てこの原理を進化させ半分の力で開くダブルクリップ『エアかる』に、地味進化大賞を贈呈したい

実はダブルクリップは不便だった!

ダブルクリップはがっちり書類を綴じられて、非常に便利。しかし力は要る。考えてもみなかったが、確かにレバー部分が手に食い込む感覚はあるので、お年寄りや子どもには少々不親切かもしれない。そこで登場したのが新星ダブルクリップ『エアかる』。なるほど、これは気になる、試してみよう!

本体部分の微妙な突起とレバーを長くすることで、魔法のように軽い力で開く驚きのダブルクリップ進化型!

そもそもダブルクリップは1915年に米国で特許登録されたもの。その後100年以上、人類は何の疑問も抱かずに形状そのまま使い続けてきたものだ。その基本はてこの原理。閉じられた鉄製クリップをレバーを使うことによって開く。たまにレバーが壊れて自力で開けると、すごい力が要るから、そのクリップ力はかなり強い。

見た目はそんなに変わらないけれど…

 

その強力なクリップ力により、書類を長期保存する場合などには重宝するのだが、その分、開く力はそこそこ要る。確かに書類をピシッと揃えて留めたいときなど、開けたまま整えているとちょっと疲れる。レバーも指に食い込む。

レバーが浮いている!?

 

実際に日本の大手文具メーカーとして君臨するプラス株式会社にも、「開きが固く、力が必要」「パチンと弾け飛ぶ時がある」などの声が寄せられていたそう。そこで100年の時を経て改良が行われ、プラス株式会社『エアかる』(大/中/小 各10個入・希望小売価格 税抜450円/350円/300円・2018年3月1日発売)は誕生した。

長くなったレバー部分

 

とはいえ、ルックスはさほど変わっていない。レバー部分が長いこと以外は、注意しないと気がつかない。しかしよくよく見れば、黒い本体部分が複雑な形状に。レバーを浮かすように凸型に変形しているのだ。これが実は今回のキモ。

この出っ張りがポイント

 

従来品は鉄製本体の角を利用して、そこを支点に力を加えて開けていた。しかし『エアかる』は凸部にレバーが引っかかるようにできており、作用点への距離が近くなっているのだ。さらにレバーを長くすることによって、力点も遠ざけることができ、てこの原理を最大化させるというわけだ。

 

(プラス株式会社ホームページより)

 

言葉で説明するとややこしいが、実際に使ってみると本当に軽い。さすがに空気のようだとは言わないが、男性なら小指でも開けられるくらいの力でOK。確かに従来の半分の力で開くというのは嘘ではない。ちなみにこの構造はプラスオリジナルの新機構で、現在特許出願中。

同じ力で開こうとすると、左の『エアかる』が圧倒的に楽

 

開くのはらくらくだけれど、閉じる力は従来通りがっちり!

またレバー部分も指にあたる部分がRをつけずにまっすぐになっているので食い込みにくいし、滑りにくい。とてもとても地味な進化だけれど、使ってみるととても便利。しかも鉄製本体の剛性は同じなので、楽に開くが綴じるパワーは一緒なのでがっちり度は申し分ない。

今では100均ショップでも手に入るダブルクリップだが、『エアかる』は文具店で指名買いするだけの価値がある。記者的にはこの事務用品カラー丸出しのブラックしか選べないというのは不満だが、売れ行きが軌道に乗ればきっとカラーリングのバリエーションも増えるだろう。

入手は全国の文具店、量販店、専門店、オフィス通販、インターネット通販などで可能だ。

 

【スペック】
材質:本体=鉄、ハンドル=鉄・ニッケルメッキ
数量:各10個入セット
カラー:ブラックのみ
クリップ幅/とじ枚数:
大(CP-101AK) 32mm(約120枚) 税抜450円
中(CP-102AK) 25mm(約90枚 ) 税抜350円
小(CP-103AK) 19mm(約50枚) 税抜300円

オススメ度:(買っても損はない)
公式サイトはこちら

記者

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清水 りょういち

食レポからタバコ・コーヒーなどの体に悪い系、果てはIT、経済分野までフォローする新しもの好きライター。「わかりにくいをわかりやすく」がモットー。元「月刊歌謡曲/ゲッカヨ」編集長

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photo by 尹 哲郎

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