糖質・プリン体は両方ゼロで当たり前!キリン、アサヒ、サッポロ、サントリー主要ビールメーカー4社のゼロゼロ発泡酒を比較してみた!
『おいしいZERO』
(サントリー酒類株式会社 2014年9月2日発売)
最後は、商品名がいきなりハードルを上げているこの製品。サントリーお馴染みの天然水仕込みというだけあって、確かにおいしい水の味がする。
炭酸も弱く、いわゆるペリエなどの発泡炭酸水のように泡の粒が大きめの印象。『淡麗プラチナダブル』と同様に、フルーツ系カクテル飲料のような印象があった。
つまりこの「おいしい」表記は、限りなく女性目線の「おいしい」で、男性目線の「うまいっ」ではないことに注意したい。
確かに爽やかさもあり、後味も酸味の残るタイプで本格派ビールが苦手な人にむしろおすすめなタイプだろう。醸造アルコール使用。
(アルコール分5% 28kcal)
以上、4商品を比較してみて、同一コンセプトでありながらここまで個性が出るのかと、まず驚いた。そして糖質ゼロ・プリン体ゼロの発泡酒という縛りの中で、それぞれの美味しさを表現しようとするメーカーの努力がグラスから伝わってくるようで、非常に感銘を受けた。これには心から敬意を表したい。
その中であえて優劣をつけるとすれば、記者の意見としてはサッポロビール『極ZERO』に軍配を上げたい! きめ細かな泡立ちは圧倒的。ビール独特の苦味とキレをよく表現している。いち早くゼロゼロ発泡酒を製品化にこぎつけた、王者の風格さえ感じさせた!
ただ、酒はそもそも嗜好品である。好みは千差万別であるうえ、舌が馴れることで、次第にそのうまさに目覚めていくという側面もある。記者の評価はあくまで男性目線で、ビールに近いかどうかを基準としたのだが、ぜひ読者諸氏も自分好みの1杯がどれなのか、楽しく飲み比べてみてほしい。
今後も各社は創意工夫でビールの味を追求するだろう。この調子ならまだまだこのジャンルは進化していくのだと思う。ある意味ゼロゼロの高機能発泡酒のスタートラインがここ。これから、もっと満足できるアルコール飲料が生まれることが、今から楽しみである。