幻名店とマンガとコラボした『島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば』を食べてみた

もはや味わえない名店の味を

 

出世の階段を登りつめながら次々女性と仲良くなるサラリーマンの夢の生き様を描いて人気のコミック「島耕作」シリーズ。1980年代に「課長 島耕作」が大ヒットして今では社長を経て、会長から相談役にまで転身しているから驚きだ。そんな島耕作も通っていた名店の味が『島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば』として登場した。

 

現在閉店。本当に幻になってしまった名店「港屋」の味を元店主監修で再現!

人気コミック「島耕作」シリーズ(作・弘兼憲史/講談社)には、リアリティーを高めるために実在の店舗などが登場することがしばしば。そんな中に今回題材になった「虎ノ門 港屋」も、島耕作の愛する店として登場していた。

ただ虎ノ門 港屋は、2002年にラー油を入れた日本蕎麦という画期的なメニュー、立ち食いスタイルなのにおしゃれな内装ということで一気に行列店となって、後進にも大きな影響を与えたが、今年2月に閉店。本当に今で幻の味となってしまった。

「島耕作」相談役就任の発表会イベントでメディア向けに配布された「少し特別な箱」入りバージョン

そしてそんな幻の味を復刻してくれたのが、日清食品『島耕作も愛した幻の立ちそば 虎ノ門 港屋 辛香るラー油の鶏そば』(95gうち麺72g・希望小売価格 税抜228円・2019年9月9日発売)である。日本そばにラー油という組み合わせの先駆者である元店主・菊地剛志 (きくち たかし) 氏を監修に迎えた本気の一品。さてどんな味なのだろうか。

ちなみにラー油×そばという組み合わせで評判になったのは、「冷たい肉そば」だったが、今回は温かいそばである。

使用しているのは新開発されたという太そば。そこにコショウ、山椒、花椒(ホアジャオ)という和中混合のスパイスを効かせたかつおダシのつゆを合わせ、ラー油で仕上げる。和風と中華でいえば3:3でほぼ同点のせめぎ合いだ。

そこにかやくとして加わるのは蒸し鶏、ネギ、いりごまという中立的な立場の具材。湯蒸らし時間は5分で、フタをめくると和風のそばの香りが少しアレンジされて香ってくる。そば粉感がきちんとあって、良いそばの香り。

ところが別添特製「港屋 辛香 (からかお) るラー油」を投入すると、表面が一気にオレンジ色になり、個性派のラー油そばととなる。日本そばとして感じると「?」となるけれど、純粋に美味しい麺メニューとして考えると画期的な味の完成だ。

辛みはそんなに強くないが、風味は強い。それがそばの香りとガチンコで対決することで、不思議な美味しさが生まれるというこの仕組みは、やはり素晴らしい。甘辛さがさらにラー油の影響で強まっているのも特徴だ。

蒸し鶏もいいが、ゴマがいい仕事していると思う

驚いたのはそばの食感。ほぼカップ麺では限界の太さだが、その弾力感がすごい。ざらりとしたそば的テクスチャーと噛み切る時のプチンとした食感が、これまでのカップ麺では表現できなかった食感。これは美味しい。

パッケージに描かれた島耕作の姿に自分を重ねて出世やモテを願いつつ、食べるもよし、単純に旨辛なラー油そばの美味しさに感動するもよし、今では食べたくても食べられない幻の名店の味をぜひ楽しんでもらいたい。

入手は全国のスーパー、コンビニエンスストアなどで可能だ。

公式サイトはこちら

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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