『アサヒ ザ・ドリーム』アサヒ起死回生を図る7年ぶりの定番ライン・ビール、その味わいはいかに!?
アサヒビールといえば「スーパードライ」だが近年は伸び悩みが指摘されていたのも事実。そこに投入する起死回生を賭けて臨む7年ぶりの定番ライン・ビールがこの『アサヒ ザ・ドリーム』だ。さて、不調を一気に吹き飛ばすほどの味わいがここにあるのだろうか。
主力ビールブランドながら糖質50%オフという夢のビール!
アサヒビールの復権をかけて、CMキャラクターに五郎丸歩を起用して気合いたっぷりに展開を開始した『アサヒ ザ・ドリーム』(350ml・想定小売価格 税抜225円・2016年3月23日発売)。大手ビールメーカーとしては、主力ラインナップで糖質50%オフを謳うのは初。もしこれで味が良ければ、まさに夢のビールの誕生だろう。
カロリーオフも大切だが、近年のメタボリックシンドローム・シーンにて問題になるのは糖質。糖質制限ダイエットは居酒屋メニューが理想とされることからいわゆる”おやじダイエット“に最適とされるが、そこで問題となるのは糖質量の多いビール断ち。焼酎やウィスキーは許されるのが糖質制限ダイエットなので、酒好きでも始めやすいと評判だが、ビール好きにとっては結構致命的な問題がそこにはあった。
そんな中、この糖質50%オフの『アサヒ ザ・ドリーム』である。多くの糖質カットビールが味の面で役不足が多い中、満を持してのメインラインナップでのオフ展開。これは夢を抱かずにはいれない。
期待たっぷりにプルタブを落としてみると、香り立つのは爽やかなホップ。ごくごくわずかだが、糖質オフタイプにありがちな酸味も少しは感じる。グラスに注いでみると泡立ちはたっぷりだが泡足が速くて割とすぐめに消えていくところが少々通常ビールとは違う。
原材料は麦芽とホップとスターチのみで甘味料などの追加は無し。麦芽の使用比率を20%アップさせて酵母の発酵度もアップしたことでコクを生み出しているというが…。
グビリと飲んでみると爽やかなホップの香りと水の味。コクは確かにあるけれど、そんなに濃い感じではなく、「スーパードライ」よりは強いけれど深いコクと言い切るのはどうか。あとまだ夏ではないので、水感が強く感じる。炎天下の下なら気にならないかもしれないが、室内でじっくり飲むとちょっと水っぽく感じてしまうかも。
キレに関しては上等。ビシッとしたキレ感は「スーパードライ」並み。ただ味わいがあるかというとやはり弱い。ただこれで糖質50%オフかと思うと、かなり頑張っていると思った。定番ラインならこれからマイナーバージョンアップも期待できるし、スタートラインとしては上々なのではないか。
グラスに注ぐと水色は淡いゴールド。アルコール度数は5%なのでグビグビいけばそれなりに酔ってくる。
まとめ:じっくり飲むには不向きだが、渇きを癒すにはいい。何より特筆すべきは糖質50%オフ!
メタボじゃない人にとっては積極的に既存のビールをリプレイスするほどの魅力はないと思う。しかし糖質制限をしている人にとっては選択肢が増えるので喜びだろう。
食事は満遍なく対応できるオールラウンドタイプ。日頃から「スーパードライ」で満足している人にアピールする味わいだと思ったが、そのシェアを奪うのではビール全体のシェアを奪還することにはならないと思うので、今後の展開に期待したい。