希少な日本産ホップ・村上セブンを使用して生まれたクラフトビール『MURAKAMI SEVEN IPA』の美味しさとはどんなものなのか?

ホップは苦いだけじゃない!

 

近年注目を集めている小規模醸造所の作り出すクラフトビール。メジャー系のビールの味とはまた違う、個性の強さで人気だ。そしてこの『MURAKAMI SEVEN IPA』は、キリンのホップ博士・村上敦司氏が育て上げた希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」を使用したクラフトビール。その日本由来の美味しさを味わってみたい。

 

クラフトビールに決まった味はない!?

現在ブームを呼んでいるクラフトビール。日本ではニューヨークなどでこだわりを極めることで人気を博したホップの苦味の強烈なものと、いわゆる地域おこしから生まれた地ビールの流れを汲むものに大別される。そしてブームとなっているのは、圧倒的に贅沢にホップを使用してしっかり苦い、本来のビールのあり方を問いかけるタイプのクラフトビールである。

クラフトビールという言葉自体は、小規模醸造所で職人気質のスピリットで作り上げたビールという程度の枠組みしかない。したがってどんな味かを示唆するものではないのだ。ただメジャー系に比べるとこだわりを行き渡らせることができるので、より個性的な味わいに仕立て上げられていることが多い。ビールの基本は麦芽、水、ホップの3つ。それをどのようにアレンジするかが、味の基本となる。

中でもビールの命はホップと考える醸造所は多い。麦芽を酵母で発酵させるのがビールの基本だが、それを仕上げて、味の印象を大幅に変えるのがホップ(アサ科の多年草植物)。特有の苦味がどんな風味であるかで、ビールのキャラクターが定まるものである。

そんな大事なホップに、希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」を使用したのが、このスプリングバレーブルワリー『MURAKAMI SEVEN IPA』(330mlびん・希望小売価格 税込約560円・2019年7月2日発売)。日本ではあまり自生しない植物なので、日本産自体が珍しい。では実際にどんな味に仕上がっているのか、ぜひ飲んでみたい。

 

 

IPAとは何なのか?

ちょっとその前に、商品名にもなっているIPAを解説したい。これはインディアペールエールの略称で、そもそもは輸送中に傷みにくいように、防腐剤としても役立つホップの量を増やした麦汁濃いめで香り強く苦いタイプのビール。

 

 

日本ではすっきりとして苦くなく爽やかなドライタイプのビールも人気だが、もっとビール感をしっかり味わいたいという人にとっては最適な、ビール味が濃厚でギリギリとした苦味を味わえるタイプのクラフトビールとなる。

 

 

一口飲んだだけで明らかに違いがわかりやすいので、クラフトビール初心者にも受け入れられるかどうかの踏み絵的に試すのにも適している。

 

 

苦味をあまり目立たさない、フルーティーさが際立つホップの味わい。これが希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」の実力か!?

栓を抜くと、ふんわりとしたスパイシーなフルーティーさが鼻をつく。ドリンクというより上質な煮込み料理のような香りが面白い。そして飲んでみると、しっかりとした苦味は嫌味がなく、イチジクやみかんを感じさせる香りとともにフルーティーな芳醇さを感じさせるもの。これは美味しい。

クラフトビールというとめったやたらに苦いものも多いが、これは実に飲みやすい。しかも複雑な味わいがする。これが希少な日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」の実力だとしたら、ぜひ増産してもらいたいものである。

アルコール分は5.5%と、しっかりお酒なのだが、上質なソフトドリンク的美味しさも共存しているのが、酒好き以外の人にもアピールするはず。通常ビールよりはお高めだが、大事に飲みたくなるこのプレミアム感を感じてしまうと、コスパが悪いとは言いにくい。

 

 

入手はオンラインストアの「DRINX」で6本セットを税込3,369円で購入可能。他にクラフトビール専用サーバー「Tap Marché(タップ・マルシェ)」導入店舗、東京、横浜、京都などにある醸造所併設・スプリングバレーブルワリー店舗で味わうことができる。

 

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記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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