スプーン一杯の水で1週間光り続ける『水ピカッ』   面白い商品だが、果たしてその実用性は?

日ご紹介する『水ピカッ』は、いざというとき、スプーン一杯の水さえあれば、1週間光り続ける非常用のライトである。泥水でも雨水でも、最低限の化学反応を起こせる水分があれば、LEDチップが光る、そういう非常用・災害用ライト『水ピカッ』、さっそく使ってみた。

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この『水ピカッ』、まず非常に小さく、高さ7cm、幅3cm、厚さ1.5cmしかない。しかも電池の材料となるマグネシウム版と銅板、それに触媒層とLEDチップが入っているだけなので、非常に軽いので、非常用・災害用として携帯するには良さそうである。

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使い方は簡単で、『水ピカッ』の底を、水に浸けて引き上げるだけ。3秒も浸ければ、すぐに上部のLEDが点灯する。

また、上部のライト部分はスイッチにもなっていて、ライト部分を引き上げるとライトは消え、押し込むと点灯する仕組みになっている。

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問題は、このライトは、そんなに明るいものではないということ。本当に何もない暗闇よりは、このライト1つあるだけで確かに心強いだろうが、明るい低価格のLED懐中電灯がずいぶんと普及している昨今、この『水ピカッ』の優位性はどこにあるのだろうか。

 

おそらく、この『水ピカッ』を非常用に準備したければ、複数個を用意する必要があるだろう。懐中電灯のように使うには、2つくらいは一緒に持ちたくなる明るさだし、ろうそくのように置いて使うにしても、1つが受け持つ範囲は狭いので、ある程度の個数が欲しくなる。

ところが、この『水ピカッ』は1個980円(税別)もする。10個買うと税込で1万円を超えてしまう値段なのだ。確かに軽くて小さいことは魅力だが、残念ながら、記者なら、そのお金をかけるならLEDの懐中電灯を買うだろう。1週間もつとはいっても、所詮使い捨てのライトなのだ。

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水を使ったCu-Mg(銅マグネシウム)電池なので、水気が乾くと電流が弱くなるため、そのときはまた水に浸けると明るく光る。おおむね、2~3日に1回水に浸けると、明るさは回復するらしいが、極板の反応が終了すれば捨てることになる。

水に浸けなければ、5年間は保管できるという。

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さて、このような内容の災害用・非常用ライト『水ピカッ』だが、あなたはこの実用性あるいは、必要性をどう判断するだろうか。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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