『ペヤング にんにくMAXやきそば』周囲に大迷惑をかけること保証付・阿鼻叫喚の冷や汗ものクサうまグルメ!
美味しいのはわかっているけれど通勤電車やオフィスで周囲の迷惑になりたくないと我慢しがちなのがニンニク……なはずなのだけれど、そんな殊勝な気持ちを過激にふっとばそうとするのが、このまるか食品による暴力的なニンニク臭の『ペヤング にんにくMAXやきそば』(114gうち麺90g・希望小売価格 税抜175円・2015年11月16日発売)。まさに禁断の味保障付なデンジャラスやきそばを覚悟して食べてみた。
かつて『ペヤング 激辛やきそば』が本当に食べ続けるのが困難な程に激辛で、まるか食品が看板に偽りない過剰な商品展開をしているのは思い知っている。となると当然この『ペヤング にんにくMAXやきそば』もかなりのハイレベルの戦いになることは予想できた。
しかし、その思いのさらに上を行ったのがこの『ペヤング にんにくMAXやきそば』である。真っ黒に赤文字という危険物丸出しなパッケージとともに「まわりの人に迷惑がかかります。喫食の際は1人でお召し上がり下さい」との警告文で恐怖心を煽る。何でカップやきそばにここまでビビらなければならないのかと思わないでもないが。
いや、その恐怖感はあながち間違いではない。蓋をめくってかやくとソースを取り出した時点では、香ばしい油揚げ麺の香りなのだが、かやくを入れた時点でもう臭い。
内容物はフライドガーリック、キャベツ、赤唐辛子なのだが、香ばしいと言うより既に刺激臭。通常版に含まれる青のりは無し。
湯入れをした時点でもう周囲に迷惑がかかる。
半径3mくらいは臭いゾーン。間違ってもオフィスで食べようとする猛者はいないかもしれないが、この段階で周囲から総ツッコミが入りそうな勢いである。
当然のことながら湯切りのお湯もとても臭い。シンクに染み込むんではないかと心配になるくらい。そしてもう充分臭いですという心境の中、さらにソースを投入。これはもうソースと言うよりニンニクだれ。茶色味を帯びた液体はどろりと麺の上に降り注ぎ、化学薬品並みの刺激臭を立ち上らせ始める。
もう「これ、食べるの?」状態である。確かに記者はニンニク好きだが(嫌いな人はいるのか?)、フライドガーリックの香ばしさあふれるガーリック臭だけでなく、これはすりおろしニンニクの酸味さえ感じさせる刺激臭が。そこにさらに極悪なハーモニーを奏でる凶暴なニンニク臭。半径10mは強烈なはず。
嗅いでいるだけで酔っ払いそうなくらいのニンニク臭を、記者は未だ嗅いだことがなかった。さすがまるか食品、やることに遠慮がない。もちろん嗅いでばかりではラチがあかないので食べてみる。
ビリビリっとした刺激が舌を斜めに横切っていく。そしてすりおろしニンニクを飲み込んだような匂いが鼻から突き抜けていく。味的には旨味あふれる塩焼きそば系統なのだが、ニンニクのインパクトが強くて一瞬冷や汗が出る。こんなに大量のニンニクを味わっていいのだろうかと、生体としての危険信号が鳴っているのか。
舌をビリビリさせながら味わっていくが、キャベツと赤唐辛子くらいしかよそ見するものはないので、ひたすらニンニク味と戯れることになる。2/3くらいで汗が噴き出してきたのだが、これは何の汗なのだろうか。でもこの味わいならどんなニンニク欲も確実に満たされるはずだ。ニンニクが持つ甘さと辛さの中間に位置する旨味が五臓六腑に染み渡る。
この『ペヤング にんにくMAXやきそば』を味わってしまうと、イタリアンのニンニク風味パスタ・ペペロンチーノなど、可愛いものである。加熱したニンニクならそれほど臭くないんだなと、若干思考が麻痺してしまうほど。すりおろしニンニクの味を前面に出したこの『ペヤング にんにくMAXやきそば』はすごい。
結局勢いのまま完食してしまった。いやはやもう取り返しがつかない。部屋に引きこもるしかない。吹き出した汗の匂いさえニンニクが混じっているような気になるほどすごいものだった。もはや吐息はニンニクガス。食べ終わった容器の処理さえどうしたらいいかわからない。電車に乗ったら何をされるかわからない。
警告文は嘘でも大げさでもなかったことをここに報告する。そして食べる際は翌日の予定をしっかり確認し外出の必要がないことを確かめてから、ブレスケアなどの対策品を用意した上で戦いに挑んでもらいたい。同時に体調も万全に整えておきたい。ニンニク好きなら一度は試してみたい問題作だが、覚悟は必要だ。老婆心ながらここに警告しておく。