう。特に扇風機は安価なACモーター採用のものだと、エアコンよりも消費電力が多いということにもなりがち。扇風機を使うならDCモーター採用の機種に絞るべきだ。

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そういう背景の中、一番手軽なのは普段使用している柔軟剤を防臭対策の製品に変えることである。抗菌などとうたっていたりするものは、皆こうした生乾き臭対策製品。香りでごまかすという手もあるが、それは反則だろうというのが「レノア」の言い分。

 

そこで進化してきたのが「レノアプラス」で、最終バージョンでは自然由来のユーカリエッセンスを配合してそれなりの防臭効果を実現してきたのだが、それでは足りぬとばかりにプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン(P&G)が化学的消臭法による無臭化技術を採用、4月に市場に投入したのが『レノア本格消臭』(580ml・実勢価格 税込282円・2016年4月発売)である。

 

今回はそんな無臭化技術の真価を検証すべく、『レノア本格消臭』と同シリーズでスポーツの汗臭対策に特化して最強消臭を謳う『レノア本格消臭SPORTS』(550ml・実勢価格 税込348円・2016年4月発売)と、リニューアル前の『レノアプラス』の3製品を比較してみた。

 

■『レノアプラス』
(2009年発売※終売)

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すでにリニューアル後のため、詰替用しか入手できなかったが、消臭効果アップを検証するために使用してみた。香りはフレッシュグリーンで、抗菌効果と花粉ガード効果もある。パッケージに大きく書かれているのは「速乾で防臭」の文字。生乾き臭=乾燥速度という公式を知っている人にはなるほどだが、知らない人にはピンと来ないかも。

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成分はエステル型ジアルキルアンモニウム塩という界面活性剤と安定化剤。自然由来のユーカリエッセンスを配合して、加齢臭、汗臭、タバコ臭を防ぐというのが売りだった。これはこれで評判の高かった製品で、ほのかなグリーン臭は強い柔軟剤になれた人には物足りないかもしれないが、男性などには安心の香り立ちであった。

 

それでは実際に洗濯してみよう。柔軟剤適用後の香りは爽やかなグリーンの風のようで心地よい。では部屋干しをしてみる。午前10時に干して夜8時に乾燥終了。同じ室内でエアコンの軽い送風は使用したが、基本的に風は当てていない。

 

さすがに天日干しのようなパキッとした乾きぶりではないが、ふんわり仕上がった。匂いを嗅ぐ。爽やかなグリーン臭以外、これといって生乾き臭は感じない。リニューアル前の製品だというのに、生乾き対策はかなり万全。洗濯物中心部に干していたタオルが若干遠くで生乾き臭がするような気がするが、香りでごまかされて(?)正直はっきりしない程度。それではこの結果を踏まえて、いよいよ”本格消臭”の検証だ。