売れ筋ランキング「ローソン チルド弁当編 TOP5」

 

買って帰れば、家でそのままレンチンだけで簡単においしく食べられる、バランス良く栄養がとれる、そして3日程度は日持ちする。数年前の常温弁当全盛時代のコンビニ弁当から格段の進歩を遂げたチルド弁当。そのため目下人気が急上昇しているという。今回はそんな「ローソン チルド弁当ランキング TOP5」(実績期間:5月4日~10日/販売高ランキング/エリア限定商品を除く)を分析してみたい。


手軽にバランス良く日持ちしておいしい、もはや無敵の現代コンビニ弁当の実力!

かつてのコンビニ弁当といえば、あまりおいしくなく、バリエーションも少々、栄養面でも決しておすすめされるようなものではなかった。しかし企業努力の賜物で、今コンビニ店頭に並んでいる弁当類は、チルド(冷蔵)へと進化し、手軽さはそのままに、おいしさ、栄養バランス、日持ちなど、無敵のメニューに変化している。

 

常温弁当とチルド弁当、今一つ違いにピンとこないかもしれないが、いまだにスーパーなどではよく見かける常温弁当は、常温のまま販売され、そのまま食べられるという利点もある。ただその分、野菜の新鮮さは保持することができず、傷みやすい食材も使いにくかった。そして消費期限は短かった。

 

ところがレンチンを前提にし、約5℃の冷蔵で店頭に並ぶチルド弁当は、生野菜を新鮮なまま使用することができるなど使用食材が増える上、彩りも鮮やかにキープできる。常温では考えられなかった半熟卵などの使用も可能にし、調味料を含めた風味も保ちやすく、保存期間も3日程度までのばすことができたのだ。

 

そんな現代のコンビニ弁当=チルド弁当の人気ランキングを見ていくことで、その傾向を分析してみよう。

 

【第1位】「ふわとろ玉子と濃厚デミソースのオムライス」

標準税込価格450円

鶏もも肉と玉ねぎをあわせたチキンライスを、ふんわり、とろとろ食感が楽しめるたまごで包んだ本格メニュー「ふわとろ玉子と濃厚デミソースのオムライス」が、見事第1位をマークした。

 

家庭では難しい、じっくり煮込んだ濃厚な味わいのデミソースと、チキンライスの程よい酸味が、贅沢なおいしさを演出して、ワンコイン以下。これはすごい。

 

 

【第2位】「ねぎ塩豚カルビ弁当 (もち麦入りご飯)」

標準税込価格 399円

氷温熟成®した旨みある豚バラ肉を使用して、ネギ入り塩だれで仕上げている時点で、300円台の弁当とは思えない「ねぎ塩豚カルビ弁当 (もち麦入りご飯)」。定番人気の商品である。

近年のコロナ太り全盛時代よりも前から、注目を浴びていた健康食材のもち麦を使用、食物繊維の含有量も豊富にしているところが、実にヘルシー、ギルティーフリーだ。旨味たっぷりの豚肉とたれのハーモニーは文句なしにクセになる。

 

【第3位】「だしの旨み!牛丼(アンガス牛肉使用)」

標準税込価格 450円

並いる牛丼チェーンもまた、紅生姜を大量に使用して味わうタイプのテイクアウト牛丼を充実させているが、それとは別路線で、本来の牛肉の味わいに特化した路線で勝負を賭けている「だしの旨み!牛丼(アンガス牛肉使用)」

ライスと牛煮込みを増量することで特盛並みにボリュームをアップさせるだけでなく、コクを出すための醤油、日本酒などを贅沢に使ったこだわりのたれ作りもお見事。もちろん煮込まれた玉ねぎとの相性もバッチリだ。

 

【第4位】「海鮮中華丼」

標準税込価格 550円

通常の中華料理店で頼む中華丼とはわけが違う、海老・イカ・ほたてという贅沢海鮮具材に白菜・にんじん・たけのこ・小松菜等の多種野菜を盛り付けたヘルシー感を感じさせる「海鮮中華丼」。

 

成人病世代でも安心な減塩タイプで、よりさっぱりと食べられるところが気が利いている。

 

 

【第5位】「16DELI 十六穀ごはんの鶏黒酢あん」

標準税込価格 498円

16DELIと書いてイロデリと読むシリーズ弁当。ヘルシーさ極まる十六穀ごはんを使用して、コクのある黒酢あんをからめた鶏のから揚げをメインに、パプリカ、南瓜、人参、れんこん、ブロッコリー、茄子などの彩りのよい野菜をあわせてイロドリも鮮やかに仕上げているのが「16DELI 十六穀ごはんの鶏黒酢あん」だ。

健康酢の定番・黒酢あんを使った手間のかかるから揚げ、これだけの野菜を入れ込む面倒さ、考えるとクラっと来てしまうほど手の込んだヘルシーメニューである。肉・野菜・雑穀米がバランスよく味わえるこの商品の中心ファンは40〜50代女性が中心だという。

 

【傾向と分析】

 

トップとなった「ふわとろ玉子と濃厚デミソースのオムライス」は、やはり自力で作るには少々ハードルが高いふわとろ玉子、手作りすることなど面倒すぎて話にならないデミソースの組み合わせが支持を受けたに違いない。

面倒な料理がいとも簡単に買って帰ってレンチンするだけで味わえるのだから、下手にデリバリーを頼むよりも手軽と考える人も多いのではないか。そして買ってすぐ食べずに約3日の猶予があることで、翌日のランチ用などにも買いやすいというメリットもある。

その流れは3位の「だしの旨み!牛丼(アンガス牛肉使用) 」にも見て取れる。これもおいしさ優先で選ばれたがっつり系メニューだからだ。

2位及び4位以降は明らかにヘルシー志向が見て取れる。「ねぎ塩豚カルビ弁当 (もち麦入りご飯)」のもち麦、「海鮮中華丼」の減塩、「16DELI 十六穀ごはんの鶏黒酢あん」の十六穀米+黒酢と、どれもおいしさにヘルシー要素がきっちりプラスされている。

つまり現状はもはや、「コンビニ弁当で済ます」時代から、「コンビニ弁当で美食欲やヘルシー欲を満足させる」方向へ舵は切られているのだ。今後もこの傾向は加速していくに違いない。

公式サイトはこちら

記者

清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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