『Dyson Supersonic ヘアードライヤー』約5万円の高級ドライヤー、果たしてそれだけの価値があるか徹底検証

問題の風量。横殴りの暴風のような強力パワーで速乾スタイリングが可能!

とにかく使ってみることにする。軽く感じるわけはその構造にある。通常のドライヤーは吹き出し口のヘッド部分に各種部品が詰め込まれており、それを細い持ち手で持つことによりぐらつき、実際の重量より重く感じるもの。特に乾かす時にヘッドを揺らす人はこれが結構きつい。ところが『Dyson Supersonic ヘアードライヤー』は持ち手の部分に部品が詰め込まれている分、安定性がすごく良いのだ。

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つまり頭でっかちにならない分、手に重く感じないというわけだ。これは発想の勝利。素晴らしい。吸気口も持ち手の下部にあるのが面白い。だがこれ、記者はドライヤーを使うとき持ち手の下の方を持つ癖があるので、たまに吸気口部分をふさいでしまって手が吸い付くという憂き目にあった。慣れの問題だとは思うが。ちなみにこの部分は取り外して手入れができる。

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スイッチ類は持ち手部分にオン・オフ機能に瞬間的に温度を下げるコールドショットボタンがつく。温度調整は78℃/62℃/45℃/28℃の4段階切替。最近のドライヤーは頭皮をいたわる60℃程度の「スカルプモード搭載!」が流行だが、あえて62℃を「標準」モードにしているだけでアピールはない。風速は3段階調整が可能だ。それではスイッチオンで最強モードにしてみよう。

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これは驚いた。まさに爆風、暴風。高速道路でウィンドウを開けてしまった時のような、台風時に身の危険を感じるレベルの風量が襲いかかる。数値でいうと2.4m³/分とのこと。計測方法がメーカーごとに違うという現状があるので厳密に数値がどうとは言い難いが、その腰の入った風圧は本物。一般的に大風量と言われるモデルを今まで使ってきた記者だが、確かにこれは強力。ノズルをつけずに風量を味わうともう暴力的でさえある。

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なので髪を乾かすという用途なら、家庭用大風量モデルを使っている人でも倍速で乾く。非力なドライヤーを使っている人ならその効果はもう絶大だろう。洗濯物は風の強い日によく乾くが、髪の毛も同様なのだ。ちなみに内蔵されているモーターは11万回転なのだそうだが、もうほとんど想像がつかないスピード。

 

ただ使っていて、おや? と思ったのは熱さ。通常はドライヤーというのは熱風発生装置であり、火傷しそうな熱さを手のフットワークでかわしながら乾かしていくものという認識があったのだが、風がぬるく感じたのだ。確かに風はすごいのだが、熱は大したことがない。焦がす寸前の熱を与えてすかさず冷風に切り替えて瞬時に冷ましてスタイリングという手法を取っている人だと一瞬どうしていいかわからなくなるかもしれない。

 

ただこれ、ダイソンが髪を傷ませないために温風を毎秒20回ペースで検知して安全な温度に保っているための仕様らしい。78℃以上になるとスッと温度を下げて、髪に優しい温度をキープしているんだとか。なるほど、そう言われれば確かに過度の熱風はダメージになるわけで、良いことなのだろう。ただ熱が上がりすぎない機構は大抵のドライヤーについている機能なので特筆すべき機能ではないが、それを78℃という控えめな温度にしたところが主張か。

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あと地味に便利なのは交換ノズルが二重構造になっていて熱くならないこと。そして使用しながら気軽に取り替えることができるマグネット着脱式なところ。きっとメーカーは推奨しないだろうが、使用しながら電源を切らずにノズルを付け替えるという、普通のドライヤーなら火傷しそうなことも可能なのだ。