冷蔵庫2015年モデル検証シリーズ①〜日立『R-X7300F(ZT)』に漂う王者の風格編!

同じく10年以上前からの機能で、棚の高さを変えられる「かわるん棚」というのもあるが、これは棚を取り外してつけ直すものであり、ワンタッチで棚の高さが変わるわけではないので利便性は今ひとつ。

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また冷凍庫は積み重ねて入れると奥のものが忘れられてしまうものだが、これは3段に分かれているので視認性が良い。

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ちなみにここまで紹介した「電動扉」を除くすべての高機能が、内容量400リットル以上のファミリー向け売れ筋機種にもれなく搭載されているのは、単純にすごい。最新技術をフラッグシップモデルのみに限定しないところが、日立の視線が庶民を向いている証拠ではないだろうか。

 

もちろんアツアツのご飯を一気に凍らす急冷凍や、自動製氷もイマドキの冷蔵庫なので当たり前に付いている。日立の冷蔵庫はどれを購入してもフル装備というわけだ。

気になるランニングコスト、消費電力は?

日立の冷蔵庫は、業界で最低の年間消費電力量と胸を張るが、まあ、これは参考程度で良いと思われる。ここ数年、省エネ競争は行くところまで行った感があり、10年前の冷蔵庫に比べると、どのメーカーの冷蔵庫も半分以下の消費電力になっており、勝負は僅差。

 

もし10年ぶりに冷蔵庫を買い替えるなら、どのメーカーのものを買っても、月1,000円の電気代が500円くらいになると考えていい。あとはこれが450円になるのか、550円なのかというミニマムな話。これだとほとんど測定誤差の範囲内なので気にしすぎる必要はない。

まとめ:さすが業界の王者、後悔知らずのクオリティ!

というわけで、野菜と肉の鮮度維持を中心に、そつない仕上がりを見せてくれた日立の冷蔵庫。「どれを買えばいいかわからない」という人は、とりあえず日立を買っておけば、後悔することは無いかもしれない。なにせ、日本の家庭10軒のうち4軒は日立の大容量冷蔵庫を使っているのだ。

 

日立は業界の王者らしく、これまでも様々なムーブメントを生み出してきた。たとえば最近の冷蔵庫で主流になっている美しいガラス扉も、2008年から日立が先駆けて搭載したデザインであり、今や日立のラインアップでも、中級以上の機種のほとんどに搭載されている。さらに、卵をまとめて入れてケースごと取り出せる「フリー卵ケース」も地味ながら日立の発明というのを知っていただろうか。

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もちろんそうした王道テイストを全面に打ち出したものであるがゆえに、”優等生すぎる”日立の冷蔵庫に面白みを感じない人もいるだろうこともわかる。実際に他メーカーも打倒・日立! とばかりにで興味深いアイディアを様々投入しており、個性を発揮している。

今回紹介したプレミアムXシリーズ『R-X7300F(ZT)』は最大サイズ730Lであるが、それより少し内容積を抑えたサイズもあるので参考にしてほしい。

次は三菱電機冷蔵庫『MR-WX71Z』を紹介する予定だ。

 

【スペック】

日立プレミアムXシリーズ『R-X7300F(ZT)』(フレンチ6ドア)

(実勢価格 税込約318,500円・2015年8月13日発売)

設置サイズ/重量 高さ1858 × 幅890 × 奥行740mm 142kg

容量 冷蔵室386L(うち真空チルド28L)/製氷室22L/冷凍室39L+146L/野菜室137L

年間消費電力 220kWh/年

特徴① 野菜室まるごと「新鮮スリープ野菜室」

特徴② 野菜室と同じプラチナ触媒により「真空チルドルーム」での保存性能が向上

特徴③ 業界最大の定格内容積730L 特徴④ 業界初の省エネ技術「マルチバルブ制御」

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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