冷蔵庫2015年モデル検証シリーズ④〜東芝 FMシリーズ・華紬『GR-J610FM』王道保守の裏に職人技術 編!

あえてパーシャルを選ばずチルド室一本に絞った潔さ

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世の中では「パーシャル」だの「氷点下」などかしましい。しかし東芝はそんなことなどどこ吹く風で、肉・魚を入れるチルド室はあくまでチルド室である(ツイン速鮮チルド)。ただチルド室内が2段になっているのは東芝の特徴だ。食材を重ねず収納できるのでよく冷えるし、整理もしやすい。

 

冷気を一気に当てて鮮度を保つ力は、2014年モデルと比べて2015年モデルは更に向上しているという。これも冷却器が2つで出力に余裕があるからこそなせる技。

 

東芝はあくまで食材を氷点下まで冷やす保存法には否定的な立場を貫いている。パーシャルよりチルドでの急速冷却の方が食材のおいしさをキープできるという考えに基づく質実剛健な判断である。

 

野菜室はルネキャットが大活躍して脱臭&鮮度維持

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野菜室は、ツイン冷却による高湿度・低温・温度安定という野菜の喜ぶ環境を作り出すことによって、鮮度維持を図っている。さらに光触媒(東芝マテリアルの登録商標:ルネキャット)を使用。その触媒によって野菜を傷める炭酸ガスとエチレンガスを分解、鮮度維持と共に脱臭するという徹底した対策がとられているのだ。

 

同様の触媒方式は日立も採用している。今回「おためし新商品ナビ」では比較実験までは行っていないが、日経新聞社の過去の調査において触媒型の野菜室が抜群の鮮度維持効果を発揮したという結果が出ているのでご参考まで。

 

LED二点照射でライトアップ、隅々まで明るく!

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冷蔵室内を照らす光は上からだけでなく、手前からも照射されているのも特徴的で、食材を美しく見せる工夫となっている。これは2014年モデルから搭載された機能で、ドア内側にライトが仕込まれていることで実現。2013年以前のモデルと比べて明るさは約1.6倍。食材がクッキリと見えて、目にも美味しいから調理意欲も揚がろうものだ。

 

まとめ:冷蔵庫の基本性能を極限まで高めた羊の皮を被った狼

派手さは無いが、冷蔵庫の基本機能を追求した東芝の冷蔵庫。もちろんトレンドも押さえており「電動オープン」「光触媒」「LEDライトアップ」などの機能も盛り込んでいるのだが、長年培ってきた質実剛健な基本機能の充実ゆえにシニア層に特に受けが良さそうだと感じた。

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デザイン面でも保守性を発揮。今回取材した最高級機種は「華紬(はなつむぎ)」というコンセプトで、表面のガラス材の奥には織物風のテクスチャーがあしらわれている。いわゆる和柄というのが珍しい。この質感は写真では表現できないレベルのものなので、店頭でぜひ確かめてほしい。

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またタッチ式操作パネルもシンプルなアイコンでとても分かりやすかった。機械の操作が苦手な人でも抵抗感のないオペレーションは実によくこなれている。これこそが”白物家電は東芝を買っておけば安心”という伝説を生んでいるのだろう。そんな軽い感覚で購入したとしてもきっと後悔することはない、そんな気がする。

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次回はシャープの最新冷蔵庫をご紹介しよう。

 

【スペック】
東芝『FMシリーズ・華紬 GR-J610FM』(フレンチドア)
(市場予想価格 税込約342,000円・2015年10月発売)
カラー シルキーブラウン
設置サイズ/重量 高さ1833 × 幅685 × 奥行745mm 122kg
容量 冷蔵室303L/冷凍室163L/野菜室139L
年間消費電力 210kWh/年
特徴① 同幅の設置スペースで容量増を可能にした「マジック大容量」
特徴② 東芝のみの使いやすさ「野菜室がまんなか」
特徴③ 鮮度長持ち「ツイン速鮮チルド」
特徴④ 光触媒(ルネキャット)が除菌・脱臭

 

オススメ度:(絶対におすすめ)
公式サイト:NR-F611WPV

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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