野菜をとれと諭す母親のようにやさしく滋味でつつみ込む『明星チャルメラどんぶり ちゃんぽん』は平和の味!
明星食品株式会社(東京都渋谷区)より寒い夜にぴったりな野菜風味香る『明星チャルメラどんぶり ちゃんぽん』(81gうち麺65g・希望小売価格 税抜180円・2015年2月発売)が出た。果たして「チャルメラ」ブランドでちゃんぽんはどう仕上げられているのか。
ちゃんぽんというとどうしても「長崎」のイメージを思い浮かべてしまうもの。魚介類から豚肉、かまぼこ、キャベツなどの野菜までいろいろなものがごちゃまぜになっている感がある。
しかし今回味わった『明星チャルメラどんぶり ちゃんぽん』に関して言えばもっとシンプルなものだった。
調理方法は約360mlの熱湯を使用。事前に粉末スープと調味油は取り出しておく。時間は5分。油揚げめんとしては長い方。お湯を注ぐと同時に野菜の香りがグンと迫ってくる。
さらに調理完了後、粉末スープを入れて調味油を加えても、その野菜感は一向に衰えを見せない。白濁したスープから立ち上るのは、かやくとして入っているキャベツ、かまぼこ、コーン、人参、キクラゲだけとは思えない野菜風味。その先の方に豚と鶏、そして魚介類が湯気に隠れてシルエットだけが見える感じ。
白湯スープを味わうとフワーッとさらに野菜の旨味が口中に広がる。やさしさあふれる野菜の風味。「体にいいよ」と横から囁かれているような滋味を感じる。成分から見ると、チキンとポークを主体に魚介と野菜のエキスを加味してちゃんぽん感を表現しているというのが正確なところのよう。
スープにはうれしいコーンが散りばめられていて、かすかなのはきくらげとにんじん。一方アピールしてくるのは8枚も入っている魚肉ソーセージのようなピンク色をしたかまぼこだ。そう、ここにも肉は存在しない。塩っ気が程よくアクセントになっている旨味のあるスープを飲み干した後、麺をすすって驚いた。
油揚げめん独特の臭みはなく、ノンフライかと思うくらい自然派のめん感覚。縮れのほとんどない太い麺はつるつるシコシコと、吾輩はちゃんぽんであるという強烈なアピールを仕掛けてくる。確かにこの麺は美味しい。歯ごたえも良いので、通常の平型タイプのカップ麺のめん量よりも若干少なめなことも忘れさせてしまう。
用途として最も適しているのは「夜食」だろう。とんこつだったり肉の凶暴さを前面に押し出したカップ麺を夜中にいただくのは少々罪悪感のあるもの。その点、この野菜の風味をこれでもかと押し出した65gめん量のこの『明星チャルメラどんぶり ちゃんぽん』は、やさしくつつみ込むように小腹を満たしてくれるはずである。