『オリレバー』お年寄りでも安心して自動車の乗り降りができる便利ツールを使って検証!

誰でも年は取る。お年寄りにとって、最も怖いのは「転倒による骨折」だとも言われている。高齢化社会が進み、お年寄りが活動的になって、車で出かけることも多い現代、その車の乗り降りに危険が潜んでいることもある。『オリレバー』は、安全な車の乗降を可能にするサポートツール。その性能や使い勝手を検証した。

平常時は車の乗り降りをサポートし、緊急時はフロントガラスも割ることが可能

実は、自動車から降りる行動は意外と筋力が必要。特に車高の低い車だと、降りるために腹筋をかなり使ったりする。そして、車の乗降では手を置く場所に迷い、バランスを崩して転倒しかねない。これが高齢者だと、骨折など大きな事故につながりかねないから注意が必要となる。

 

有限会社ドリームチーム(神奈川県横浜市)のスマートライフ研究所は、そんな車の乗降時のバランスを確保するためのサポートツール『オリレバー』(長さ225×幅100×厚み35mm/350g・希望小売価格 税抜3,480円・発売中)を発売した。自動車内に常備でき、ドアストライカー(ドアを受ける金具)に挿すだけで、簡易的な手すりとして機能する。主に足腰が弱くなっている高齢者に向けた安全で快適な車の乗り降りをサポートするグッズで、多くの車種に適合するフリーサイズ設計となっている。

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年をとるとバランス感覚が低下し、思わぬことで転倒してしまうこともある。さらに筋力の低下によって、転倒するリスクは4倍以上にも跳ね上がると言われている。もちろん、身体を鍛えて筋力が落ちる速度を遅くする努力は必要だろうが、人間である以上は老化には抗うことができないのは事実。であれば、日常生活の行動などを見直して、転倒に対するリスクを少しでも減らしておくといった事が必要になる。

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この『オリレバー』は、基本的に2つのパートに分かれている。商品先端部にはアルミ合金製の差込部があり、これを車のドアを受ける部分にあるドアストライカーと呼ばれる金具に挿し込んで使う。そして、持ち手の上部には「シートベルトカッター」があり、これで緊急時にはシートベルトを切って車外へ脱出するといった用途がある。なお、差込部は緊急時にはフロントガラスなどを割ることが可能で、かなり頑丈にできている。

 

では、さっそく『オリレバー』を使ってみよう。

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車から降りるため、ドアストライカーに差込部を挿入。形状が研究されており、キチッとはまればグラグラ動くことはない。安心して体重をかけることができた。

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降りる瞬間、左手で『オリレバー』をつかむだけで、驚くほど脚と腹筋への負担が軽減する。だからと言って、腕に負担がかかるかというと、そうでもないのだ。

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まだ高齢者という年齢ではない(と思う)記者でも、これは非常に楽に車の乗り降りができる実感を得た。さらに右手をドアに添えれば、お年寄りならどれだけ安全で楽に車から降りられるか、計り知れない。

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なお、乗車の際は『オリレバー』の差込部をドアストライカーに垂直に挿入すると良いだろう。この場合は、右手をしっかり握れば楽に車へ乗り込むことができる。

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サイズ的にも、それほど邪魔になる大きさではないので、自動車のドアの内側に常備しておける。そして、その常備が緊急時に重要になるのだ。

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たいへん申しわけないが、記者の車は輸入車なのでフロントガラスやサイドガラスを検証のために割ってしまったり、シートベルトを切ってしまうと、バカにならない修理代がかかってしまうので、あくまでイメージで。差込部と持ち手が程よい重量バランスで、それほど力を込めずとも自動車のガラスを割ることは容易だろう。そして、シートベルトカッターはステンレス製の鋭利な刃で、試しに髪を切ってみたが切れ味は抜群だった。でも、そんな鋭利な刃物は危険ではないのか?

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ご安心あれ。シートベルトが入る程度の幅しかないので、比較的華奢な記者の親指でもカッターの刃まで届くことはなかった。これは非常に安心できる設計だ。

 

まとめ:車1台にひとつ、転ばぬ先の杖ならぬ『オリレバー』

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『オリレバー』は車1台にひとつ、積んでおくべき便利グッズだ。お年寄りがいるファミリーなら言うまでもなく、若いファミリーでも「もしも」のために常備しておきたい。「でも、乗り降りの際にいちいち抜き挿しするのは面倒ではないか?」という疑問もありそうだが、決してそんなことはない。なぜなら、ドアストライカーに簡単に挿せ、固定するのに時間を取らないからだ。サッと取り出して使えるからこそ、常備する価値がある。ただ、ひとつだけ記者からお願いがある。これはフロントガラスを割れるだけの能力があるため、じゅうぶん凶器として成立する。人に向けて振り回したり、振り下ろしたりしたら……。そういう使い方だけは、絶対にしないように。

 

オススメ度:(買っても損はない)
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タック二階堂

40代男性。東京都出身。本業である取材ライターの傍ら“ボカロP”としても活動。著書に『「ボカロP」になる本』(工学社)がある。

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