また1つイタリアの“食文化”が、より身近な存在になる!ロッテ『パネトーネ』ドライフルーツとチョコレート

リスマスといえば、ドイツ生まれの「シュトーレン」というのは、日本でもかなり一般的になってきたが、イタリアの「パネトーネ」というのは、まださほど一般的とはいえない。

「パネトーネ」発祥の地である、イタリア北部のミラノを中心に、クリスマス時期になると食べられる伝統菓子だそうだが、近年では、母の日やバレンタインデー、さらに普段から年中「パネトーネ」を楽しもうという動きも起きている。そんなイタリアの伝統菓子を、わが日本では、コンビニで年中買えるようになったのだから、ロッテはなかなか話題作りが上手である。

3月25日、ロッテからその名もずばり、『パネトーネ』が新発売。ラインナップは、オーソドックスな「ドライフルーツ」と、チョコチップを入れた「チョコレート」の2種類だ。

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パネトーネの最大の特徴は、「パネトーネ種」という酵母を使って生地を発酵させた「発酵菓子」であること。その「パネトーネ種」という酵母が、なかなかの“くせもの”で、日本での育成も難しいために、それを使った菓子であるパネトーネが、これまでなかなかヒットしなかったのである。

なんでも、「パネトーネ種」というのは、生まれたての子牛が初乳を飲んだ後の腸内物質から取り出した菌を小麦粉と混合して作る自然酵母で、その培養には、北イタリアの空気や環境が欠かせないほどのデリケートな菌だとか。しかも、熟練した職人技も必要らしく、日本では培養困難なために、これまでもイタリアから空輸して使用することがほとんどだった。

ロッテも、『パネトーネ』発売にあたり、やはりイタリアから運んだパネトーネ種を使用し、そこにロッテ独自の半生菓子技術を取り入れることで、新たな商品開発をした。

イタリアの伝統菓子に近いオードドックスなタイプ「ドライフルーツ」には、レーズン、レモンピール、オレンジピール、パインアップル、シトロンピール、クランベリー、りんごのドライフルーツが大粒のままに混ぜ込まれている。

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一方の、「チョコレート」の方には、ココアを練り込んだマーブル状の生地に、粒状のチョコレートをふんだんに練りこまれている。

さっそく、パッケージを開けてみると、まず鼻をつくのが、アルコール臭である。ドライフルーツには洋酒漬けも使われているほか、どちらにもアルコールが使用されているため、「運転時などはご遠慮ください」との注意書きもパッケージに印刷されている。

パネトーネ種は独特の乳酸菌と共生しているため、それで発酵させた生地には、独特の甘酸っぱい風味としっとりとした食感が生まれるだけでなく、防腐性、防菌性にも優れ、長期保存が効くらしい。

口に含んでみると、確かに、ふんわりとしたしっとり感のある生地には、独特の軽い酸味が感じられる。その甘酸っぱさは、特に「ドライフルーツ」の方に強く、「チョコレート」の方はチョコのアクセントと生地のココア味が強いため、あまり感じられなかった。

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厳密に言えば、これはロッテが開発した、「パネトーネ風」のお菓子ということになるかもしれないが、しかし、こうした他国のスイーツ文化を、まずは非常に身近に体験できるだけでも、この商品の存在価値は十分にありそうである。

ロッテ『パネトーネ』ドライフルーツとチョコレートは、北海道、東北、東京、関東、信越、静岡のコンビニ・駅売店限定で、3月25日から先行販売開始。想定小売価格は、税込で178円前後になる見込みだ。

5月11日の母の日には、ミラノ風に『パネトーネ』を楽しむというのはいかがだろう。それが大きなブレークの始まりとなるかもしれない。

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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