スイッチONで、突然、外の世界から切り離される快感!どこにいても集中できる!キングジム『デジタル耳せん』

の付け所が面白い、家庭・オフィス用事務器、アイデア文具、電子文具の製造・販売をするキングジム(東京・千代田区)から、耳に付けて面白い新商品が発売になった。

商品名は『デジタル耳せん』。デジタル技術により、騒音だけをカットして、人の声はそのまま聞こえるという耳せんだ。その効き目を、さっそく試してみた。

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この『デジタル耳せん』、オーディオなどにちょっと詳しい人であれば、特に目新しい技術ではなく、以前からよくある、いわゆる「アクティブノイズキャンセラー」である。

簡単に言うと、環境騒音である主に300Hz以下の周波数音に対し、その逆位相の信号を作成し、それを重ね合わせることで、能動的に騒音を打ち消す技術で、その信号作成にデジタル回路を使用しているということになるだろう。

もっと直感的な表現をすれば、水面にできる波を音の波と考えたときに、その波の山と谷が正反対の波を送り出すことで、波を打ち消し、水面を平らにする。そうやって余計なノイズを消す技術のことで、その回路を耳せんに付加することで、人工的に静けさを作り出す商品だ。

騒音の周波数に対してだけ、逆位相を発信するので、それよりも周波数の高い人の声などは、普段のままに聞こえるという仕組みである。

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理屈はこのくらいにして、さっそくパッケージを開けてみると、ちょうど音楽プレーヤーのような、1辺が6.3cmほどの正方形の本体に、85cmのコードが付いたヘッドフォンがつながっていて、それに取扱説明書、本体を収納して持ち運びに便利はソフトケース、他に、耳の大きさに応じて付け替えられるイヤーピースが、XS、S、M、Lの4種類入っている。

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記者の家は南アルプス山中にあり、騒音がまったく無いので、この『デジタル耳せん』を東京出張への旅に持ち出してみた。

特急電車に乗って、『デジタル耳せん』を装着し、スイッチをON。すると、ガタンガタンという線路の音や、車内のガーッという環境音が、ピタッとシャットダウンされる。スイッチをOFFにすると、「ガーッ、ガタンガタン」。再びONにするとシーン!。この効果は面白いほどはっきりと感じられ、それはあたかも、スイッチを入れた瞬間に、防音ドアを耳の中で締めたような感じだ。

そして、「次は○○駅です」といった車内アナウンスの声は普通に聞こえる。実際、ためしに音楽を聴くヘッドフォンで比べてみたが、それだとアナウンスはとても聞こえにくくなるが、『デジタル耳せん』なら大丈夫である。

これなら、電車の車内、飛行機、クルマに乗っているとき、さらにエアコンの音などが気になる図書館や、ざわついた喫茶店など、ちょっとした環境騒音で集中できないときに、スイッチONすれば、どこでもいつでも集中して自分の世界に入り込めそうだし、そのときに必要な人の声などは聞き逃す心配もない。

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ケースに入れてポケットの中で邪魔にならず、使いたいときは、サッと取り出して耳にヘッドフォンを付けて、スイッチONするだけ。単4形アルカリ乾電池1本で、約100時間の使用が可能で、環境騒音を約90%カットしてくれる『デジタル耳せん』は、本体価格が税別4980円。色はホワイトのみとなっている。

一瞬で外の世界から離れ、自分の世界に入り込み集中したい人にはおすすめの、面白い耳せんの登場。3月7日から発売中である。【渡邉 穣】

 

記者

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渡辺 穣

複数の雑誌のデスク・編集長等を経てフリーライター/エディター。主にビジネス/経済系の著書・記事多数。一橋大学法学部卒。八ヶ岳山麓に移住して20年以上。趣味は、スキー、ゴルフ、ピアノ、焚き火、ドライブ。山と海と酒とモーツァルトを愛する。札幌生まれ。

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