『汁ポーイ』は様々なものに取り付けられる注ぎ口!その使い心地は?

ウル、鍋、フライパンなど。様々なものに取り付けられ、注ぎ口として使える『汁ポーイ』をご紹介しよう。これがあれば、液体をこぼさずに別の容器に移し替えが出来たり、パスタや野菜を茹でた時の湯切りや、余分な油分を取り除いたり出来たりする。アメリカでは50万個以上売れているという人気アイテムが日本に初上陸した。

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材質はシリコン。重さは56g。クリップがついており、いろいろなサイズのパンやボウルに簡単に取り付けられる。食器洗浄機、使用可能。耐熱温度は167℃で、煮え立った油以外なら、熱湯にも余裕で耐える。
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使い方は簡単。クリップ部分を持って、装着するだけ。シリコン素材がパンの形状にフィットし、注ぎ口となる。
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ストレーナーは付け外し可能。
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この部分、どうやら切り離して使っても良いみたいだ。

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例えば、肉料理をした時など。フライパン内に脂が出てきてしまう時がある。そんな時に、汁ポーイを装着し、余分な脂を捨てる。

さて、なかなか良いアイデアの商品だが、実際に使ってみるとどうだろうか?

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確かに、脂を捨てる事は出来るが、しっかり捨てるのは難しい。なぜなら、相当な角度をつけて傾けないと脂が流れていかないからだ。食品がこぼれないように、ストレーナーがついているのだが、フライパン内に脂を残さないためには、90度近くまで傾ける必要がある。さすがにこの角度に傾けると、中身がこぼれてしまう。

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しっかり切りたいか、どうか。ここが分かれ道である。フライパン内に脂が残っても気にしないなら話は別なのだが、しっかり捨てたい場合は、難しいのだ。

 

 

 

脂だけでなく水も切れるが、こちらも同じ理由でイマイチ。

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たとえば「米」を研ぐ時にも使えるのだが、
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お米を研ぐ時には、研ぎ水に漬ける時間は短い方が良い。サッと水を変えながら、研いでいくのが基本だ。汁ポーイを使うと、確かに米をこぼさずに水が切れるのだが、劇的というほどでもない。3合分の米を研いでみたが、90度近く傾ければ、やはりこぼれてしまう。チョロチョロとしか、こぼしていくことが出来ないので、漬かり時間が気になってしまう。

パスタや野菜の湯切りに使う場合も同じ。大きく傾ければ中身がこぼれる。ゆっくり切るのは、それだけ長く湯に浸かってしまうことになる。パスタや野菜は、茹で時間が大切。一気に湯切りをしたい場合には、向かないだろう。

 

また、クリップのホールド力がそれほどないのも難点だ。食品が注ぎ口へ押し寄せてくると、その勢いで汁ポーイが外れそうになったり容器からズレてしまう。そうすると、サイドから水が漏れたり、最悪の場合汁ポーイが外れて中身もこぼれてしまうということになりかねない。

 

 

 

 

記者が使いやすいなと感じたのは、お菓子作りの時。生地をボウルから直接型などに流す時だった。

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カップケーキやパンケーキなどの生地を作り、型やフライパンに流していく。お玉などで移し替える手間がなく、綺麗に注ぐことが出来た。チョコレートやシロップなどで、デコレーションしたい時にも使えそうだ。

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ただし、ボウルが重い場合は傾けるのが辛く、両手で持たなければいけない点は注意。

 

 

 

そんな訳で、フライパン内に残った脂だけを捨てたい時や、湯切り・水切りとして使えなくはないが、海外サイトの写真で紹介されているような、食品を残したまま使うのは、少し厳しいのではないかと思う。

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キチンと切るには中身がこぼれそうになる上、手の角度を90℃近くまで傾ける必要があり、また重たいフライパンだとこの作業が辛い。

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付け加えて言えば、注ぎ口からの水切れは良いが、脂やケーキの生地などは、注ぎ口から垂れてしまうこともあった。

こういう部分の感性が、海外と日本ではちょっと違うのかもしれないと感じた。
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少しばかり、辛口の批評になってしまったが様々なものに取り付けられるという点は良い。シリコンなので、様々な容器にフィットするし、綺麗に注ぐことは出来る。

どういう時に便利なのかと、開発秘話を読んでみた。開発者がキャンプへ出かけた時にこの商品のアイデアが浮かんだのだとか。フライパンで調理したベーコン等の脂を捨てたかったのだが、自然環境保護のため、コーラの缶に注ぎ持ち帰ることにした。その時に、缶からこぼれてしまった経験から、簡単に色々なものに取り付けられる注ぎ口を開発したのだとか。

なるほど。キャンプなどの場面では、これが1つあるだけで油を移し変えたり、水を切ったり、何かをきちんと注ぐことなどが出来たらいいかもしれない。

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価格は1,600円(税別)。

東急ハンズをはじめ、アマゾンなどインターネット通販で購入出来る。

公式サイトはこちら

記者

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蘭 よう子

デザイン/マーケティング専攻。商品開発やレシピ開発に携わる。雑誌やWebメディアでの執筆・連載多数。調理、アートワーク制作から撮影まで、すべてをこなすマルチクリエイター。文具やアートの分野にて講師経験あり。

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